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月下のサクラ の商品レビュー

3.9

63件のお客様レビュー

  1. 5つ

    14

  2. 4つ

    27

  3. 3つ

    20

  4. 2つ

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2024/09/17
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

『朽ちないサクラ』の続編。誉田哲也の「姫川玲子シリーズ」ほどではないけど、主人公が女性の刑事モノっぽさが今回は、あった。努力で身につけた驚異的な記憶力、語学力が霞むほどに、熱血で意固地、浅薄な言動、出過ぎた言動がしんどい。ストーリーも途中から、またもこの流れ…?

Posted byブクログ

2024/09/15

以前に読んでいる作品の「続篇」というような内容であることを知り、強い興味を覚えて手にした。出逢えて善かった作品だ。 ヒロインが活躍して事件の謎に挑むという内容である。頁を繰る手が停め悪くなり、半ば一気に読了に至った。 森口泉という女性が主要視点人物だ。物語は彼女の視点で進む。 冒...

以前に読んでいる作品の「続篇」というような内容であることを知り、強い興味を覚えて手にした。出逢えて善かった作品だ。 ヒロインが活躍して事件の謎に挑むという内容である。頁を繰る手が停め悪くなり、半ば一気に読了に至った。 森口泉という女性が主要視点人物だ。物語は彼女の視点で進む。 冒頭部は刑事が事件関係者を尾行しているというような様子から始まるが、これには訳が在った。森口泉は刑事になったのだった。 森口泉が初めて登場した際、彼女は県警本部に勤務する事務職員で、広報広聴課に在った。ストーカーによる女子大生の殺害、その件の後に発生した友人でもあった新聞記者が遺体で発見された事件という状況を受け、森口泉は警察入庁時の研修が一緒で交流が在った新人刑事と共に事件の謎に挑んだという経過が在った。 それから何年かを経ている。森口泉は29歳の時に事務職員を退いて、改めて警察官となった。現在は「巡査」として県警本部に在る。33歳にして刑事に登用された。刑事となったばかりで捜査二課に在ったのだが、「捜査支援分析センター」の「機動分析係」の新しい捜査員を選考するというので応募したのだった。画像情報の分析等も取り入れた手法での捜査で、様々な事件に対応するという係だった。 森口泉の希望は叶い、機動分析係に配属された。そして初めて職場に出て、最初の仕事をこなして段落した時、県警本部が揺らぐ事件に直面した。県警本部の会計課の金庫に保管されていた、1億円に届くような多額の現金が盗まれてしまっていたことが発覚したのだった。早速に捜査本部も設けられ、機動分析係も捜査に携わることとなり、森口泉も参加するのだった。 犯罪事件に対応する、防止するということを専らとする県警の本部で、1億円に届くような多額の現金が盗まれてしまうという衝撃的な事態に、森口泉は新たな係での仕事を始めた最初の日に直面するということになった。機動分析係の面々と共に、森口泉は懸命に活動する。そして行き当たる事の真相という物語だ。 森口泉の物語だが、彼女が関わる機動分析係の面々も面白い。刑事としての来し方の故に、色々な想いを抱えている黒瀬係長や、黒瀬と色々な場所で一緒に仕事をしているらしい年長の部下である市場という人達が味わい深い。そういう人達と関わりながら、森口泉は「捜査員として活動したい」という想いを昇華させ、危険をも顧みずに事件の真相に斬り込んで行く。森口泉が自身の想い、信念を、多少訳アリな先輩達と行動を共にする中で新たに確かめ、そして突き進むというような力強さが感じられる。 物語は、東北地方の架空の県が舞台になっている。東北地方には然程通じていないのだが、何となく仙台の辺りがモデルになっているような気がする。が、そういう地域性は然程重要でもない感だ。「と或る県の…」という様子だ。他方で、「東京」や「愛知県」や「埼玉県」と実在する地名も作中には交じっている。同じ作者の作品を幾分愉しんでいるが、架空の地名を使う場合が多いような気もしている。 森口泉が初登場した「前作」を読んで、「その後の彼女?」と思った。そしてそれが登場したが、「更にその後?」というのも少し気にならないでもない。そういうことも在るが、本作は「そう来る?!」という感じで、なかなかに興味深い事件の展開が在って、「33歳の新任女性刑事」が懸命に事件の謎に斬り込む様が非常に面白い。広く御薦めしたい作品だ。

Posted byブクログ

2024/09/10

 信念を貫く、刑事「泉」の強さを感じた小説でした。  小説を読んだあとは、「スペカン」はこの事件を解決に導いたことで、本当の「スペシャル警察官」に成長したと感じた次第です。  刑事として人として、「ひとりの犠牲のうえに、正義が成り立つことない」の信念を妥協することなく、今後も持ち...

