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かたばみ の商品レビュー

4.7

67件のお客様レビュー

  1. 5つ

    49

  2. 4つ

    12

  3. 3つ

    3

  4. 2つ

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2023/12/24

めっちゃ良い!厚いから読んでも読んでも終わらなかったけど、最後らへんは泣いたわー。権蔵さん、矢部太郎風を想像したけど背は高かったみたいだね。個人的に茂生が良いね。読んで良かった。

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2023/12/17

それぞれが個性的で人にやさしく、どこかユーモラスに支え合っている家族と周囲の人たち。とても温かく前向きな気持ちになれた。

Posted byブクログ

2023/12/15

これは良かった。 ミステリーが好きなので、こういう日常生活の延長みたいな話はつまらないだろうと決めつけなくて良かった。 ブクログで見つけなければ、絶対に読まんであろう作品。 朝ドラは見ませんが、こんな感じなのかなぁと。 あらすじは読まずに何も知らずに読んだ方が面白いかな。 とに...

これは良かった。 ミステリーが好きなので、こういう日常生活の延長みたいな話はつまらないだろうと決めつけなくて良かった。 ブクログで見つけなければ、絶対に読まんであろう作品。 朝ドラは見ませんが、こんな感じなのかなぁと。 あらすじは読まずに何も知らずに読んだ方が面白いかな。 とにかく出てくる人達がいい。 悌子と権蔵が最高にいい。 何回か面白くて吹き出しちゃいました。 そしてホロリとします。

Posted byブクログ

2023/12/03
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

一本の映画を観ている感覚だった。読んでいて映像が何度も浮かんできた。 木内さんの作品は主役はもちろん、脇役も味のあって魅力的な人物が多くて、読んでいて飽きがこないから好き。ボリュームのある作品だったけれど夢中になれた。 戦前・戦中・戦後。目まぐるしく変化する時代に翻弄される家族の物語。 肩を壊したことがきっかけで国民学校の代用教員となった、元槍投げ選手の悌子。一本筋の通った子供思いの先生で、こんな素晴らしい先生に出会えた子供たちは幸せだ。こんな理不尽な時代でなければ学校生活ももっと楽しめただろうに。 「楽しいもなにも、生まれてきたんだから生きるんだよ。それが生命ってもんだよ」 「ごちゃごちゃ考えてねぇで、どんどん生きりゃいいんだよ。七面倒くせぇ」 とにかく生きることに必死。けれどユーモアも忘れない。久々に笑って泣けた物語だった。

Posted byブクログ

2023/12/02

戦中戦後の辛く切ない話かと思っていたら、 かたばみの花言葉通りの、母心、親父心、姑心、いろんな人たちの思いやり溢れた小説でした。 野球好きにとってもたまらない話でした。

Posted byブクログ

2023/11/03

かたばみという言葉も、木内昇さんの作品もはじめましてでした。  かたばみとは、よくその辺に茂っている、クローバーに似た葉をしていて、黄色い小さな花をつける多年草の名前だそう。よく目にするのに知りませんでした。  今年一番の一冊になりそうです。 戦中、そして、占領下の戦後に、教...

