家族解散まで千キロメートル の商品レビュー
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あまり面白くなかった。 前半は家族で青森までご神体を届けるドタバタ。 後半は事件の全貌を明らかにするフェイズになってます。 前半のあれこれで散りばめられた伏線を後半で明らかにしていくのですが、ちょっと犯人の思惑通りにいきすぎだし、主人公たちは他人の言ったことを鵜呑みにしすぎで???となる箇所が多かったです。 今回の作品は「家族」というのがテーマになっていて、なにやら急に哲学的な話が始まったり…。いろんな形があっていいよね〜で終わるならまだしも、「いろいろな形があってもいいでしょ!」と強めに殴られたような気がして終わり頃はちょっと萎えてました。 結局のところ、私は誰にも感情移入できなかったので面白くなかったという感想を抱いてしまったのだなあと思います。 前半のパートは映画さながらの盛り上がりで結構楽しめました。この作者の作品は映像の情景が浮かべやすくて、その部分は今回も楽しめたと思います。
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やっぱり私の中では、浅倉秋成さんの小説には期待があって、本作も発売日にしっかり購入して拝読しました。割とテンポの良いストーリー展開と、謎が深まるミステリー展開でスラっと読めましたが、個人的には着地点があまり好みではなかったかなと思います。 本作のストーリーとしては、結婚を間近に...
やっぱり私の中では、浅倉秋成さんの小説には期待があって、本作も発売日にしっかり購入して拝読しました。割とテンポの良いストーリー展開と、謎が深まるミステリー展開でスラっと読めましたが、個人的には着地点があまり好みではなかったかなと思います。 本作のストーリーとしては、結婚を間近に控えた主人公が年末年始の休みに実家に帰省することから始まります。主人公の実家は割と古い慣習が残る家で、結婚するまでは家から出られないといった風習がある。そのため、今回の結婚は主人公が家から離れる機会であった。そんな矢先、引越しの準備をしていると、倉庫から盗品の仏像が見つかる。結婚前に家族の罪が世間に露呈することを恐れた主人公一家は仏像を返しに行くことになるというストーリー。 お話の展開的には割とコメディ感の強い作品で、ドタバタ劇という感じで割と軽めにスタートしますが、終盤に割と転調がしてる感じがあり、そこがちょっと温度差あったのかなと思います。浅倉さんの小説をこれまで数冊読んできましたが、設定が割と変わってる作品が多くて、それがハマればめちゃくちゃ好きな作品になるんだろうなって思いました。
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大好きな作家さんの作品です。 今年に入ってから浅倉秋成先生の作品を読んで読書習慣ができた僕にとっては本作の発売日の3/26の今日ほど待ち望んでいた日はありません。 読書が好きな人はこのように好きな作家さんの新刊を待ち望んでいたんだろうと楽しみな毎日でした。 異端な父を持つ家族が父に翻弄される1日。 たくさんの仕掛け、伏線、どんでん返しがあって読むことを止められませんでした。 物語の肝となる事件の犯人が家族の中にいる。登場人物の誰もがそう思っていたけれど、そんな簡単なストーリーで済まさない。 やはり僕は浅倉先生の作品が大好きだ。 先生の扱う日本語がいちいち心地よい。捨てる物が無い。 そして先を想像しながら読んでいる僕を全て裏切ってくれる。 とても面白い作品でした。 家族を題材にしているお話なので自身の家族も仲が良いわけではない事を考えると、こういう事件があれば皆んな協力し合うんだろうな、なんて考えると盆と暮れくらいは実家に帰ってもいいかなと思いました。 素敵な作品をありがとうございます。
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