葬式同窓会 の商品レビュー
高校3年時の担任が亡くなり、通夜の席で7年振りに再会した元同級生たち。その後居酒屋に移動した彼らは、担任への複雑な思いやそれぞれの現在を披露する。その中で、6月21日に起きた2つの大きな出来事が話題に上り……。 “白麗高校三部作”の完結篇らしい。前2作は『おまえなんかに会いたくな...
高校3年時の担任が亡くなり、通夜の席で7年振りに再会した元同級生たち。その後居酒屋に移動した彼らは、担任への複雑な思いやそれぞれの現在を披露する。その中で、6月21日に起きた2つの大きな出来事が話題に上り……。 “白麗高校三部作”の完結篇らしい。前2作は『おまえなんかに会いたくない』、『水底のスピカ』だ。どちらも読んだが、本作との大きな繋がりはなさそうだ(←どちらもうろ覚えだが(^_^;))。 いじめやスクールカーストがテーマという点は共通している。本作は、大人になった彼らが、いかにして過去を乗り越えるかが焦点だったように思う。
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担任だった教師の葬儀。かつての教え子たちが集まり、当時のことを思い出す。なぜ、彼はあのとき切れたのか。 オリンピックで活躍し、戦争を終わらせることにも貢献したとヒーロー視されるペアの話が絡んでくる。 切れた先生は一人の人間に転落のきっかけを作った。一度してしまったことはいくら謝っても、後悔しても許されなかった。それはトゲが刺さったように痛み続けただろう。 そのエピソードを下敷きにした作品で小説家デビューを目論む女と注目されたい配信者。彼らは下衆な根性をさらけ出す。叩かれるまで何が悪いかわからないから炎上するわけだが、叩かれてもわかってないかも、あるいはわかりたくないだけか。 転落した彼は家族からも弾かれるが、それまで彼が強いられてきた努力は、今ならモンペによる教育虐待だな。 ……となんだか暗いトーンだけど、イヤミスではない。 そうだね、頑張れ。とエールを送りたくなる終わり方だった。
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学生時代の苦いあれやこれやの出来事や感情を思い出しつつ読書。 水野先生があんな授業をしてしまった理由は、本当にみんなの推測通りだったのかな。モヤモヤが少し残った。 華は好かん。 一年生の時に仲間はずれや嘲笑していた相手に対し、三年になったら色々あったけど水に長そう的なことを言っ...
学生時代の苦いあれやこれやの出来事や感情を思い出しつつ読書。 水野先生があんな授業をしてしまった理由は、本当にみんなの推測通りだったのかな。モヤモヤが少し残った。 華は好かん。 一年生の時に仲間はずれや嘲笑していた相手に対し、三年になったら色々あったけど水に長そう的なことを言ってくるなんて、人としてどうかと思う。 自分の嫌な経験を思い出した。 私は中学時代にボス的な女子Aから無視されたことがあった。 無視の理由は、本当にくだらない。 ボス女子Aが敵対する別のボス女子Bの方が私と同じ小学校だったこともあり、仲がよかった。 AとBはどちらが男子に人気があるかという争いを、周りを巻き込んで行っていた。 AはBと話す私を見て、Bではなく私を無視することにしたのだ。 Aと私は同じテニス部だったので、ボスの取り巻き達はもちろん私を集団で無視した。 取り巻きCは、私のペアだったのに、全く口を利いてくれなくなった。 無視事件はしばらくして私がAに謝らせられ、終わった。 謝ることなんて何もないので、屈辱だった。 しばらくしてAは取り巻きCを無視し始めた。 理由は、イラつくから、らしかった。 困ったCは、どうすればAに許してもらえるか私に聞いてきた。 何事もなかったかのように私に接してくるだけでなく、平然と助けを求めるCに非常に怒りを感じた。 こういうことが何度かあり、中学時代は苦行でしかなかった。 別の友達経由で部活仲間の近況を聞くことがあるが、二度と関わりたくない。 なので、優菜の最後の頑張りに拍手。 華は職を失い、婚約者も失い、どんどん落ちればいいとすら思った。
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図書館の新刊コーナーにあったので衝動借り。 読んで良かった。面白かったです。 登場人物の心理描写が丁寧。 ハクトウワシのボンキングの話とか全く知らなかったので興味深かったです。 切なくて苦しくなる所もありますが、終わり方が爽やかで清々しいので読後感はいいです。 ただちょっと引っか...