 信念を貫く、刑事「泉」の強さを感じた小説でした。  小説を読んだあとは、「スペカン」はこの事件を解決に導いたことで、本当の「スペシャル警察官」に成長したと感じた次第です。  刑事として人として、「ひとりの犠牲のうえに、正義が成り立つことない」の信念を妥協することなく、今後も持ち続けて欲しいですね。次回作も楽しみです。

Posted byブクログ

2024/08/16

「朽ちないサクラ」の続編。前作で警察広報課職員だった森口泉が刑事になって、捜査支援分析センターの一員として県警本部会計課の金庫から現金が盗まれるという事件の真相に迫っていく物語。厳しい上司や先輩刑事たちとの関わりや繋がりがおもしろい。強い信念を持って捜査にあたる泉の姿に感動した。...

「朽ちないサクラ」の続編。前作で警察広報課職員だった森口泉が刑事になって、捜査支援分析センターの一員として県警本部会計課の金庫から現金が盗まれるという事件の真相に迫っていく物語。厳しい上司や先輩刑事たちとの関わりや繋がりがおもしろい。強い信念を持って捜査にあたる泉の姿に感動した。 心に残った言葉 ・男女の雇用均等等が謳われて久しい時代だが、警察組織はまだまだ男社会だ。女性が刑事を目指しても、全員がなれるとは限らない。そもそも、枠が決まっている。それは男性も同じだ。大卒の男性でも、刑事になるには最短でも三年はかかる。P21 ・世の中は理不尽だ。それは警察組織であってもかわらない。罪が常に正しく裁かれるとは限らない。どの世界も、綺麗ごとでは成り立たない。P25 ・本当の正義とはなにか。考えてもわからなかった。その答えは、捜査の最前線に立てば見つかるかもしれないと思った。だから、警察官になった。P25 ・「俺たちの仕事はな、刑事課の捜査以上に、地道な仕事だ。藁の中で釘を探すように、地に這いつくばって、這いずり回る。それが仕事だ」(黒瀬)P28 ・面接の場でも、通常の場でも、上司の質問は絶対だ。部下は上司の問いに答える義務がある。P30 ・「俺たちは1パーセントでもその可能性がある限り、そこを疑うんだ。その推察を捨てるのは、百パーセントその可能性はない、と判断したときしかない。ひよっこが余計なことを考えるな」(黒瀬)P103 ・相手の感情を揺さぶり、自ら口を開くように仕向ける。情報を引き出す常套手段だ。P108 ・昔から、なにかに夢中になると、まわりが見えなくなる質だった。その集中力のおかげで、捜査支援分析センターのメンバーになれたのだが、日常の社会生活においては、いい結果を生まないことが多かった。P159 ・耳は、顔を構成しているパーツのなかでも、特徴があるものだ。警察の似顔絵捜査員が、そう言っていた。P161 ・捜査支援分析センターは、文字どおり、捜査の支援をする部署だ。捜査そのものは、刑事課がする。泉たちは、参考人や被疑者に自分たちの存在を気づかれてはならない。接触も駄目だ。調べることに徹する。P174 ・「組織ってのは、上が楽をしちゃあいけないんだ。上が楽をすれば、下がそれを真似る。そうなったら、組織は腐っていくだけだ」(黒瀬)P197 ・泉が思う部下を育てるということは、教え諭し、自分の経験を伝えることだ。が、黒瀬は違う。無言で人になにかを伝えようとしている。P198 ・言葉がすべてではないが、人間が持ちうる重要な伝達方法であることに間違いはない。背中を見て育つという言葉があるが、そこには見せる側と見る側の深い信頼関係が必要だ。それなくしては成り立たない。P198 ・「事件は鮮度が命だ。古くなればなるほど、解決は遠のく」(黒瀬)P204 ・「警察は、国から力を与えられている。力を持つ者は、万が一にも過ちを犯してはいけない。力が正しく使われなければ、この国は腐ってしまう。その責務は重い」(市場)P221 ・警察組織は、上意下達だ。部下は上司の命令に従うしかない。P244 ・「相手を従わせるには、弱点を突くのが一番効果的だ。そう教えてくれたのはあなたです」(黒瀬)P253 ・自分を認めてくれた人の指示を、守れなくてどうする。自分が従うべきは、本部長でも、副本部長でも、捜査一課長でもない。黒瀬だ。P306 ・「どんな捜査技術を持っていても、勘がよくても、信念がないやつは優れた捜査員にはなれない。己が信じるものを貫く強さが、事件を解決する。それを、君は持っている」(市場)P323 ・検視は鑑識や捜査員が、現場で遺体の確認を行うことを指し、検死は正確な死因や死亡時刻などを判断するために医師が行うことをいう。P330 ・警視庁公安部は、みっつの管轄に分かれている。新左翼過激派、右翼団体、カルトなどの国内捜査を対象としている公安課。国際テロ、海外の工作活動を捜査対象としている外事課。それらの課が関わっている事件が発生した際に、初動捜査を行う公安機動捜査隊だ。P353 ・「大は猪突猛進、春は毒舌、真は優等生、森口は絶滅危惧種か。うちの係はなんでもありだな」(黒瀬)P372 ・「捜査官が、感情に任せて推論を述べるべきではない。必要なのは、冷静な目と、事実を突き止めるという強い意志だけだ」(市場)P429 ・間抜けでも不恰好でも関係ない。事件の真相を追究するだけだ。P438

