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君が手にするはずだった黄金について の商品レビュー

3.8

425件のお客様レビュー

  1. 5つ

    78

  2. 4つ

    179

  3. 3つ

    116

  4. 2つ

    23

  5. 1つ

    3

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2023/12/10
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

限りなく5点に近い4点 小川哲氏は前作君のクイズでガツン、とやられたのでこれもワクワクして読んだ。 昔純文学の主流だった私小説?の形態なのかな。 あんましそれを読んでないから詳しくないけど。 作者自身をモデルにしたと思われる若手作家を主人公にその周りで蠢く人間模様。 ただ令和の時代が舞台なだけあってSNS関連の話もあり大変面白かった。

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2023/12/09

表紙の絵や題名のインパクトが強く手にしました。 実際に読んでみると作者の言葉選びが卓越で引き込まれました。内容も実際に起こりうる題材で勉強になり、そして主人公の友達の人を見抜く力に感心し読み進めると結末は想像を遥かに上回りました。 この本を読んで人間の弱さを知り うわべだけでなく...

表紙の絵や題名のインパクトが強く手にしました。 実際に読んでみると作者の言葉選びが卓越で引き込まれました。内容も実際に起こりうる題材で勉強になり、そして主人公の友達の人を見抜く力に感心し読み進めると結末は想像を遥かに上回りました。 この本を読んで人間の弱さを知り うわべだけでなく深く人の心理を読み取ることの大切さを知りました。

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2023/12/09

自分が思ったことを素直に文章にするならば、頭の中でこねくり回した屁理屈を現実世界に引っ張り出してきた短編集ということになる ただそれは面白い屁理屈だった そして小川哲さんが小説家とは何か、ひいては自分とは何かという問に対してひねり出した屁理屈のように思う 小川哲さんの著作は...

自分が思ったことを素直に文章にするならば、頭の中でこねくり回した屁理屈を現実世界に引っ張り出してきた短編集ということになる ただそれは面白い屁理屈だった そして小川哲さんが小説家とは何か、ひいては自分とは何かという問に対してひねり出した屁理屈のように思う 小川哲さんの著作は全部読んでいるのでたぶん好きな作家さんなのだと思う 好きな作家さんの頭の中を覗いたような気持ちになる読書であった

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2023/12/07

一気に読んだ。 自分の感じ方と似ていて、共感するところもあり、面白かった。ほかの作品も読んでみたいと思った。

Posted byブクログ

2023/12/07

主人公、小川。小説を書いていて東大卒。主人公が同じ六編の短編集。特に奇抜な能力の人は出てきません。 小川が就職のためのエントリーシート書く代わりに小説を書き始める2010年「プロローグ」 震災から三年後の3月11日に3月10日に何をしていたか思い出す過程を描いた「三月十日」 妻が...

主人公、小川。小説を書いていて東大卒。主人公が同じ六編の短編集。特に奇抜な能力の人は出てきません。 小川が就職のためのエントリーシート書く代わりに小説を書き始める2010年「プロローグ」 震災から三年後の3月11日に3月10日に何をしていたか思い出す過程を描いた「三月十日」 妻が占い師に入れ込んで仕事を止め小説家になろうとしている西垣から相談され、占い師のところへ赴き考察を重ねる「小説家の鏡」 高校一年のリレー選手で俺の一つしたのタイムで選手になれなかったのにしつこく絡まれ選手をかわった片桐はトレーダーとして成功しているらしい。片桐と少しだけ交流したことや片桐がなにを求めていたのか考える「君が手にするはずだった黄金について」 ババという漫画家はいろんな人の高校時代の思い出をマンガにしてかなりの人気を得ている。ババから高校の仲間含め思い出話の取材受けたりしたエピソードから、ババの腕時計がブランドのパチもんという同伴者の声を聞き、そこからババについての考察が始まる「偽物」 山本周五郎賞の最終候補になった2018年4月、僕は小説家なのだろうか、そもそも小説家とはどこから名乗ってよいものなのか?自分とは何か考える「受賞エッセイ」 私はかなり好みで、面白く読んだが、これは面白くないと感じる人多そう。小説なのに論文みたいな印象受けた。ちなみに私は「偽物」が一番空恐ろしかったです。主人公小川は読書好きで読んだ本など本文中にたくさん出てくるけど、いちいち難しそうだった。本当にその人の読んでいる本って知性や嗜好性が現れますね。 難しいので高校生以上向け。彼女とのお付き合いも出てくるが小学生にNGなエログロはなし。

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2023/12/05

「君のクイズ」が好きだったので次作も読んでみようと思い、何の前情報も無く手に取ったが、まさかのエッセイだった。と言っても事実とフィクションが入り混じっており、短編小説のようにも読めた。哲学的な描写が多く退屈な場面もある。著者自身は物事を深く考える人なのだろうなと思った。 占い師の...

