1,800円以上の注文で送料無料

サクラサク、サクラチル の商品レビュー

4

114件のお客様レビュー

  1. 5つ

    25

  2. 4つ

    54

  3. 3つ

    28

  4. 2つ

    1

  5. 1つ

    0

レビューを投稿

2023/09/17

染野は高3。小学校受験、中学受験に失敗し、東大合格させようとする親の期待と過剰な干渉を受ける。あまり学校に来てない星さんに話しかけられる。彼女も染野とは違う形で親から虐待されていた。 染野の親がホラー並みに怖い。しかしすごくリアル。ラストでは意外な方向に進む。こういうラスト嫌い...

染野は高3。小学校受験、中学受験に失敗し、東大合格させようとする親の期待と過剰な干渉を受ける。あまり学校に来てない星さんに話しかけられる。彼女も染野とは違う形で親から虐待されていた。 染野の親がホラー並みに怖い。しかしすごくリアル。ラストでは意外な方向に進む。こういうラスト嫌いじゃない。

Posted byブクログ

2023/09/16
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

 ひとりは東京大学合格のために過剰な勉強を幼少のころから強いられてきた高校男子。  もうひとりは貧困家庭で親からはネグレクトされつつも親のヤングケアラーである高校女子。  高3生の二人は出会うべくして出会った。  それは世にいう「毒親」見本市のような話であり、親たちの姿には唾棄したくなるほどの虫唾が走る。  けれど二人が出会い、お互いを客観視することにより、初めて自分達は虐待を受け続けてきたことを知ることから話は急展開する。  それぞれの親への『復讐計画』を立案し、実行する高3生夏休み直前からの2年間にわたるの青春アドベンチャーミステリー。  「幸せとは、自分の進みたい道に進めること。明日が来るのを楽しみに思えること」だったんだね。 「私たちは、親を憎んでいるんじゃなくて、”愛してる”。そして愛されようとするのを止められないんだ。だって、生きるためには親に好かれないといけなかったから。母乳を飲んで、ご飯を食べさせてもらわなきゃいけなかったから。その本能は、いつまで経っても消えない。成長して親の助けがいらなくなっても、この人に愛されるなんて絶望的だと頭の片隅では分かっていても」 「親は子をどうでもいいと思っていても、子は親を”愛する”のを止められない・・・・・・」 「それが今日、初めて分かったよ。バカだね、私」(208~209頁) ――― やっと分かったんだ。人生ってさ、楽しむためにあるんだね。知ってた? ・・・ ――― なんで今まで分からなかったんだろう。私たちがこの世界に生まれてきたのは、頑張るためでもなく、我慢するためでもなく、苦しむためでもなかったんだって。別にそんな思いをしなくても、人生は成り立つんだって。(245頁)  多くの高校生が経験済みであろう心のきらめきを、最後に少しだけ味わえたことにほっとする。  息も絶え絶えになりながら陸上競技場内のゴールに辿りつくと、白線の向こうに立っていた男性教師から、数字の書かれた水色のカードを渡された。地面に転がりたい気持ちを抑え、歩いてクールダウンしながら手元に目を落とす。僕の順位は、参加した男子生徒五百五十名ほどのうち、過去最高の三百九十一位だった。  これまでの十七年間で取ったどんな順位よりも、誇らしかった。(247頁) 「被害者の敵は、加害者と第三者だけだと、思ってたのにね」  その言葉を聞いて、かつての星さんの台詞が蘇る。 ――― 私たちって、別に望んだわけでもないのに、親のせいで絶対に『多数派』になれない。ずっと浮いたままんま。加害者に痛みつけられた被害者は、いつの間にか、第三者にまで疎まれるようになるんだよ。  だとすれば、虐待が引き裂いたのだ。  あんなに信頼し合っていた――一年前までは間違いなく運命共同体だった、被害者同士をも。(300頁) (内容説明)  “絶対に東大合格しなさい”―それは愛、だったのだろうか。両親の熱烈な期待に応えるため、高校三年生の染野高志は勉強漬けの日々を送っていた。  ある日高志はクラスメートの星という少女から、自身をとりまく異常な教育環境を「虐待」だと指摘される。 そんな星もまた、自身が親からネグレクトを受けていることを打ち明ける。  深く共鳴した二人はやがて、自分たちを追い詰めた親への“復讐計画”を始動させることに。  教室で浮いていた彼女と、埋もれていた僕の運命が、大学受験を前に交差する。  驚愕の結末と切なさが待ち受ける極上の青春ミステリー。

Posted byブクログ

2023/09/14

途中に胸糞なシーンがあるものの、爽やかな終わり方 テンポも良く、サクサクと読める やりすぎとはいえ、両親の気持ちもわかるし、主人公の気持ちもわかる、複雑 日本が学歴社会なのは間違いない 私の両親もまさにその世代だから小学生の頃から医者になれ、もしくは東大に行け,と言われ続け、私立...

