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大阪 喫茶店 クロニクル の商品レビュー

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2024/04/13

メディアが取り上げる喫茶店はどうしても東京中心になる。 今回の本は、大阪の喫茶店にフォーカスしている。 大阪にも味わい深い喫茶店が多くある。 最初に数軒の写真が載っている。 その中に1947年に創業したマズラの店内の様子が写っている。 ...

メディアが取り上げる喫茶店はどうしても東京中心になる。 今回の本は、大阪の喫茶店にフォーカスしている。 大阪にも味わい深い喫茶店が多くある。 最初に数軒の写真が載っている。 その中に1947年に創業したマズラの店内の様子が写っている。 近未来的な空間が個性を出している。 店の名前も個性的だ。「マズラ」の由来は、インドネシアのマドゥラ島だった。 創業者で台湾出身の劉盛森さんが19歳のときに訪れた時のことがきっかけ。 大阪最初のカフェは明治末期に川口居留地に開店した「カフェー・キサラギ」と言われている。 開業年については諸説あり、早いものでは1907年、遅いと1912年。 川口は、大阪湾に注ぐ安治(あじ)川と木津(きづ)川の分岐点に位置し、1868年に川口一帯が外国人居留地となった。 建物に関して、銀座で開業した「カフェー・プランタン」と比べて「貧弱極まるもの」と「大阪カフェ源流考」(「上方」第27号、創元社 1933年所収)で、寺川進が記している。 メニューはどのようなものか非常に気になるが、著者は見つけることができなかった。 大阪で現役最古の喫茶店、「平岡珈琲店」がある。 1921年創業と100年を超えて、船場のオフィス街で営業している。 大阪発の珈琲店で各地に支店を広げ、飲み物やスイーツを発売している「丸福珈琲店」。 1934年、当時の盛り場だった新世界、飛田新地の近くにある今池町にコーヒー専門店「丸福珈琲」を開業した。 戦時中にコーヒーを飲みたい常連客向けに密かに営業していたとありビックリ。 先が見えない中で、丸福珈琲店の伊吹貞雄氏が、お金があるうちに、生豆から砂糖、バターなどを買い込んで、2階建ての家が倉庫のようになったそうだ。 備えあれば憂いなしというがそのとおりだな。 大阪の知られざる喫茶店の歴史を知ることができて興味深い。 今度、大阪に行く機会のあるときに、いろいろな喫茶店を訪れてみたくなった。

Posted byブクログ