「君のクイズ」が好きだったので次作も読んでみようと思い、何の前情報も無く手に取ったが、まさかのエッセイだった。と言っても事実とフィクションが入り混じっており、短編小説のようにも読めた。哲学的な描写が多く退屈な場面もある。著者自身は物事を深く考える人なのだろうなと思った。 占い師の話が一番興味深く読めた。占いというのはカウンセリングの一種のようなものなのだろうな。「偽物」の胡散臭い漫画家の話はやしろあずきを思い浮かべながら読んだ。

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2023/12/05

小川さんの本は初めて読みましたが、文章が読みやすくあっという間に読了しました。 自伝なのかフィクションなのか分からなくなる、不思議な体験ができる連短篇でした。 特に「三月十日」と「偽物」が印象的でした。

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2023/12/04

連作短編6篇 主人公=作者という形でエッセイか日記の様な味わい。思っている事考えている事がそのまま伝わってくる。周りの変わった友人知人をネタに繰り広げられる人生をのぞき見るような快感。 思わずデイトナをネット検索。値段にビックリ!

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2023/12/04

才ある著者の頭の中が覗ける作品。その才を著者本人は短所であり、人として欠落していると綴る。文調がとても頭に心地よい。

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2023/12/02

小川哲さんの最新作。僕(小川)を取り巻く連作短編集。  プロローグ。角川のエントリーシートにある、あなたの人生を円グラフで表現してください、という問いに対して、どうやっても正しく自分が表現できないこと。そして、読書が好きな小川の、孤独な読書という行為、一対一で作者と向き合う時間、...

小川哲さんの最新作。僕(小川)を取り巻く連作短編集。  プロローグ。角川のエントリーシートにある、あなたの人生を円グラフで表現してください、という問いに対して、どうやっても正しく自分が表現できないこと。そして、読書が好きな小川の、孤独な読書という行為、一対一で作者と向き合う時間、一体なんで本を読むのだろうかという根源的な問いかけに至る。伊藤計劃のハーモニーを読んだ、という記述あたり、やっぱり哲学からこういう本まで、きっと本の虫なんだろうなと思わせてくれる。  3月10日。この震災の前の日、一体何をしていましたか?という問いかけだ。その1日は、なぜかその1日がまるで無かったかのように記憶から消えて無くなっている、という話。人生の記憶から無くなっているという事実。その空白の1日を探りにいく。自分自身の記憶を改竄し、消したその1日は、とても渋く、苦い、彼女との記憶だった。そういう1日を誰もが持っている。だからこそ、1日1日を大切に、丁寧に生きていくんだろう。  きみが手にするはずだった黄金について、では同級生の片桐が投資アドバイザーとして羽振りよくやっているが、実は詐欺的なことをやっていると炎上、そして相談される。結局、何がしたいんだろうか、才能があるんだともてはやされたかっただけなのか、ものすごく、腹の底が重たく感じる短編だ。小川という登場人物はまさに作者自身。自分を主人公にして、周りの人が少しずつつながっている。  そして、偽物、では、ロレックスの偽物を持っている漫画家、いろいろな高校時代の爆笑ネタを集めて漫画にしている。一方で、非常に腰が低くて感じも良かったが、実は自分の言葉をそのまま使われていることに気がつく。モヤモヤとした、ドロドロとした気持ちが、溢れてくる。筆者はもう関わるまいとして距離を取るが、結局偽物なんだと吐き捨てるまでを描く。  人間の、こうした黒い側面を、みてはそれが文章になっていく。その自分自身こそが偽物なのかもしれない、才能という架空の何かを掴もうとしているのかもしれない。虚実ではなく、実を見て、本物でありたいという切実な思いを感じる作品。

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