途中に胸糞なシーンがあるものの、爽やかな終わり方 テンポも良く、サクサクと読める やりすぎとはいえ、両親の気持ちもわかるし、主人公の気持ちもわかる、複雑 日本が学歴社会なのは間違いない 私の両親もまさにその世代だから小学生の頃から医者になれ、もしくは東大に行け,と言われ続け、私立の進学校に行かされた(行かせてもらった) 医者にもなれず、東大にも行けなかった自分はいまだに劣等感の塊みたいな人間になってしまった そんな背景があるから尚更面白く読めた

Posted byブクログ

2023/09/14

親の言いなりに東大を目指す高志は、クラスメートの星という少女から、自身に対する親の接し方は「虐待」だと指摘される。 定期試験の順位が下がれば罵詈雑言を浴びせられ、東大への受験勉強以外のことに興味を持ったと因縁をつけられて殴られる。門限は16時と厳しく制限され、勉強のメニューも親の...

親の言いなりに東大を目指す高志は、クラスメートの星という少女から、自身に対する親の接し方は「虐待」だと指摘される。 定期試験の順位が下がれば罵詈雑言を浴びせられ、東大への受験勉強以外のことに興味を持ったと因縁をつけられて殴られる。門限は16時と厳しく制限され、勉強のメニューも親の指示に従わなくてはならない。 それまで「当たり前」だと思っていた親による支配が、歪なものであったこと、「あなたのために」と東大合格を後押ししてきた親の行動が愛ではなく親自身の見栄のためだったこと。 初めて「自分とは何か」を探し、考え始めて人生を歩み始める子どもたちの成長を描いた作品です。 学歴による評価は「もはや古い価値観」と言われつつも、厳然とした学歴差別は残る昨今。子どもの「やりたいように」だけやらせていればよいということではないと思いますが、本作の親の在り方はあまりに身勝手で歪だと感じます。その親の「支配」から抜け出そうとあがき、自分自身の人生を生きようと奮闘する主人公たちの姿は、心から応援したくなります。

Posted byブクログ

2023/09/13

私たち夫婦にも2人の息子がおり、一応受験という大きなイベント(?)を親子で経験しました。作品の帯で登場人物の一人が東大合格を目指す受験生であること、著者自身が東大卒であることから読み始めました。 親の愛情、親の与える教育、それらが子どもへの虐待になるとはこの作品を読んで驚き、自...

私たち夫婦にも2人の息子がおり、一応受験という大きなイベント(?)を親子で経験しました。作品の帯で登場人物の一人が東大合格を目指す受験生であること、著者自身が東大卒であることから読み始めました。 親の愛情、親の与える教育、それらが子どもへの虐待になるとはこの作品を読んで驚き、自分の子どもにはどうだったのか、恐ろしくなりました。 手を上げることはなかったものの、やはり精神的に追い詰めていたこともあったのではないかと、今反省しても仕方がありませんが、そうであれば申し訳ないと思います。幸いというべきか、息子たちは地元を離れ、進学、関東圏に就職して住んでいますので、精神的は親と完全に離れました。 この作品の「復讐計画」がクライマックスですが、計画を終えた一年後に星愛璃嘉が染野高志に語った一言が、救いであり、今受験勉強真っ只中にいる人たちへ、送りたい言葉です。 「明日が来るのを楽しみに思えること、そのために1度しゃがんで、我慢する日があったっていい。でもそれを決めるのは、全部自分自身なんだよね。」 本文より

Posted byブクログ

2023/09/10

親から過度な期待をかけられ教育虐待を受ける染野と、ネグレクトを受け親の面倒を見ることを強要される星。高校三年生のクラスメイトである二人は、自分の置かれた異常な環境を知ると同時に、お互いに共感し連帯感のようなものを覚える。やがて彼らは親への「復讐計画」を企み、それを実行しようとする...

