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動物たちは何をしゃべっているのか? の商品レビュー

4.1

54件のお客様レビュー

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  2. 4つ

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2023/12/20

ゴリラの山際さん、シジュウカラの鈴木さん。とても面白い内容!ヒトとして文脈を読む能力を養っていきたい。

Posted byブクログ

2023/12/13

シジュウカラの研究のために1年の半分以上森で生活する鈴木氏と、ゴリラの研究第一人者の山極氏の対談がまとめられている。 はじめは、霊長類や鳥類のコミュニケーションについて語っていて、「なるほど」と軽く読み飛ばしていたけれど、後半は、人間のコミュニケーションにも言及。「人の共同体の上...

シジュウカラの研究のために1年の半分以上森で生活する鈴木氏と、ゴリラの研究第一人者の山極氏の対談がまとめられている。 はじめは、霊長類や鳥類のコミュニケーションについて語っていて、「なるほど」と軽く読み飛ばしていたけれど、後半は、人間のコミュニケーションにも言及。「人の共同体の上限は150人。それより大きな集団は錯覚」「言葉の暴走」など、山極氏が語る今の危機的状況と未来への示唆は、一読に値すると思います。 動物に興味ないわ、という人も是非。 動物の世界がとても豊かであることと、人間の世界が脆弱さを持っていることを考えさせられる。

Posted byブクログ

2023/12/04

小説エッセイ以外の本を買うことはめったにないけれど、装丁から帯から著書あいさつから全部が気になって購入。 だって、手話を教えたら、親が密猟者に殺されて自分は捕えられ、連れてこられたことを話し出したゴリラのことや、いくつもの鳴き声を使い分けて会話するシジュウカラのことを知っていま...

小説エッセイ以外の本を買うことはめったにないけれど、装丁から帯から著書あいさつから全部が気になって購入。 だって、手話を教えたら、親が密猟者に殺されて自分は捕えられ、連れてこられたことを話し出したゴリラのことや、いくつもの鳴き声を使い分けて会話するシジュウカラのことを知っていましたか? 動物への見方が一変する一冊。 動物たちは決して劣っていないし、人間が上位の存在というわけでは決してない。 この本を読んで、【共生】という言葉の意味を考える。動物たちと寄り添って生きようという文句に、どこか人間優位さは滲んでいないだろうか。 動物たちは昔から同じ暮らしを続けているわけではなく、私たちと同じように日々進化し、柔軟に対応し、目の前のことに対応しながら頭を使って賢く生きている。 人間が言葉によって得たものと、失ってきた多くのもの、そしてAIによって失われようとしているもの。 お二人の対談でたどり着いた、人が人らしくいるために何が必要なのか。わたしは誰かとの共感が無くなるような世界で生きたくはない。 説得力ありすぎなお二人の対話に開いた口が塞がらなかった…! そしてお二人の研究が、この本の内容が、きっと数年先にはもっと進化されているのだと思うとすごくワクワクする。

Posted byブクログ

2023/11/29

ゴリラ研究で有名な山極さんと、シジュウカラの行動研究の鈴木俊貴さんとの対談本。 ゴリラも鳥も好きな私は、何故惹かれるのかと思っていたが、人間よりシンプルなコミュニケーションに憧れを抱いているんだと思った。

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2023/11/27

シジュウカラの研究者とゴリラの研究者の対談ということで期待低めだったのですがシジュウカラやゴリラだけでなく動物の能力を引き合いに出しながら人間のコミュニケーションについて問題提起されていて面白く読んだ。 現代社会は言葉への依存が進み、さらに仮想空間やAIが存在感を増すと私たちは、...

シジュウカラの研究者とゴリラの研究者の対談ということで期待低めだったのですがシジュウカラやゴリラだけでなく動物の能力を引き合いに出しながら人間のコミュニケーションについて問題提起されていて面白く読んだ。 現代社会は言葉への依存が進み、さらに仮想空間やAIが存在感を増すと私たちは、言語化できないもの、仮想空間では表現できないこと(共感、感情、文脈)を認識できなくなるんじゃないか、なんて危惧はあるかも〜っと思ってしまった。

Posted byブクログ

2023/11/26

ゴリラの集団と一緒に暮らし、ゴリラの社会や言葉と仕草でのコミュニケーションの取り方に詳しい山際寿一さんと、 小鳥・特にシジュウカラが群衆する山の中に寝泊まりして、シジュウカラの多彩な鳴き声の意味を解明してきた鈴木俊貴さん。 知能が高い霊長類と鳥類に詳しいお二人が、"言...

