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清張の迷宮 の商品レビュー

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13件のお客様レビュー

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2024/08/08

北村薫、有栖川有栖・編『清張の迷宮 松本清張傑作短編セレクション』文春文庫。 2人のミステリー作家が厳選した松本清張傑作短編集。2人が5編ずつ選んだ10編を収録。 流石は有名ミステリー作家が厳選しただけに余り馴染みは無いが、味のある短編ばかりが並ぶ。確実に読んでいると確信出来...

北村薫、有栖川有栖・編『清張の迷宮 松本清張傑作短編セレクション』文春文庫。 2人のミステリー作家が厳選した松本清張傑作短編集。2人が5編ずつ選んだ10編を収録。 流石は有名ミステリー作家が厳選しただけに余り馴染みは無いが、味のある短編ばかりが並ぶ。確実に読んでいると確信出来るのは『佐渡流人行』と『天城越え』の2編であるが、他の短編も読んでいるのに内容を忘れてしまったのかも知れない。 『理外の理』。北村薫のセレクト。松本清張の作品はかなり読んでいるつもりだったが、この短編は初読みだった。まさかの展開に驚かされた。雑誌の方針転換により須貝玄堂が持ち込む原稿は採用されなくなってしまった。それでも玄堂が原稿を持ち込むこと12回。最後の原稿で…… 『佐渡流人行』。有栖川有栖のセレクト。既読。妻に嫉妬する男の復讐と爛れた男女の関係の結末を描いた時代サスペンス。横内利右衛門が佐渡支配組頭に命ぜられ、配下の黒塚喜介も佐渡に同行し、水替人足の管理をすることになる。江戸に戻った暁には出世も期待出来るものと喜介は妻を伴い、佐渡に渡る。 『月』。北村薫のセレクト。初読み。偶然なのか、それとも意図的なのか、『佐渡流人行』と似たようなテイストの短編だった。地誌学を志す伊豆亨は大きな仕事に手を出すこともなく、女子大の教師に甘んじていた。 『白い闇』。有栖川有栖のセレクト。初読み。果たして、この結末の後はどうなったのか、非常に気になるところ。泥々した男女の愛憎劇。石炭商の夫の精一が何時ものように東北の常磐地方と北海道に出張するが、予定を過ぎても戻らぬことを心配する妻の信子は精一の従弟の俊吉に相談する。 『詩と電話』。北村薫のセレクト。初読み。タイトルからは容易にストーリーが連想出来ない。それでいて、ミステリーの謎が明かされているという大胆さ。1年前に胸を悪くして休んでいた新聞社に勤める梅木欣一は地方都市に異動になる。梅木が赴任した地方都市ではライバル紙の小林太治郎という通信員がスクープを連発していた。警察よりも先んじて現場に駆け付ける小林の秘密とは。 『装飾評伝』。有栖川有栖のセレクト。初読み。松本清張にこういう雰囲気の短編があったとは。異端の画家、名和薛治について書こうとしていた主人公が気付いた名和の秘密。 『断碑』。北村薫のセレクト。初読み。『装飾評伝』とも類似たような雰囲気の短編。ここまで、松本清張らしいミステリー短編が少ないことが解せない。鬼才と言われた考古学者の木村卓治の生涯。 『田舎医師』。有栖川有栖のセレクト。初読み。なかなか渋い短編だ。ミステリーを前面に出すことなく、自身のルーツを辿る味のある短編であった。杉山良吉は亡くなった父親の猪太郎の故郷である葛城村を訪ねる。本家の杉山俊郎という医師の元を訪ねると往診に出掛けた俊郎は道から転落死してしまう。俊郎の葬儀に参加した良吉にある疑念が浮かぶ。 『上申書』。北村薫のセレクト。初読み。松本清張にしては少し変わった作風の実験小説のような短編だった。戦時中に妻殺しの疑いをかけられた男の聴取書で構成される短編。証言が二転三転する男の供述。 『天城越え』。有栖川有栖のセレクト。既読。映画にもなった有名な短編である。石川さゆりの演歌とは関係ない。高校生の時に読み、50年もの時を経て久し振りに読んだが、最初に読んだ時の衝撃が蘇って来た。16歳の鍛冶屋の倅が家出して天城峠を越えようとする。道中、24歳の若い女性と同行することになる。それから、30年後…… 本体価格960円 ★★★★

Posted byブクログ

2024/08/04

普段なら松本清張と言えども、いろんなジャンルが入るアンソロジーは避けてしまうんだけど、有栖川有栖が選んだとなれば話は別。 読んでみると、普段なら選ばないであろう作品もおもしろい!(いつも思うけれど、読まず嫌い程損なことはないね) ・佐渡流人行 ・装飾評伝 ・天城越え が特にお...

普段なら松本清張と言えども、いろんなジャンルが入るアンソロジーは避けてしまうんだけど、有栖川有栖が選んだとなれば話は別。 読んでみると、普段なら選ばないであろう作品もおもしろい!(いつも思うけれど、読まず嫌い程損なことはないね) ・佐渡流人行 ・装飾評伝 ・天城越え が特におもしろかったかな。 それから、表紙の絵が!私は好き(笑)

Posted byブクログ

2024/06/24

【清張短編のベストがついに決定】数百編にもおよぶ松本清張の短編の中から、ミステリ界の旗手ふたりが各々のベスト5を厳選!清張入門にもうってつけのアンソロジー。

Posted byブクログ