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黒牢城 の商品レビュー

3.9

92件のお客様レビュー

  1. 5つ

    21

  2. 4つ

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  3. 3つ

    21

  4. 2つ

    3

  5. 1つ

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2024/08/17
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

166回直木賞受賞作品。 戦国武将、荒木村重を主人公に地下牢に幽閉された黒田官兵衛を探偵役に、籠城中の場内にて巻き起きる4つの事件の謎を明らかにしていく物語。 読んでいる時は、当時の言葉で書かれた地の文や話し言葉、風習や価値観に読みづらさを覚えたものの、米澤穂信先生の筆力により、脱落することなく最後まで読むことができた。 歴史としての史実のリアルさと推理などのエンタメ要素がとてもうまく融合していてとても良かったです。織田信長に謀反するため、”その時”を待つ荒木とその荒木村重に幽閉された黒田官兵衛が城の中で起きた数々の事件を解き明かす様がとても面白かったです。その事件の裏には恐ろしい陰謀があり、それが最終章で一気に明かされていく所がとても気持ちよかったです。そして一人の黒幕が明らかになりそれで終わりと思いきや、もうひとつの黒い野望が明らかになったところがミステリー作品としての醍醐味を味わえてとても良かったです。  読めば読むほど重たい雰囲気になっていくこの作品。村重はどんどん孤独さを増していく上に、それに追い詰められていく。しかしそれでも村木家を守ろうと信念を貫いた姿はとてもかっこよかったです。そして最後の最後にこの本を読み切った人だけが味わえるご褒美のようなラストにとてもグッときました。これが直木賞作品に選ばれたのも納得だと思います。 この作品をアニメ化した際の声優陣を自分なりのキャスティングしてみたので読む際に参考にしてください(敬称略)。 荒木村重:杉田智和 黒田官兵衛:中村悠一 竹千保:茅野愛衣 荒木久左衛門:置鮎龍太郎 中村新八郎:松岡禎丞 池田和泉:鳥海浩輔 野村丹後:安元洋貴 北河原与作金勝:岡本信彦 瓦林能登入道:茶風林 高山大慮:チョー 鈴木孫六:中博史 下針:江口拓也 安倍自念:結川あさき 郡十右衛門:阪口大助 秋岡四郎介:梅原裕一郎 伊丹一郎左衛門:細谷佳正 乾助三郎:石川界人 森可兵衞:武内駿輔 無辺:千葉繁 栗山善助:梶裕貴 竹中源助:子安武人 松壽丸:佐藤聡美

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2024/08/17

お恥ずかしながら、、、 私、歴史の知識はゼロ。 織田信長って名前や、羽柴秀吉って名前くらいはなんとなく知ってる。そんなレベル(-。-; そんな私が、『米澤穂信』の名前だけで買ってしまった本。 1ページ捲ってこりゃ無理だ、、、 と積んでおいた作品(笑) とうとう読む本が無くな...

お恥ずかしながら、、、 私、歴史の知識はゼロ。 織田信長って名前や、羽柴秀吉って名前くらいはなんとなく知ってる。そんなレベル(-。-; そんな私が、『米澤穂信』の名前だけで買ってしまった本。 1ページ捲ってこりゃ無理だ、、、 と積んでおいた作品(笑) とうとう読む本が無くなり、この本に手を出してみた。 きつい。。。 歴史モノ独特の読みにくさ。 歴史モノ独特の名前。 外国人並みに覚えにくい(-。-; 荒木村重。聞いたことないけど、有名な人!? 実在した人?? 私の歴史レベルはこの程度。こんなんで読めるのか!?この本。。。 織田信長に謀叛を企てた荒木村重は有岡城に立て籠もり毛利を待つ。 立て篭もる中、城内ではいくつかの事件が起こる。荒木村重は牢に閉じ込めていた黒田官兵衛 の元に行き、その智略で事件を解決に導く。 なるほど、ミステリと言えばミステリだが、私の好きなミステリとはちょっと違うようだ(^◇^;) 歴史モノ、好きではないのだが、読むと面白い。 この本も勿論面白かったが、『樅ノ木は残った』も、『虎の城』もめっちゃ面白かった。 この読みにくさが無ければ歴史モノも良いのだけど、歴史モノ大好きだーーーー!となるにはまだ時間がかかりそうだ(⌒-⌒; )

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2024/08/15

信長に反旗を翻した荒木村重を説得するため有岡城に潜入した黒田官兵衛を捕らえ、土牢に閉じ込めたという歴史的事実を踏まえながら、官兵衛を安楽椅子探偵をさせるという枠組みで、信長に囲まれた有岡城という狭い場所の中でミステリーを構成していることが凄い。 さらに、ミステリーを連ねながら、村...

