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終わりなき夜に少女は の商品レビュー

3.8

14件のお客様レビュー

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2024/09/15

CL 2024.9.11-2024.9.15 アラバマ州の狭い街で起こった少女失踪事件。 過去の連続少女誘拐事件、失踪した少女の双子の妹レインや父親、叔父。警察署長の過去と苦悩。その他多くの登場人物たちを丁寧に描いて、現在を浮かび上がらせる。

Posted byブクログ

2024/09/06

ありきたりの題材なのに何故かページを捲る手を止められなかった。 悪魔崇拝や教会が密接に関わるアラバマの小さな町。優等生の双子姉妹の姉が失踪した事で数年前の少女連続誘拐事件が蒸し返される。父親が犯罪者なので警察は捜査してくれないのだ、と憤慨した妹レインと同級生の男子2人が独自に姉探...

ありきたりの題材なのに何故かページを捲る手を止められなかった。 悪魔崇拝や教会が密接に関わるアラバマの小さな町。優等生の双子姉妹の姉が失踪した事で数年前の少女連続誘拐事件が蒸し返される。父親が犯罪者なので警察は捜査してくれないのだ、と憤慨した妹レインと同級生の男子2人が独自に姉探しを始める。 町の人々が持つ思いやしがらみ、子供達の関係性がどんよりとした天気と同じ様に陰を落とす。全てのキャラが鮮やかだが、最後は哀しかった。

Posted byブクログ

2024/09/02

双子の姉妹の姉・サマーが、突然いなくなる。 妹のレインと違って真面目で大人しく誰からも好かれるような彼女の失踪に、家族は単なる家出だとは思わなかった。 ただレインは何故なのか原因がわからなくて、ひたすらサマーの行方を探すところから物語は始まる。 サマーの行方がわからなくなる以前...

双子の姉妹の姉・サマーが、突然いなくなる。 妹のレインと違って真面目で大人しく誰からも好かれるような彼女の失踪に、家族は単なる家出だとは思わなかった。 ただレインは何故なのか原因がわからなくて、ひたすらサマーの行方を探すところから物語は始まる。 サマーの行方がわからなくなる以前に何人かの少女たちが誘拐されていたこともあり、その彼女たちの家族のことや狭い町の閉塞感などを織り交ぜているのでかなりの長編になっている。 会話形式で軽妙に進んでいくなかで、姉妹の内に秘めた気持ちを知ることができるのだが、結末は虚しく感じた。

Posted byブクログ

2024/08/24
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

解説、酒井さんが「この物語は、登場人物の背景や来歴、思い、物語が始まる前に起きていた出来事や物事の経緯などが、後出しで少しずつ言及されていく形式をとる。(省略)読者である私達の内面に浮かぶ波紋、染み込む情緒、徐々に変化する印象。そういった繊細なことが、とても大切されている小説である。(省略)だから、できるだけ何も知らない状態で接して欲しいのだ」と仰っている。 まさに同感。 最初はやや、いやむしろかなりとっつき難いのだが、徐々に与えられる情報でどんどんと物語世界に浸されていくのが実感できる。 なので、これから読もうと思われている方は以下、読み飛ばし頂きたい。 意外性が損なわれるからネタバレ気を付けてねとかそういうことではなく、物語の積み上げられ方、剥がされ方、ひとつひとつを生のまま堪能すべしという類の物語。 時は1995年、悪魔崇拝の影が残るアラバマ州グレイスでは、少し前に「鳥男」なる通称で知られた犯人が引き起こしたとされる連続少女失踪事件があった。 暫くの間なりを潜めていたと思っているところに、新たな少女失踪の話が持ち上がる。 少女の名はサマー。 父のジョーはかつて8年の刑で服役している前科持ち。 父の荒くれ加減に反して、読書をこよなく好み、教会通いにいそしみ、そこで牧師の妻からチェロの演奏を教わるいわゆる穏やかな優等生。 一方、妹のレインは未成年飲酒の常習、粗い言葉遣い、男遊びに明け暮れると奔放。 だが、姉のサマーとの絆は何よりも強く、姉の発見を誰よりも強く望む。 独自の捜索を進めようとする過程で、警官である父を早くに失った体つきは軟弱だが心意気だけは勇猛果敢なノアとその友人、父親からの家庭内暴力を抱えるパーヴに出会い、半ば手下のように扱う形で姉の発見に奔走する。 衝撃をもたらした『われら闇より天を見る』後初の邦訳作品。 ただ、原著の出版順としては『消えた子供』に次ぐ第2作目。 トーンとしてはまさに、この2作を足して割ったような感じ。 ノアとパーヴの少年コンビがもたらすユーモア交じりの成長譚と、メインの事件を取り巻くグレイスの町に生きる人々の擦り傷だらけの痛々しき人生。 そこに挟まるサマーの独白パート。 この事件の真相はどこにあるのか、「鳥男」は濡れ衣で別の事情があるのではと思わせるような、町の人々の疑わしき言動。 エピソード自体は決して目新しいものではないのだが、その描き方、場面、ワードセンスがとにかく秀逸で、不遇の少年達が自らの人生に立ち向かう心意気や、一見すれた少女レインの姉を思う心持ち、捜査を率いる町の警察署長ブラックが抱える後悔など、ことごとく感情が沸き立つ。 ほんと凄い作家さんだわ。 翻訳もいいんだろうな。 これまでの3作品、いつか絶対再読したいし、本棚に置いて置きたい。 心配なのは新作が出ていないこと。 でも英語でググルと今年『All the Colours of the Dark』という作品が出版されている。 早く邦訳されないかな。 さらなる高みに達していると期待したいな。

