あきらめる の商品レビュー
「あきらめる」 あきらめる…明らかにすること。 自分はこういうものだと欠点も認めたうえで、そのまま生きていく。 近未来の設定が面白かった。
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あきらむ、は「諦める」の古語で、明らかにする、というプラスの意味だ。 現在のあきらめるという語とは全く意味が異なるように感じる。 しかし、一旦あきらめることで、自分をありのままに受け止めてより良く生きられるということでもあるのだなぁと、今作を読んでいて感じた。 自分の欠点や願いを...
あきらむ、は「諦める」の古語で、明らかにする、というプラスの意味だ。 現在のあきらめるという語とは全く意味が異なるように感じる。 しかし、一旦あきらめることで、自分をありのままに受け止めてより良く生きられるということでもあるのだなぁと、今作を読んでいて感じた。 自分の欠点や願いを諦めて手放すことで、冷静に今の自分に向き合い、問題への解決策や改善策を模索できるようになる。 それは、とても前向きで建設的なことではないだろうか。 世の中には「あきらめるな」というメッセージが溢れているが、人は完璧ではないし弱い生き物なのだから、むしろ「あきらめる」ことをもっと考えなければいけないのではないか、と思った。
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ある一面においての弱者性のみで、自分は差別される側だ、だから寛容な人間だ、と信じ込んでる、しかし実際はなかなかに傲慢で差別的な成熟者(「老人」「シニア」と呼ばれるのになじめない「若い高齢者」が増え、最近人気の呼称)である雄大。 かつて小柄でいじめられっ子だった頃にふるった暴力の後...
ある一面においての弱者性のみで、自分は差別される側だ、だから寛容な人間だ、と信じ込んでる、しかし実際はなかなかに傲慢で差別的な成熟者(「老人」「シニア」と呼ばれるのになじめない「若い高齢者」が増え、最近人気の呼称)である雄大。 かつて小柄でいじめられっ子だった頃にふるった暴力の後悔を、高身長美人という強く見られがちな大人になった今も抱え続ける輝。 どうしても可哀想な自分とか、弱い自分ばかり意識して、誰にともなく弁解しながら生きてしまうけど、もってる力の方にも向き合いたいと思った。 ちっぽけさと、大きさ。 所詮こんな人間、とあきらめることは、蓋をしていた駄目な自分を明らかにすること。 そう思うと、あきらめた上で開かれた未来の方を進んでみたくなった。
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マイノリティに配慮することが重視され、そうした人への公的な支援も充実して、火星への移住も行われるようになっている未来の話。性差による従来の役割なんて関係ないし、みんなの人権が尊重されるフラットな社会。親が複数いるのもアリ。 異次元だけど、現社会との相似点も多い未来の世界を体験して...
マイノリティに配慮することが重視され、そうした人への公的な支援も充実して、火星への移住も行われるようになっている未来の話。性差による従来の役割なんて関係ないし、みんなの人権が尊重されるフラットな社会。親が複数いるのもアリ。 異次元だけど、現社会との相似点も多い未来の世界を体験しているみたいでした。
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子育て、いじめ、親子関係とマイノリティ、それに火星移住というイベントが加わってぐるぐる考えさせられる小説。砂場で知り合った子どもたちの様子が微笑ましかった。 頂上を目指さない登山。それもいいかなぁと思えました。
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SFで近未来のはずなのに、まったくその感じがしない。でも安定のナオコーラさん。自分には面白く読めた。どんな作品でもそうだが、合う人と合わない人はいると思う。
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応募者が火星に移住し、意識を分身ロボットに移して動き回る近未来。あきらめる、の語源は明らかにすること。幼馴染への同性愛に気付き妻に去られたシニア。5歳の難しい子・放置で自立した子、その保護者。難病の動画製作アーティストが火星に移住を決める。 ポリティカル・コレクトネスが行き渡っ...
応募者が火星に移住し、意識を分身ロボットに移して動き回る近未来。あきらめる、の語源は明らかにすること。幼馴染への同性愛に気付き妻に去られたシニア。5歳の難しい子・放置で自立した子、その保護者。難病の動画製作アーティストが火星に移住を決める。 ポリティカル・コレクトネスが行き渡っていても、社会の様々なサポートがあっても、人間が人間であり、それぞれに普通ではないという悩み。
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多様性とか平等とか、言うは易いが難しいことに、気負いすぎず現実的に向き合うにはどうすればよいか。そういうことを本気で考えていることが伝わる。 あきらめて、受け入れる。自分にもそれができるのかはまだわからない。でもいつかあきらめたい。そのときにこの小説を思い出すかもしれないなと思う...
多様性とか平等とか、言うは易いが難しいことに、気負いすぎず現実的に向き合うにはどうすればよいか。そういうことを本気で考えていることが伝わる。 あきらめて、受け入れる。自分にもそれができるのかはまだわからない。でもいつかあきらめたい。そのときにこの小説を思い出すかもしれないなと思う。
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どうにも最後まで馴染めなかった世界観。設定的にはSFだけど、なんともユルい構造で、魅力的とは言い難い複数の登場人物が甘ったるい絡みを見せるシーンが延々続く感覚。現代社会の問題、マイノリティーや高齢者増加、発達障害やネグレクトなどをちりばめつつ、近未来に置き換えて、とりあえずみんな...
どうにも最後まで馴染めなかった世界観。設定的にはSFだけど、なんともユルい構造で、魅力的とは言い難い複数の登場人物が甘ったるい絡みを見せるシーンが延々続く感覚。現代社会の問題、マイノリティーや高齢者増加、発達障害やネグレクトなどをちりばめつつ、近未来に置き換えて、とりあえずみんなで火星に行こうとかそんな設定にする必要あったのかな、という印象しかない。
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山崎ナオコーラさんのお話を読んでいると、マイノリティやマジョリティの目線だったり、自分の気持ちや考えを俯瞰して見るところだったりに共感する。自分は何もできない、ということをちゃんと知っていることの強さというか。 ちなみにこういうSFならすらすら読める
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