未来を語る人 の商品レビュー
知者が未来を語る本。新型コロナに関しては、後知恵でコメントを見てしまうので役に立たないが、パンデミックは新型コロナだけではなく、今後も起こり得るだろうなと思い起こしたり。それと、基本的には、各識者の著書をベースとした主張概論のためダイアモンドやセドラチェクなどは既に慣れた内容。ケ...
知者が未来を語る本。新型コロナに関しては、後知恵でコメントを見てしまうので役に立たないが、パンデミックは新型コロナだけではなく、今後も起こり得るだろうなと思い起こしたり。それと、基本的には、各識者の著書をベースとした主張概論のためダイアモンドやセドラチェクなどは既に慣れた内容。ケイト・レイワースのドーナツ経済学は初見ながら、既存の概念を上手く例えただけ、という気がする。 ー 私が感じるフラストレーションの一つは、我々は自分の直感に決断を導かせることがあまりにも多いということです。ここで明言しますが、直感的なレベルで言うと私は原子力発電を怖いと思います。確かに一九七九年にスリーマイル島原子力発電所事故が起き、一九八六年にチェルノブイリ原子力発電所事故が起き、そしてあなたの国で二〇一一年に福島原発事故が起きました。これは現実に起こった事故で、原子力発電に対して直感的に拒否反応を引き起こしています。しかし、冷静になって毎年どれくらいの人が化石燃料燃焼による汚染で早逝しているか、調べてみました。まったく比較にならないくらい化石燃料の汚染で死んでいる人のほうが多いことがわかりました。ハーバード大学教授のスティーブン・ピンカーもいま重要なのは、現在の化石燃料の発電方法で亡くなる人が原発事故で亡くなる人の数よりも圧倒的に多いという事実です。 ー 「プロレタリアート」が「人間を資本のためのはたらきに供せしめること」であるのに対し、「バイオタリアート」は「人間以外の生命を資本のはたらきに供せしめること」です。これらの言葉は、マルクスが一九世紀初期のイギリスのプロレタリアートについて述べていることに立ち戻った考え方です。マルクスは彼らの状況を「隠された賃金奴隷状態」と呼びました。さらにマルクスは、この賃金奴隷状態は、アメリカ南部、キューバ、西インド諸島では実際の奴隷に依存していると言いました。マルクスは、賃金が支払われる仕事や支払われない仕事など異なる形の仕事を比較してその関係を引き合いに出しています。つまり一つの仕事だけを独立して考えることはできないということです。あなたの質問で強調された「対価の支払われない」というのは、とても重要なことです。工場やオフィスで行われているいわゆる経済搾取のどの行為よりもより大きな収奪行為が、女性や自然や植民地に対しての対価の支払われない仕事です。 ー プロレタリアート(proletariat)」(賃金労働者)に密接に関係しているのが「フェミタリアート(femetariat)」の「対価の支払われないはたらき」です。これはfeminine(女性の)からできた言葉です。家族の世話、料理、掃除、子育てなど、そういうことをしているすべての女性は、対価の支払われないフェミタリアートです。もちろん賃金をもらって働いている女性もいることは強調しておきますが。いずれにせよ、この二つの異なるコンセプトはお互いに繋がっています。 後者はジェイソンムーアの論説。対価の支払われない労働をネガティブな受け止めで書くが、ケア労働が商品化されぬ世界の方が健全だと思ってしまう。商品化されたものを再び資本主義の外に取り出す事で、疎外された領域を取り戻すべきでは。
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<目次> はじめに 第1章ジャレド・ダイアモンドいま人類が直面する危機 第2章ブランコ・ミラノビッチ2つの資本主義が世界を覆う 第3章ケイト・レオワース世界中の人をドーナツの中に入れる 第4章トーマス・セドラチェック倫理と経済、どちらが先か 第5章レバッカ・ヘン...
<目次> はじめに 第1章ジャレド・ダイアモンドいま人類が直面する危機 第2章ブランコ・ミラノビッチ2つの資本主義が世界を覆う 第3章ケイト・レオワース世界中の人をドーナツの中に入れる 第4章トーマス・セドラチェック倫理と経済、どちらが先か 第5章レバッカ・ヘンダーソン資本主義を再構築する 第6章ミノーシュ・シャフィク社会契約をつくり出す 第7章アンドリュー・マカフィー資本主義は脱炭素化する 第8章ジェイソン・ムーア生命の網のなかの資本主義 あとがき 機関紙”kotoba”(集英社)の2021冬~2022秋まで8回 のインタビュー記事の完全版。大野氏のインタビュー。 ①p17正しい選挙が行われないならば、民主主義の 終わり。アメリカは民主主義はなくなり独裁国家になる 可能性がある。 ①p33もっとも警戒すべきは、新興感染症である。 ②p442つの資本主義とは、政治的(国家)資本主義 と、リベラル資本主義である ⑤p119パンンデミックによって各国とも格差が具体化した
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全体的には資本主義批判の内容。「新型コロナは抜き打ちテストで、気候変動は最終試験である」というフレーズが印象的。
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未来の資本主義についての識者の見解を集めた書籍。資本主義の問題点、特に格差にについてはいろいろと指摘をされているが、これだけの人たちを集めてもその解決に決定打がないということは、現況を受け入れるしかないのか。
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資本主義に対して各識者が色々な主張をしているが、中には反対するような論説もありそれぞれが論理だっているので難しい問題なのだと再認識。脱物質化で環境問題にも対応できると言っているアンドリューマカフィー氏の章だけハテナがたくさんあった。人類が利用している資源量は近年になって減ってきて...
資本主義に対して各識者が色々な主張をしているが、中には反対するような論説もありそれぞれが論理だっているので難しい問題なのだと再認識。脱物質化で環境問題にも対応できると言っているアンドリューマカフィー氏の章だけハテナがたくさんあった。人類が利用している資源量は近年になって減ってきているという主張だが、そもそもが採りすぎですでに環境破壊が相当進んでいるのに、どれほど利用資源量が減ってるからOKと言えるのだろうか?さすがに今までと同じ経済活動で良いとは言えないと思ったが、本を読んでみたい。 原発問題は「化石燃料に比べればマシ」という一方、「長期的なリスクあるからダメ」というところで、やはり政治的な決断でしかない。
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