書評家人生 の商品レビュー
丸谷才一の後を継ぐ書評家は鹿島茂と考えているので鹿島茂の書評は楽しみにしている。去年出た16年分の書評を集めた本書も気になっていたがやっと読了した。相変わらず取り上げる本の守備範囲が広いのには驚かされる。本書では漫画や文芸書も多く取り上げられ充実している。全共闘世代の著者だけに「...
丸谷才一の後を継ぐ書評家は鹿島茂と考えているので鹿島茂の書評は楽しみにしている。去年出た16年分の書評を集めた本書も気になっていたがやっと読了した。相変わらず取り上げる本の守備範囲が広いのには驚かされる。本書では漫画や文芸書も多く取り上げられ充実している。全共闘世代の著者だけに「大きな物語」が気になるようでジャレド・ダイアモンド、エマニュエル・ドット等が目に付く。家族人類学は目下の関心事のようで、エマニュエル・ドットは8冊程が書評や選書で触れられているのは驚いた。著者の要約する能力が高いのは言うまでもないが、巻末の「力と交換様式」精読で浅学の者にも何となく理解したと思わせたのは凄い。
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