絞め殺しの樹 の商品レビュー
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『ともぐい』で痺れてファンになりました。 一気に一日で読み終わりました。 激動の昭和を駆け抜けて生きたような日曜日になりました。 同じ北海道の桜木紫乃さんの『ラブレス』みたいな感じかな、と思って読み始めたら… あれ、かわいそうな時代はあっという間で、案外トントンでミサエ、幸せになるんじゃないのー!と思ったら、それこそが暗転の入り口でした…。 えー、なにごと!! とまんねー!! 河崎秋子さんは自分と同年代なんだけど、何回も生まれて死んだかのよう。 よくこんな人間の業、生と死を描けるなあ…。
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釈迦は、菩提樹の根元で悟りを開いた。そして蔦であるその菩提樹のことを別名「シメゴロシノキ」と呼ぶそうです。 この小説はミサエという女性の一代記ですが、ミサエの孝行先の家族がとにかく酷い人たち。同じ集落に暮らす人々も同様。 ミサエがどんなに努力家で立派な人物であっても、この環境で暮らすうちに、どんどん締め殺されていく・・・ 明るいところやカタルシスがほぼないし、長編なので疲れました。 私は、河崎さんのリアリティ表現がとても好きなのですが、それが発揮されたのは娘の自殺を発見したシーン・・・何とも・・・ そして血縁関係がドロドロです。横溝正史かっ! 蔦が巻き付いて、生きながら死んでいく・・・そんな設定が読んでいてとても辛かったです。 雄介は自ら根室に戻ると言うけど、そんな責任とか義務とか言う前に、アメリカのロードムービーを1回見た方がいいっしょや!
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