Posted byブクログ

2024/08/14

読めなかった。恩田陸氏の題名が似ていたのでワクワクしながら借りたが挫折。延長しても読みたい本が次々に出てくるので、しかも今借りないと次回無くなってる。と誰も購入するわけじゃないのに変な危機感を抱いて借りてくるので当然後回し。まだまだ読みたい本たくさんあるので返却することに。

Posted byブクログ

2024/08/11

『われら闇より天を見る』が良すぎたのかも。 群像劇のようなところは良かった。ただ、同じ人物が呼び名で登場するなどして混乱し、序盤は苦戦した。ラストが近づくにつれて面白くなった。 面白さは『われら天より〜』>『消えた子供』>『終わりなき〜』だと思う。

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2024/08/06

こっちの方がわれら天より、より先なんですね。納得。荒削りでごちゃごちゃした印象。なんか中途半端な感じ。サマーとレインの描き方はよかったけど、ボビー神父にはぁ?という印象。事件の理由もよくわからず。でも、これが閉塞感あるカントリーサイドのリアルなのかも。前作でも思ったけど、ちょっと...

こっちの方がわれら天より、より先なんですね。納得。荒削りでごちゃごちゃした印象。なんか中途半端な感じ。サマーとレインの描き方はよかったけど、ボビー神父にはぁ?という印象。事件の理由もよくわからず。でも、これが閉塞感あるカントリーサイドのリアルなのかも。前作でも思ったけど、ちょっと相性悪いかもなあ。

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2024/08/04
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

『われら闇より天を見る』を読んで泣いたりしたので、こっちもまあまあ期待して読んだが、どうにもこうにも。われらは3作目で、こっちは2作目なので、ちょっと荒いというか、物足りなさを感じた。 ボビー牧師が許されるのマジわからん。 この話は、グレイスという箱庭で、作者という神があれこれしている構造なんだと思う。正しいことをすれば許され、後悔すれば許され、他人を赦せば許される。逃げ出せば死に、変わらなければ不幸が訪れる。 でも、ボビー牧師はダメだろ。レインはずっとサムソンがサマーをさらったかなんかしたと思うことになる。全部が全部すっきりしなくても、メタ的にはボビーにも何か無いと思う。息子マイケルを失って傷ついても不倫して少女に手を出しても良いわけじゃない。てか、サマー、ロリータ読んでたのに。読んで理解したうえで関係を持っていたのが救えない。だから死んだのか。 ブラックとピーチ・パーマーの関係も共感出来なかった。わかるけど、良いとは思えなかった。 ノアとレインも。 ノアとパーヴは良かった。パーヴ死んでなくて良かった。 最後の鐘楼のふたつの人影は誰だったのか。ボビーとサヴァンナ? 鳥男の正体はわかって良かったが、どうやって女の子を見付けてさらってきたのかわからない。クリニックの彼女が鳥男と通じていたというので良いのか?サムソンは? 全体的に合わなかったが、この田舎の閉塞感は良かった。

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2024/07/20

登場人物の生い立ち、過去の出来事、そして今起きている事などが少しずつ明かされていきます。 バラバラのピースをつなぎ合わせるような作業でした。 田舎町の閉塞感、何者にもなれない自分、生まれに抗おうとする空しさ。全編を通して暗い印象です。 書評家 酒井貞道さんの解説が秀逸。先に読んで...

登場人物の生い立ち、過去の出来事、そして今起きている事などが少しずつ明かされていきます。 バラバラのピースをつなぎ合わせるような作業でした。 田舎町の閉塞感、何者にもなれない自分、生まれに抗おうとする空しさ。全編を通して暗い印象です。 書評家 酒井貞道さんの解説が秀逸。先に読んでも良いかもしれません。

Posted byブクログ

2024/07/10

前作もそうだったが、この著者の文章は簡潔で多くを語るわけではないのに心に響く。 読んでいてアメリカの田舎町の情景が目に浮かぶ。登場人物達は決して素敵でも幸せでもないのだが魅力的に描かれている。

Posted byブクログ