かたばみという言葉も、木内昇さんの作品もはじめましてでした。  かたばみとは、よくその辺に茂っている、クローバーに似た葉をしていて、黄色い小さな花をつける多年草の名前だそう。よく目にするのに知りませんでした。  今年一番の一冊になりそうです。 戦中、そして、占領下の戦後に、教師の悌子をはじめとして、懸命に自分なりの正しさを貫いて生き抜こうとする人々が描かれています。血のつながらない親子の絆の物語でもあります。  この本の一番の魅力は、登場人物が、自分が好きなこと、こだわりたい事にはひたすら一生懸命に向かい合う、その生き様にあると感じました。特に悌子のその執拗なまでの一生懸命さは、仕事に対しても家族のことにしても、常に軸がぶれません。 ○教師も親も、子供の手本になろうとする。でも、それは間違いだと思うのです。人は、どこまでいっても未熟で不完全です。ですから、ただ一生懸命生きている正直な姿を、子供たちに見せるほかないように思うのです。 ○ (悌子の夫の言葉)「多少の挫折があっても乗り越えられるよ。」  (悌子)挫折なんてしないわよ、きっと大丈夫よ、と言ってしまうところだった。以前、安易に励まして傷つけたことがあるのに。権蔵は決してそういう言い方をしない。生きていれば、誰にでも望まないことは起こるけど、乗り越えていけるはずだよ、という言い方を常にする。  本当に子供にとって良い教育とは…と考え実行する教員の姿も心に残りました。 ○もちろん、過剰な折檻はいけません。ただ中津川先生(悌子)が申しましたように、痛みを知らないと、加減ができない子になる。それがどんな恐ろしいことを引き起こすか、殺伐とした世の中を作るか。その点も、私たち教員は考えていかなければなりません。  体格は、槍投げをしていて大柄な悌子とかなり違いますが、途中から私の脳内では、悌子が女優の江口のりこさんの顔と声になっていました(笑)  そして、556ページもあるこの長作品で、一番好きだったのは、終盤の533ページ、権蔵の脳裏に、小さかった頃の清太が浮かんだ場面でした。  苦しんだり喜んだりしながらの、人間の長きに渡る歩みの愛おしさ、確かさを強く感じさせてくれる感動作でした。 〜〜〜〜〜 好きだった他の文章 ○他人の事はどうでもいい。それ以上に、自分のことがどうでもよかった。これまでを顧みる。無関心は、多分権蔵にとって、相容れない世の中から完璧に防禦してくれる。最強の盾だったのだ。 ○私は、人生は競技だと思うんです。いかに有望な選手でも、良い監督につかなければ花開きません。監督の指摘を受けて、自らの足りない部分に気づき、修正していくことが必要なんです。そうやって、客観的な視点を得て、力をつけていくんです。つまり、私が教師としてやっていくには権蔵さんのような、真っ正直な人がそばにいたほうがいいと思うんです。 ○年寄りって厄介でしょ。いたわってもらってありがたいとは思うの。でも一方でね、いたわられちゃった、ってちょっとしょんぼりするの。なんだか思春期みたいよね。歳をとったら、その分、知恵も経験もつくから、揺らぐことがなくなると思ってたけど、年寄りには年寄りの揺らぎがあるのよ。だって、自分が初めて体験する年齢なんですもの、当然よね。だけど、周りに対しては、年長者だから自制もしないとならないでしょ。結構しんどいのよ。若い人は感情爆発させても格好がつくんだけどね。 ○生徒が、他の誰かに怪我をさせたり、ひどい言葉で傷つけたりしたら、私を叱ります。ぶたれたら痛いんです。石を投げれば怪我をします。そのことを感覚的に知らない子が増えるのも、また危ういと思うんです。共同生活の中で加減というものを学ぶことも、私は必要だと考えています。 ○教員への苦情はいつでも承ります。教育現場を良くするためにも、常に風通しの良い環境を作るつもりです。ただ、私どもに任せていただく部分も頂戴したいのです。大事なのは、子供に健やかな環境を与えること。それから、二度と子どもたちを戦争の犠牲にしないことです。

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2023/11/02

500ページ以上の超長編読了。 面白かった。 登場人物が誰も彼も魅力的。悌子、権蔵、清太の一家を軸に周りの登場人物誰もがそれぞれの言葉を持っていて、時々の言葉に、なるほど、と納得させられる。 戦中から戦後にかけての混乱期が背景にあって、時代に翻弄されながらも逞しく生き抜きて行く悌...