図書館の新刊コーナーにあったので衝動借り。 読んで良かった。面白かったです。 登場人物の心理描写が丁寧。 ハクトウワシのボンキングの話とか全く知らなかったので興味深かったです。 切なくて苦しくなる所もありますが、終わり方が爽やかで清々しいので読後感はいいです。 ただちょっと引っかかるのはクラスメイトの皆が船守くんに対して無関心すぎるのが個人的にとても怖かったです。どう考えてもこっちの事件の方が記憶に残ると思うのですが。この辺りはちょっとモヤモヤしました。
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結構好きな感じの終わり方だったんですけど、タイトルこれじゃないほうが、もっと手に取ってもらえそうな気がするのは、私だけ? とは言っても作者の方も、編集の方もOKで出版されてる訳ですから、単なる読者の感想ですけど笑 白麗高校3部作らしいので、他のも読んでみたいです(*^^*)
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この本を選んだ理由 題名にある葬式と同窓会に惹かれました。私の年齢だと同窓生がなくなることも珍しくなく、葬式で同級生に会うことも多いのです。 感想 物語を引っ張る現在学校図書館司書として勤務する柏崎優菜、白麗高校1年時、優菜を仲間はずれし、今は小説家としてデビューしようとしている北別府華、優菜の優しさを理解し、今も親友であり、現在大学院生として研究に励む碓氷彩海、高3時彩海に告白するも断られ、現在銀行員の傍ら動画配信に励む望月凛、望月が告白しようとしたまさにその時、1年から告白され、あっさり断る、現在市役所職員の一木暁来良、そして本が好きで柏崎優菜を慕う故・水野の一人娘で現在白麗高校1年生の水野思。この6人を軸に過去と現在を交錯しながら、話は進んでいきます。 水野教諭がたった1日離婚という家庭問題で苦悩し、精神をやられた日に、船守という学生を集中して叱ってしまうという失態を犯し、それを機に彼は不登校になってしまいます。 葬儀後、再会した彼らがその話を思い出し、各自を高校時代へと引き戻していくのです。登場する6人の高校時代に、ほろ苦い思い出があり、今も棘のように突き刺さっているのが、まだ20代という若さを感じさせ、高いところから鑑賞させてもらっている感じでした。 こういう小説というには、どういう分野になるのでしょうか。著者の作品の幅を感じました。次回作も楽しみです。
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学生時代のイジメなどの嫌な思い出、当事者は何年経ってもふとした拍子に思い出してしまうのには共感した。 恩師の同窓会で思いがけず再会したいじめた側の華の態度に、苛立つのは大人げないと取り繕っているけど、いやいや大人になってもイラつくでしょ。 大人になっても感じが悪いままで、こっちま...
学生時代のイジメなどの嫌な思い出、当事者は何年経ってもふとした拍子に思い出してしまうのには共感した。 恩師の同窓会で思いがけず再会したいじめた側の華の態度に、苛立つのは大人げないと取り繕っているけど、いやいや大人になってもイラつくでしょ。 大人になっても感じが悪いままで、こっちまで腹立たしい気持ちになった。 そして、水野先生はなんで苛立ちを一人の生徒にあそこまでぶつけちゃったのか謎。
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乾ルカさんは、思春期の子供たちの心理描写の描き方が本当に上手い。 読んでいると、“青春って素晴らしい!”と簡単には言えない、あの時代特有のドロドロとした世界に嫌でも引き摺り込まれてしまう。 特に北別府華のような、保身のために自分より下だと思う人間を瞬時に見極め孤立させていく… いるよね、こういう女子!! 幸い、わたしの学校生活の中ではこういう女子はいなかったけれど、でも女子あるあるなんだよな、と。 『とっても仲良しの3年6組』 でも蓋を開けてみれば…… あの日の水野先生は本当にただのやつ当たりだったのか。 娘の前ではずっとこのクラスを褒めていたらしいが、きっと船守に対しての後ろめたさがあるから、必要以上に褒めていたんじゃないかと感じる。 最後、優菜は勇気を出せて良かった。 “人のことを悪く言ってはいけません”なんて言葉があるけれど、合わない人、嫌な人の事は嫌ってもいいと思う。 でも華みたいなのは論外。 一木と船守のやりとりもよかった。 この2人はきっとこれから友情を育むんだろうな。 でも、あの2回目の同窓会で集まったメンバーはきっともう二度と会う事はないだろうな。 学生時代って、なんでちょっとヒリヒリするんだろう。 楽しかったけど、戻りたくはないような、 みんなと仲良しだったけど、またあの中に放り込まれたら少し緊張するような、不思議な世界だった。 船守の気持ちの変化で締めくくられた内容が、冒頭と繋がっていたのには感動した。 そうか、勇気を出したんだね。 たしかに色んなことの“葬式”だったな。
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卒業後7年ぶりに再会した、北海道立白麗高校3年6組の元クラスメートたち。 それは同窓会ではなく、クラス担任だった水野先生の葬儀だった。 思いがけず再会した皆は、高校時代の思い出話に花を咲かせる。 そして水野が授業中におこした〝事件〟が切っ掛けで不登校になったクラスメートがいたことを思い出す――。 (アマゾンより引用)
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※ 卒業後もずっと、胸に刺さったままで、 棘として残りつづけている思い。 影帽子のように自分の背について回り、 息苦しさから解放してくれない記憶。 囚われた過去を卒業という形で乗り越え その延長線上で生きるのではなく、 かつての自分と真正面から向き合った末に 自己を弔って改めて...
※ 卒業後もずっと、胸に刺さったままで、 棘として残りつづけている思い。 影帽子のように自分の背について回り、 息苦しさから解放してくれない記憶。 囚われた過去を卒業という形で乗り越え その延長線上で生きるのではなく、 かつての自分と真正面から向き合った末に 自己を弔って改めて一から生き直す物語。
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