東京都同情塔 の商品レビュー
タイトルにある東京都同情塔とは、新宿御苑に新しく建てられる刑務所・シンパシータワートーキョーを直訳したもので、この刑務所では犯罪者をホモ・ミゼラビリス(同情されるべき人々)とし全員を平等に扱います。そんな東京都同情塔を設計した建築家の牧名沙羅にフォーカスをあてた本です。芥川賞を受...
タイトルにある東京都同情塔とは、新宿御苑に新しく建てられる刑務所・シンパシータワートーキョーを直訳したもので、この刑務所では犯罪者をホモ・ミゼラビリス(同情されるべき人々)とし全員を平等に扱います。そんな東京都同情塔を設計した建築家の牧名沙羅にフォーカスをあてた本です。芥川賞を受賞しているとてもおもしろい本なので、ぜひ読んでみてください。 【若松商業高校】
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Audibleで読了。 難しかった。 ホモ・ミゼラビリスの思想が出てきたときに これは面白い!と思ったけどその後が難しかった。 Youtubeとかでいろんな感想をみて補完。 SFディストピアを純文学にした小説。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
読み終わって、私にとっては理解の難しい何かよく分からない小説だった。勿論、多くの人が凄く絶賛していることは知っている。ただ私には「言葉の羅列」で、言いたいことの最終結論が分かりにくくなっているとしか思えなかった。ある意味、「言葉を弄んで」傾向があるという感じがした。 私にとって、「東京都同情塔」が良くて何故「シンパシータワートウキョー」がダメなのかもよく分からなかったし、「東京同情塔」よりも「東京都同情塔」の方が良い理由も分からなかった。カタカナなんて、無くてはならない立派な綺麗な日本語だ。 これは感性の問題であり、私は古くさい感性を持った古くさい人間かも知れないが、こういう人間が存在していることもまた多様性の1つで、全ての人がこの小説を理解出来なければならない道理は無い。 ただ読んでいる途中で、「ひょっとしたらこの小説はパロディか?風刺小説か?」とも思ったが、最後の方に描かれている「あらかじめ約束された塔の崩壊する未来」と「2本の足で垂直に立っている『私』が力の強い男によって犯されるために押し倒される未来」、そしてそれとは別に「ずうっと建たしておくため、倒れないようコンクリートで固めらた『私』」を想像する場面、それらが描かれている最後の4~5ページを読んだ時、私の勝手な思い込みだが、何か「多様性の矛盾、多様性の限界」みたいなものを感じた。 「倒れないようコンクリートで固めらた私が歩きたくなったら」?「新たに建てるべき建築物のアイデアが出てきたら」?どうするのだろう? 天と地が逆さになるのを見るまで、考え続けなければならないようだ。
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九段理江さんの本は初めて。 なかなか難解すぎて、結局どうなんだ?と読み終わって思ったら。 ただ、文章が流暢でわからないまま流されるように読んだ。 カタカナに関しての考え方は面白かった。
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*星5つ相当です 普段古典ばかり読んでいるが、同時代人の作品って本当に重要。けどドンピシャ好きな感じで、書いてくれた人とてもありがとう 少し不思議のSFと近未来SFと、何より村上龍エッセンス感じちゃって あとザハ頓挫したのまだちょっと恨んでるしシンパシー。
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オーディブルで聴きました。 最初、意味がわからないときは、ただクセ強めの女性がベラベラと文句を並べているお話かと思って、やめようかとさえ思いました。 しかし… --------- ザハ・ハディドデザインの競技場で2020年にオリンピックが行われた設定の2026年。シンパシータワー...
オーディブルで聴きました。 最初、意味がわからないときは、ただクセ強めの女性がベラベラと文句を並べているお話かと思って、やめようかとさえ思いました。 しかし… --------- ザハ・ハディドデザインの競技場で2020年にオリンピックが行われた設定の2026年。シンパシータワーという高層階の刑務所が建てられることになり、そのタワーの建築デザインのコンペに参加しようとする女性建築家と、BTSのメンバーのように外見の美しい男性が出会った --------- ということが、わかってしまうと、いきなり物語に没入。一気に引き込まれた。なんてクールでオシャレな物語なのだろう。「東京都同情塔」というネーミングセンスには、作中での牧名と同じくらい感心しました。 ディストピア小説ぽいが、数年後のことだし、AIがグーグルくらい普通に生活に浸透している設定が妙にリアル。
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よくわからないけど圧倒された。芥川賞は苦手意識があったけど食わず嫌いなとこもあるかも。とはいえ、話が急に変わって「???」となってばかりだった。
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第170回芥川賞受賞作品だ。 作者が普段窮屈に感じていること、世の中の閉塞感をうまく例えたお話にしているが、直截的で何か物足りない。中村文則さんの『教団X』を読んだときに感じたものと同様だ。 東京オリンピックに向けた国立競技場のコンペで優勝したが、結局建設には至らなかっ...
第170回芥川賞受賞作品だ。 作者が普段窮屈に感じていること、世の中の閉塞感をうまく例えたお話にしているが、直截的で何か物足りない。中村文則さんの『教団X』を読んだときに感じたものと同様だ。 東京オリンピックに向けた国立競技場のコンペで優勝したが、結局建設には至らなかったザハ・ハディド設計のアンビルド案件が、アンビルドではなく建築された仮定世界の物語だ。ザハ建築の対象をなす建物として新たに設計されたのが、従来の刑務所の役割を担う『シンパシータワートーキョー』。 その設計者である女性が主人公で、彼女の独特な感性が言葉として並べられていくが、説明口調になってしまい、直截的に感じる。もう少し、何か物語で包めなかったのだろうか。
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現代的小説。読むなら今、読むべき。5年後に読んでも意味がない感じ。 言いたいことはすごくわかる。特になんでも名称を英語とも言えないカタカナにして、意味をぼやかしてしまうとことか。けど、東京タワーが昭和塔では。。。
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あなたは、犯罪者に同情できますか?生成AI時代の予言の書-。 初めての九段理江san。 バベルの塔の再現「シンパシータワートーキョー」、建築家・牧名沙羅、ホモ・ミゼラビリス(同情されるべき人々)、サポーター(旧・刑務官)の拓人など。 お気に入りは、主語のサイズ感、カタカナを...
あなたは、犯罪者に同情できますか?生成AI時代の予言の書-。 初めての九段理江san。 バベルの塔の再現「シンパシータワートーキョー」、建築家・牧名沙羅、ホモ・ミゼラビリス(同情されるべき人々)、サポーター(旧・刑務官)の拓人など。 お気に入りは、主語のサイズ感、カタカナをデザインした人とは酒が飲めない、陸上生物であるところのヒトを「思考する建築」、「自立走行式の塔」と認識している、「幸福」の状態、東京同情塔に”都”を入れたセンス等々たくさんありました。 「東京都同情塔を見上げる牧名沙羅像」が崩れませんように(祈) 【第170回芥川龍之介賞】
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