500ページ以上の超長編読了。 面白かった。 登場人物が誰も彼も魅力的。悌子、権蔵、清太の一家を軸に周りの登場人物誰もがそれぞれの言葉を持っていて、時々の言葉に、なるほど、と納得させられる。 戦中から戦後にかけての混乱期が背景にあって、時代に翻弄されながらも逞しく生き抜きて行く悌子一家。 灰色に塗りつぶされた日々でも前向きで、時々直感で行動してしまう悌子にはクスっと笑わされる場面もある。 そんな悌子とは真逆の権蔵、悌子のその場しのぎの嘘から出発した夫婦だけど清太を迎えたことにより、いい夫婦になっていく。 家族とは?、子どもを育てるとは?、夫婦とは?そして戦争とは?いっぱいテーマが詰まっていたけど、一つの家族の中に上手く盛り込まれていて面白かった。 久々の長編だったけどまだまだ先が読みたいと思いながら最後のページを閉じた。

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2023/10/17

手に取った時、550ページ超えのボリュームに怯みそうになった。その心配も束の間、読み出したら物語の世界に入り込んでいた。そして、いつまでもそこにいたくて読み終わるのが惜しいほどの気持ちに。 戦時中の辛い出来事、戦後の手のひら返しのような国の方針に戸惑う人々、そしてその割を食う弱...

手に取った時、550ページ超えのボリュームに怯みそうになった。その心配も束の間、読み出したら物語の世界に入り込んでいた。そして、いつまでもそこにいたくて読み終わるのが惜しいほどの気持ちに。 戦時中の辛い出来事、戦後の手のひら返しのような国の方針に戸惑う人々、そしてその割を食う弱き者たち。戦争の理不尽さ、罪深さを感じる。 時代の波に翻弄されながらも、人として大事なものを保ち続け、真っ当に生きている家族の姿を描く物語は、人情と、家族愛と、真っ直ぐな思いが溢れたどこまでも温かい物語。 元槍投げの選手でそのガタイのよさから“おとこおんな”と揶揄された悌子の真っすぐさ、最初はちゃらんぽらんに見えた権蔵の慧眼、悌子の下宿先である惣菜屋家族の強くて明るい面々。決して平穏ではないけれど、登場人物が皆生き生きと前向きで輝いているのが嬉しい。 家族とは、生きていくこととは、愛情とは、当たり前のことを深く考えさせられる物語。終盤は何度も温かい涙を流し、読み終わった後は久しぶりに本を抱きしめたくなる衝動に駆られたほど。 間違いなく今年読んだ中で一番の作品。 出会えて良かった。時代ものじゃない木内さんも最高です。

Posted byブクログ

2023/10/15
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

ああぁあぁあ。もうなんだろうこの五月の風のようなすがすがしさは。 湿度のカケラもないこの気持ちよさは。 いや、あるのだよ、あるのだ、実際には。だって物語は戦争中のあらゆる困難と理不尽さから始まっているのだから。 家族ってのは面倒臭いものだよね、そりゃそうだ。最も近い間柄で、最も密に過ごす関係なのだから。 そしてそもそもが二人の赤の他人から始まるものなのだから。 ゼロから始まる「家族」というもの。いろんな始まり方があって、いろんな関係があって、いろんな時間があって。 その中で大切なものってなんだろう、血のつながりってのがどれほどか、ってこと。 登場人物のだれもかれもが愛おしい。その中でも人一倍ダメダメな、あるいみダメの見本みたいな権蔵の素晴らしさよ。 柳の様に風に吹かれるままに、折れることなくたわんでそよいで生きているようなその男の、実は漢気に惚れる。 みんな幸せになってほしい。 どこまでも青い五月の空のような、読後に広がるさわやかな空気。ずっとそばに置いておきたくなる、そんな一冊。

Posted byブクログ

2023/10/08

人間の心の裡を具に描き出す語感は傑出。舞台は戦中、戦後の西東京。殺伐とした時代の中、逞しく生きる悌子たち。権蔵、六助、茂生…皆の達観した言葉は深くて温かい。暫し感動の余韻に浸っていたい親子の物語 。

Posted byブクログ