ゴリラの集団と一緒に暮らし、ゴリラの社会や言葉と仕草でのコミュニケーションの取り方に詳しい山際寿一さんと、 小鳥・特にシジュウカラが群衆する山の中に寝泊まりして、シジュウカラの多彩な鳴き声の意味を解明してきた鈴木俊貴さん。 知能が高い霊長類と鳥類に詳しいお二人が、"言葉"という聴覚によるコミュニケーションについて対談したもの。 鳴いたり、叫んだり、囁いたり、歌ったり、声を発するには意味がある。 どのような時に声を発するかは、その生物が生きている環境によって大きく異なる。 どんな声を発することができるかという生物自身の体の構造も、どんな言葉の種類が使えるかに関係している。 犬とか猫はあまりおしゃべりをしないが、スズメなど小鳥はしょっちゅう鳴いているように思う。 集団で生活してるか否かの違いが大きいのだろう。 上手く生きていくのに仲間に何かを伝えるのは意味がある。 動物たちが鳴くのは、心があるからだと思う。 本書には「動物たちの心」という章があり、共感したり、嘘をついたりする話は面白かった。 本書の後半は、ヒトと言葉の話題になり、音楽や踊りや俳句にまで話題が広がる。 美徳と道徳、形式知と暗黙知、分ける言葉とつなぐ言葉、などの考察もためになった。 最近は文章を生成するAIまで出てきて、もはや理解が追い付かないほど"言葉"で溢れかえっている。 映画なんかも2倍速で観る人が増えていると聞くし、SNSなどでも文章を素早く読むことが要求されているのだろう。 その積み重ねで、全体が見通せず細部しか見れなくなって、文脈を読む力や行間を読む力が低下している。 人類がせっかく発明した言葉と文字なのに、全体の理解力が下がって正しく伝わらなくなってきている? 「じっくりと時間をかけて小説を読む」ことの重要性が増している時代になっているのかも知れない。 ヒトはこれから言葉とどのようにつき合っていくべきか、というテーマになってました。

Posted byブクログ

2023/11/21

 いつも利用している図書館の新着本リストで目についたのでの手に取ってみました。  霊長類学者の山極寿一さんと若手動物言語学者の鈴木俊貴さんとの対談ですが、タイトルをひと目見て惹き付けられました。  動物のコミュニケーションの最新研究成果から「ヒト」という生物のあれこれまで興味深い...

 いつも利用している図書館の新着本リストで目についたのでの手に取ってみました。  霊長類学者の山極寿一さんと若手動物言語学者の鈴木俊貴さんとの対談ですが、タイトルをひと目見て惹き付けられました。  動物のコミュニケーションの最新研究成果から「ヒト」という生物のあれこれまで興味深い話題が尽きない本で、久々に“面白かった”ですね。  人間社会の将来をあれこれ考えるに、示唆に富むとても刺激的な対話集でした。

Posted byブクログ

2023/11/20

シジュウカラ研究家の鈴木俊貴さんと、ゴリラ研究の第一人者山極寿一さんの対談本。 お二人とも、野外で長い時間動物たちと身近に接しながらその生態を研究するタイプの研究者だ。時間はかかるが、観察することによりわかってくることは多い。 シジュウカラは、特有の言葉で仲間に危険を知らせている...

シジュウカラ研究家の鈴木俊貴さんと、ゴリラ研究の第一人者山極寿一さんの対談本。 お二人とも、野外で長い時間動物たちと身近に接しながらその生態を研究するタイプの研究者だ。時間はかかるが、観察することによりわかってくることは多い。 シジュウカラは、特有の言葉で仲間に危険を知らせている。そしてその囀りに一定の文法があることを発見している。山極さんは、ゴリラの間近で生活することで仲間と認められることで、その生態を観察してきた。 人間には動物にできないことが多いが、動物にも人間にできないことがあるようだ。動物それぞれにできることはあり、それを尊重した発言には一家言ある。そして動物の言葉は、野生で生きていくためのものであるため、動物園のような安全で食事に困らない環境では、言葉はあまり発せないというのも納得できる。 動物の非言語的なコミュニケーションに興味がある人に読んでほしい一冊。

Posted byブクログ

2023/11/19

対談形式でページ数の割にはよく言えば読み易いが、内容的には著書の多い山極氏であるため重複する部分も多いように感じた。 二者の化学反応というものもそれほど感じられないが、探求分野と我々の日常への結びつきは興味深いものであるので、動物の生態学から人間の存在を掘り下げる妙味は各者のより...

対談形式でページ数の割にはよく言えば読み易いが、内容的には著書の多い山極氏であるため重複する部分も多いように感じた。 二者の化学反応というものもそれほど感じられないが、探求分野と我々の日常への結びつきは興味深いものであるので、動物の生態学から人間の存在を掘り下げる妙味は各者のより専門チックな書に尋ねてみるかと思う。

Posted byブクログ

2023/11/13
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

動物の認知している世界とヒトの世界には重なりもあるが、互いに認知の及ばない領域があり、どちらが優れているか、という類いのものではない、という前提に立って、リスペクトを持って知ろうとする姿勢が肝要なのだ。 ヒトの言語の優れた面(「今」「ここ」以外を語る、ストーリーを組み立てる、文字というツールで複雑かつ抽象的な情報を時空を超えて伝える)を、テクノロジー(AIやSNS)の利便性を賢く利用して、言語化で切り捨てられる非言語認知、暗黙知、身体的共感性を意識的に補完することに未来を見た。 顔の見えない相手と文字でつながる世代の子どもたちこそ、文字の間になるものを読み取り伝え合う力を持てるとよい。

Posted byブクログ