信長に反旗を翻した荒木村重を説得するため有岡城に潜入した黒田官兵衛を捕らえ、土牢に閉じ込めたという歴史的事実を踏まえながら、官兵衛を安楽椅子探偵をさせるという枠組みで、信長に囲まれた有岡城という狭い場所の中でミステリーを構成していることが凄い。 さらに、ミステリーを連ねながら、村重の有岡城の脱出と有岡城の落城という歴史的事実の真相をも解き明かそうとする歴史小説になっている。その構想力には、ただただ感服するだけだ。

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2024/09/21

面白かったけど、好きなジャンルのミステリーではなかった。しかし、歴史小説と推理小説を上手く組み合わせたのは凄かったのでそこは評価。

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2024/08/14

歴史小説な上にそこそこのボリューム(文庫で500ページ弱)という事で、取っつきにくい要素は多いですが、 いざ手に取ってみると主人公である荒木広重の苦悩、城内外で起こる様々な事件、それに対し安楽椅子探偵よろしく牢屋から全てを見透かしたように推理を投げかけ続ける黒田官兵衛…と複雑な人...

歴史小説な上にそこそこのボリューム(文庫で500ページ弱)という事で、取っつきにくい要素は多いですが、 いざ手に取ってみると主人公である荒木広重の苦悩、城内外で起こる様々な事件、それに対し安楽椅子探偵よろしく牢屋から全てを見透かしたように推理を投げかけ続ける黒田官兵衛…と複雑な人間模様が興味深く、一気に読み切ってしまいました。 戦国時代についての知識はほぼ無いに等しいですが、それでも全員キャラクターが色濃く描かれているため作品単体で読む事が出来ました。

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2024/08/13

 荒木村重と黒田官兵衛の個性的なキャラクターに惹かれた。しかし、時代ミステリー故にトリックの理解に時間がかかったを

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2024/08/13
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折れた竜骨のように、その世界での常識(今回は戦国時代)を活かした展開が面白い。籠城中の重苦しく停滞した空気の中で、最後のカタルシスが良い。あの人、圧倒的光……。

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2024/08/12

俗っぽい言い方をすると荒木村重と黒田官兵衛の探偵コンビのミステリーって感じかな。歴史上の出来事がベースにあっていろんな事件が起きて…。でも歴史に弱い私には現場(?)の情景がイマイチ想像できず、最初はなかなか進まなかったけど、後半はハマって一気読み。

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2024/08/12

歴史を下敷きとしたミステリー。 だが、ミステリーとして読むと謎はややあっさりしているが、歴史小説をミステリータッチにしたものと見ると、かなり面白い。 信長に叛旗を翻した荒木村重が、籠城中に起こった不可解な事件の解決に骨を折る、という連作短編。地下牢に捕らえた黒田官兵衛を安楽椅子探...

歴史を下敷きとしたミステリー。 だが、ミステリーとして読むと謎はややあっさりしているが、歴史小説をミステリータッチにしたものと見ると、かなり面白い。 信長に叛旗を翻した荒木村重が、籠城中に起こった不可解な事件の解決に骨を折る、という連作短編。地下牢に捕らえた黒田官兵衛を安楽椅子探偵役に事件を解決していく。 一個一個の事件が最後にはつながり、大きな流れとなる仕掛けは圧巻の構成である。 名前程度にしか知らなかった荒木村重に焦点を当て、黒田官兵衛をダークヒーロー的な探偵として立てることで、今までの歴史の理解とは違った視点を得た。

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2024/08/12
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これは歴史小説の体裁を取っているが、歴史小説ではない。そうかと言ってミステリーでもない。歴史上の人物や史実を使ってストーリーを作っているが、あまりその必然性はないのかもしれない。 荒木村重を中心とする物語で、信長にたてついて場内にこもっている様子が描かれているが、城内で発生する殺しの犯人探しがメインのストーリーとなっているが、その謎解きをするわけでもない。また史実にもあるように信長の使者の黒田官兵衛を捉えて幽閉するが、その殺人の犯人や城内の様子について官兵衛の知恵を拝借しようとするが、それほど多くのやり取りがあったわけではない。実は官兵衛も村重を陥れようとしていることが判明するが、それは最後の方でやっと判明する。官兵衛は最後のほうで開放されたあとやっと物語に跡を残すが、その回収は見事である。 歴史小説やミステリーとしては評価しないが、小説としては秀逸なのだと思う。

Posted byブクログ