Posted byブクログ

2024/08/08

自分は前作「朽ちないサクラ」より面白く感じた。内容的にもありふれて、テンポも遅いんだけど、柚月さんの書く警察小説は、じっくりとじわじわ臨場感がある。だからつい引き込まれてしまう。読みやすいですし。 こちらも映画化されないかな。

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2024/07/30

2024.07.30 読みやすさ、主人公への思い入れを強めるなどの工夫が奏功している。 一方で、ある組織がこんなに簡単に「悪」に染まるのか、然るべき立場の人がこんな理由で罪を意識的に犯すのかなあという2つの点で無理があるように感じました。 辛口で申し訳ないです。

Posted byブクログ

2024/07/28

柚月裕子『月下のサクラ』 2024年 徳間文庫 シリーズ第2弾。前作では一般職員だった主人公の森口泉が刑事、警察官となっての物語です。 前作同様に事件、警察そして公安(通称サクラ)のせめぎあい、駆け引きが魅力です。 前作よりもかなりスケールアップしていて、スリリングでおもしろ...

柚月裕子『月下のサクラ』 2024年 徳間文庫 シリーズ第2弾。前作では一般職員だった主人公の森口泉が刑事、警察官となっての物語です。 前作同様に事件、警察そして公安(通称サクラ)のせめぎあい、駆け引きが魅力です。 前作よりもかなりスケールアップしていて、スリリングでおもしろかったです。事件の凄みというより、公安など闇の世界の凄み、うごめきを丁寧に描写し、構成されているのがさらに恐怖心を掻き立てているように思います。 まさに手に汗にぎるような気持ちで読んでいました。 公安の闇は解決されないというのも今までの警察小説とは少し違ったところだと興味深かったです。だからこそその闇の壮大さの印象が強くなって良かったです。 ただ1作目で登場していた磯川くんが現れなかったのがちょっと残念。二人の関係も楽しみにしていたので。 まだシリーズは続きそうな感じがするので、楽しみにしていたいと思います。 #柚月裕子 #月下のサクラ #徳間文庫 #読了

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2024/07/28

『朽ちないサクラ』の続編で、主人公の泉は広報課の事務員から警察官になり、機動分析係に配属されている。Nシステムや防犯カメラの映像を見て、容疑者や事件解決の手がかりを見つける部署。泉は、警察署内で起きた現金紛失事件を担当することになる。 前作が面白かった分、期待値が高すぎたのか、前...

『朽ちないサクラ』の続編で、主人公の泉は広報課の事務員から警察官になり、機動分析係に配属されている。Nシステムや防犯カメラの映像を見て、容疑者や事件解決の手がかりを見つける部署。泉は、警察署内で起きた現金紛失事件を担当することになる。 前作が面白かった分、期待値が高すぎたのか、前作と比べるとやや退屈し、読み進めるスピードも落ちてしまった。

Posted byブクログ

2024/07/23

シリーズ2作目。ここでも公安が。 会計課の金庫から現金がなくなる。どこかで聞いたな。あ、広島であったね。あれどうなったんだっけ?

Posted byブクログ

2024/07/22

図書館本 今度は警察内の悪に挑む。 所内のお金がなくなるなんてやばいです。 ビデオチェック能力が素晴らしすぎる。耳で人物特定とか。特殊能力だ。

Posted byブクログ