1,800円以上の注文で送料無料

かたばみ の商品レビュー

4.7

67件のお客様レビュー

  1. 5つ

    49

  2. 4つ

    12

  3. 3つ

    3

  4. 2つ

    0

  5. 1つ

    1

レビューを投稿

2024/04/01
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

槍投げにうちこむ真面目でひたむきな女学生が、戦争に巻き込まれて代用教員になり、子どもたちの指導に生き甲斐を見出しつつ、様々な困難に直面し生き抜いていく。 主人公の悌子をはじめ、下宿先の家族のキャラが皆愛おしい。女性の自立が難しかった時代に、疑似家族に支えられ成長していく姿は羨ましくもある。 最初は頼りなかった権蔵も、清一を育てる中で父親らしく成長していくのも見どころ。 期待はあらゆる苦悩のもと、 この格言が所々に生きてます。 続編出てほしい。

Posted byブクログ

2024/03/23

いい小説を読んだなと感動でいっぱい。どの登場人物も、いいキャラをしている。ひねくれたケイ婆さんも。六助も。加恵も。茂生も。 なぜこの小説が、本屋大賞の候補にならなかったのか不思議。著者の本では『櫛挽道守』が大好きだったが、それに負けず劣らず好きな小説となった。著者がスポーツをして...

いい小説を読んだなと感動でいっぱい。どの登場人物も、いいキャラをしている。ひねくれたケイ婆さんも。六助も。加恵も。茂生も。 なぜこの小説が、本屋大賞の候補にならなかったのか不思議。著者の本では『櫛挽道守』が大好きだったが、それに負けず劣らず好きな小説となった。著者がスポーツをしていた人なので、スポーツについての記述も説得力がある。 そして、ところどころ、クスッと笑える。

Posted byブクログ

2024/03/12

戦中、戦後を生き抜く2つの家族を中心にしたお話。 他の方の感想にもあったが朝ドラを読んでいるような感じ。 すごく面白いといった感じではなく、じんわり来る感じでした。

Posted byブクログ

2024/03/11

 長い良質の朝ドラを、最後まで夢中で観たような感動をもらいました。老若男女問わず、どの世代にも読んでほしい、そんなとてもいい話でした。戦中戦後の苦難の時代を生きた家族の物語です。  主人公は山岡悌子25歳、昭和18年の戦争が色濃くなっていく頃の描写から始まります。悌子の波乱万丈...

 長い良質の朝ドラを、最後まで夢中で観たような感動をもらいました。老若男女問わず、どの世代にも読んでほしい、そんなとてもいい話でした。戦中戦後の苦難の時代を生きた家族の物語です。  主人公は山岡悌子25歳、昭和18年の戦争が色濃くなっていく頃の描写から始まります。悌子の波乱万丈の人生の詳細は伏せますが、戦争に翻弄され、抱いた夢や希望を何度も打ち砕かれます。それでも、先の見えない暮しの中で、真っ直ぐに懸命に毎日を生きる悌子たちの姿に胸を打たれます。  戦争が背景にあり、非日常や不条理さが描かれて辛くはあるのですが、不思議と重い感覚がありません。悌子の前向きな性格、周囲の人の温かさを上手く描く著者の筆力の為せる技だろうと思います。  「かたばみ」は、クローバーに似て非なる道端などに自生する植物で、ハート形の3葉が寄り添い、黄色い花をつける繁茂力の強い野草だそう。物語を読み進めるほど、妻・夫・子の絆、複数の家族が寄り添う絆が眩しく映り、この象徴としての本書タイトルが胸に沁みます。  ウクライナやガザ地区の戦争には終息の兆しも見えず、元日の能登半島地震や13年前の3.11の傷も癒えません。そして79年前 (終戦の年)の3.10は、10万人が犠牲になった東京大空襲の日でした。  戦争を知らずに今を生きる、多くの人たちに読んでほしい物語でした。小さなことを皆で共有する幸せ、温かさをシンプルに伝えてくれる傑作長編でした。

Posted byブクログ

2024/03/25

戦中から戦後にかけての家族の話でした。 読みやすく良い内容だとおもいます、朝の連続テレビドラマのような印象。 星1つです。

Posted byブクログ

2024/03/08

戦時中、戦後の日本で、強い意志を持ち暮らしている人たち。 いろんな子供への接し方があるものだ。 連続テレビ小説を観ているような感じ。

Posted byブクログ

2024/02/29

本の雑誌・年末ランキングからのチョイス。著者初体験かと思ったけど、”光炎の人”の人でした。同作は、主人公のキャラが受け入れられず、サイコーとまでは思えなかったんだけど、本作は主人公(の家族)が素敵で、もう言うことなし。やっぱ好きだな~、家族小説。って言いつつ、実は似たような結構の...

