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女の子たち風船爆弾をつくる の商品レビュー

4.7

16件のお客様レビュー

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2024/06/23

興味があるテーマなので読んでみたかったのです。 しかし何という文体なのでしょう・・・ 私は○○する。 わたしは××する。 その合間にその時代の歌や、出来事などがまた箇条書きのように入る。 そう!すべてが箇条書きのようなのです。 事実もしくは起こったことを箇条書きにして残しておこう...

興味があるテーマなので読んでみたかったのです。 しかし何という文体なのでしょう・・・ 私は○○する。 わたしは××する。 その合間にその時代の歌や、出来事などがまた箇条書きのように入る。 そう!すべてが箇条書きのようなのです。 事実もしくは起こったことを箇条書きにして残しておこう、みたいな。 感情移入もなにもあったもんじゃない。

Posted byブクログ

2024/06/13

 アジア太平洋戦争下で日本軍が秘密裏に打ち上げた「風船爆弾」の製造に雙葉・跡見・麹町の各女学校生徒が動員されていたこと、風船爆弾の製造工場の一つが東京宝塚劇場だったことをモチーフに、少女の一人としての「わたし」と少女たちという意味でもあり、帝国日本の臣民という意味でもある「わたし...

 アジア太平洋戦争下で日本軍が秘密裏に打ち上げた「風船爆弾」の製造に雙葉・跡見・麹町の各女学校生徒が動員されていたこと、風船爆弾の製造工場の一つが東京宝塚劇場だったことをモチーフに、少女の一人としての「わたし」と少女たちという意味でもあり、帝国日本の臣民という意味でもある「わたしたち」という人称をリフレインのようにくり返しながら、時代を生きた女性ジェンダーの生を呼び返そうとする試み。戦争の時代を扱っているのに、軍人や政治家たちは決して固有名では呼ばれず、戦争の死を死んだ被害者――「風船爆弾」で命を落とした米国人の女性と子どもを含む――の名前のみが書き込まれる。    特定の固有名に依存しない語りを採用したことで、本作の作者は、宝塚歌劇の少女たちが欧米へ、満洲へ、中国大陸へと幾度も派遣されていたこと、つまり彼女たちはつねに憧れの対象だったと同時に、利用される客体でもあったことを詳細に書きつけていく。こうした問題意識があったからこそ、作者は日本敗戦後で小説を終わらせず、かつて「従軍学徒壮行会」が行われた会場が建て替えられて、無観客のオリンピック開会式の舞台となったこと、そこに再び国家のために歌わされる少女たちが召喚されたところまでを射程に収めることができたのだろう。  巻末の注釈と参考文献リストを見るだけでも、圧倒的なリサーチによって作られたテクストであることは明らか。ここからどんな思考を引き出すことができるのか、改めてじっくり考えてみたいと思う。

Posted byブクログ

2024/06/12

 風船爆弾って聞くと、最近は爆弾ではないけれど北朝鮮から韓国に飛ばされているゴミ入りの風船のことがニュースになってますよね!でも、この作品での「風船爆弾」は軍事兵器なんです。第二次世界大戦末期、日本で開発されたもので、和紙をこんにゃく糊で貼り合わせた直径10mの風船の中に爆弾を仕...

 風船爆弾って聞くと、最近は爆弾ではないけれど北朝鮮から韓国に飛ばされているゴミ入りの風船のことがニュースになってますよね!でも、この作品での「風船爆弾」は軍事兵器なんです。第二次世界大戦末期、日本で開発されたもので、和紙をこんにゃく糊で貼り合わせた直径10mの風船の中に爆弾を仕込んで、偏西風を利用してアメリカ本土を爆撃することを目的としたものです。  第2次世界大戦開戦前小学校に入学した少女たちは、開戦後、制服を着ることは許されず国民服を着て、長い髪は束ねないと空襲時に焼けてしまうと三つ編みにし、戦争末期は授業もなく戦時学徒動員として働く日々…。東京宝塚劇場は、中外火工品株式会社日比谷第一化紙工場となり、少女たちは風船爆弾を増産するために集められたのだった…。  いちばん楽しくて、輝けたときを少女たちは国のために捧げ、空襲で親兄弟や友人を亡くし自身の命も危ぶまれる中、支給の覚せい剤を服用し(信じられない…)、睡眠時間さえ削られ何を作っているのかも知らずに、風船爆弾を作り続けた…。戦後、彼女たちは自分たちが風船爆弾を作っていたこと、それで死者が出たことを知り、驚愕する…。  音楽朗読劇にもなってるらしいこの作品…独特な言い回しがまた切ないんです…。  『14歳以上の学生はみんな、わたしたちの兵隊のために、   わたしたちの国を守るために働くことになる』  敗戦後は  『わたしたちの国が、わたしたちの政治家の男たちがさしだした、   わたしたちのうちの女が、少女が姦される』  『わたしたちは、わたしたちがもう戦争をしないと、決めたことを知る。』  『わたしたちは、わたしたちの日本国憲法で、   わたしたちの人権の保障と男女の平等を決めた。』  現在は  『わたしたちが、ひとり、またひとりと死んでゆく。   少女たちが、ひとり、またひとりと死んでゆく。』  風船爆弾のことはこの作品を読む前から知っていましたが、ただ、あったことしか知らなくて…この作品から、当時の少女たちの思いや社会状況など知ることができてよかったです。この史実を後世に引き継ぐこと、大事なことだと思います。

Posted byブクログ

2024/06/01

一月後の、今年の折り返しを前に・・・ 既に今年のベストかもしれないと思わせられる一冊。 ①本書をテーマにした、小林エリカ氏のオンライン対談イベント →「オンライン対談イベント」https://blog.goo.ne.jp/rekitabi/e/2686f34937089c8f2...

一月後の、今年の折り返しを前に・・・ 既に今年のベストかもしれないと思わせられる一冊。 ①本書をテーマにした、小林エリカ氏のオンライン対談イベント →「オンライン対談イベント」https://blog.goo.ne.jp/rekitabi/e/2686f34937089c8f2a192e84585951b7 ②本書の感想文 →「女の子たち」は続くhttps://blog.goo.ne.jp/rekitabi/e/8f1b958c9ebebac93381b531a203f92d

Posted byブクログ

2024/05/31

膨大な量の文献とその引用に驚いた。こんなにも酷いことが出来る大人が大勢いたことが、哀しくて恥ずかしくて情けない。

Posted byブクログ

2024/04/16

【少女たちの知られざる戦争体験】戦争末期、女学生たちが東京宝塚劇場に集められた。今日から風船爆弾を製造するのだ。膨大な資料や取材を基に描く意欲的長篇小説。

Posted byブクログ