本の雑誌・年末ランキングからのチョイス。著者初体験かと思ったけど、”光炎の人”の人でした。同作は、主人公のキャラが受け入れられず、サイコーとまでは思えなかったんだけど、本作は主人公(の家族)が素敵で、もう言うことなし。やっぱ好きだな~、家族小説。って言いつつ、実は似たような結構の作品が多いし、ある程度以上の感慨が味わえるものを繰り返し読んで、その度留飲を下げているだけ、って思う冷静な自分もいるんだけど、それでいいんです。北上さんの好物ジャンルだし、これからも本の雑誌では高評価を集めるんだろうけど、きっと自分も読み続けるんだろうな。

Posted byブクログ

2024/02/25

すごく厚かったけど読んでるあいだずっと物語にしっかり向き合って読めました。読み応えありました。悌子の心持ちの素直さがとても好ましかったです。清太はいい子だし、権蔵さんの泣き言も人を癒すし、富枝さんの気遣いもこうありたいなと思わされました。周りの人達も一癖あるけどみんな暖かい。六助...

すごく厚かったけど読んでるあいだずっと物語にしっかり向き合って読めました。読み応えありました。悌子の心持ちの素直さがとても好ましかったです。清太はいい子だし、権蔵さんの泣き言も人を癒すし、富枝さんの気遣いもこうありたいなと思わされました。周りの人達も一癖あるけどみんな暖かい。六助さんの「儚げな女は蔓植物みたいに旦那に巻きついて締め上げる」は言い得て妙でした。雪子にはほらわたが煮えくり返ったが。太平洋戦争の時代の話で悲しい出来事がたくさんあるんだけど、人生にちゃんと向き合っていて読後感も良かったです。いつもはイラッとする子供の言動が今日は愛おしさを感じました。

Posted byブクログ

2024/02/25

昭和18年、山岡悌子は日本女子体育専門学校で 指導研修生として槍投げを教える。 自身は肩の故障で現役を続けるのは無理だった。 いずれ許嫁と結婚し家庭を持つ。 それまでは国民学校の代用教員として過ごす。 悌子が思い描くこの先のこと。 それを戦争が奪った。それぞれの人生を変えてしまっ...

昭和18年、山岡悌子は日本女子体育専門学校で 指導研修生として槍投げを教える。 自身は肩の故障で現役を続けるのは無理だった。 いずれ許嫁と結婚し家庭を持つ。 それまでは国民学校の代用教員として過ごす。 悌子が思い描くこの先のこと。 それを戦争が奪った。それぞれの人生を変えてしまった。 下宿先の家族はちょっと癖のある人ばかり。 苦しくても歯を食いしばり、雑草のように強く生きる。 ここに登場するすべての人が人生を嘆くことなく 「一所懸命」「正直に」生きている。 読み終えたあと、ぽっかりと穴が空いたように寂しくて。 こういう読書体験ができるのは稀なこと。 『かたばみ』は長く心に残る作品になった。

Posted byブクログ

2024/02/23

昭和18年から始まる“家族”の物語だ。 元槍投げ選手で国民学校の代用教員となった悌子と、彼女の下宿先である惣菜店を営む朝子一家との関わりから始まり、それが次第に広がっていく。太平洋戦争と終戦、そして戦後復興と時代を進みながら家族の成長が描かれる。 だが、中心となる悌子の周りに血の...

昭和18年から始まる“家族”の物語だ。 元槍投げ選手で国民学校の代用教員となった悌子と、彼女の下宿先である惣菜店を営む朝子一家との関わりから始まり、それが次第に広がっていく。太平洋戦争と終戦、そして戦後復興と時代を進みながら家族の成長が描かれる。 だが、中心となる悌子の周りに血の繋がった人は誰もいない。本当の家族となるのに、それは重要なことではないのだ。 戦中戦後という不幸な時代を舞台にした小説なのに、なぜこんなにも読後感がよいのだろう?

Posted byブクログ