親から過度な期待をかけられ教育虐待を受ける染野と、ネグレクトを受け親の面倒を見ることを強要される星。高校三年生のクラスメイトである二人は、自分の置かれた異常な環境を知ると同時に、お互いに共感し連帯感のようなものを覚える。やがて彼らは親への「復讐計画」を企み、それを実行しようとするのだが……とても息苦しいサスペンスです。 染野と星、どちらの環境もひたすらに苦しいです。しかしその環境が当たり前だったため、慣れてしまってその異常さにも気づかないというところがさらにやり切れません。お互いの姿に共鳴し共感しながらも、自分と比べて「自分の方が恵まれている」と思ったり、羨んだり。なんともいえない彼らの関係性はまさしく同志としか言いようのないもので、だから「復讐計画」がどのようなものかは気になったものの、彼らのすることに間違いはないのでは、と思えました。その点だけは安心して読めたかもしれません。 とはいえエスカレートする染野の家庭環境、変化をもたらした星の家庭環境、そして染野を脅かす何者かの影には不安を煽られるばかりでした。本当に苦しい、つらい読み心地。どちらの親も酷いのだけれど、それでも彼らは親に認められ必要とされたくて頑張っているのがあまりに切ないです。それを断ち切ることは大きな前進ではあるけれど、痛みを伴うことでもあったのじゃないかな、と。彼らのとてつもない成長には勇気づけられました。

Posted byブクログ

2023/09/10

この本は、大学入試というものを題材にしているけど、「幸せの価値観」と言うものも同時に訴えかけているように感じました。 親の言っていることが『100%正しい』とは限らない。 自分で選んだ未来だからこそ、自信を持って進めるし、ほんものの幸せを掴み取ることができる。 対して、引かれたレ...

この本は、大学入試というものを題材にしているけど、「幸せの価値観」と言うものも同時に訴えかけているように感じました。 親の言っていることが『100%正しい』とは限らない。 自分で選んだ未来だからこそ、自信を持って進めるし、ほんものの幸せを掴み取ることができる。 対して、引かれたレールの上を走り続けていても、ほんものの幸せには辿り着けない。 親の期待に応えるという、一定の「満足感」や「達成感」はあったとしても、それ以上はない。 『自律した大人になる』というのは、 こうやって親の支配下であることに、少しずつ疑問を抱いていくことがファーストステップになるのかも知れない。 自分の過去を振り返ったとき、自分自身はどうだったろうか? 『レールの上を歩いてきた人生?』 それとも、 『自分の意思で決断してきた人生?』 前者を選んできた人も大丈夫。 人はいつからでも変われる。 疑問をもったときがそのスタートライン。

Posted byブクログ

2023/09/09

最初は凄く息苦しくて読むのが辛かったけど、比較的早めに主人公が虐待と認識するので、そのあとは安心して読めました。主人公に誰が嫌がらせしていたのか、という軽めの謎と、親から虐待を受けている二人がどうなるのかというドキドキで、最後が気になってドンドンよめます。 そう、はっきりわからな...

最初は凄く息苦しくて読むのが辛かったけど、比較的早めに主人公が虐待と認識するので、そのあとは安心して読めました。主人公に誰が嫌がらせしていたのか、という軽めの謎と、親から虐待を受けている二人がどうなるのかというドキドキで、最後が気になってドンドンよめます。 そう、はっきりわからないレベルの虐待って、これはおかしいことなんだ、と自己認識できるだけで楽になるんだよね。自分ができないから、やらなかったから悪いと責める気持ちになると、やられていることも辛い上に自分で自分を責めるから救いようがなくなる。とくに愛されたい親からやられると認識さえも難しい…。難しい。 ここまでのことはもちろんしないけど、時に子どもを成績や進路で圧迫はしてるだろうなぁ。気を付けよう。 小学校から概ね大丈夫です(星さんが受けている虐待に母親男性からのとか、売春で稼ぐ?とか出てくるレベル)。小学生で読むと少し怖いかも?それとも怒り?これから始まる受験戦争への不安だったりして。

Posted byブクログ

2023/09/09

やっぱり、ラストがスッキリするのは、いいね!途中までは、ちがう結末を匂わせていただけに、読み終わったあとが、いい余韻に浸れる。わたしも、頑張ろう!って気持ちになれるかな?

Posted byブクログ

2023/09/05

目を背けたくなる親による虐待やイジメ。言いようもなく気持ち悪い。辻堂さん、生理的嫌悪感募る人物造形うますぎる。どうしたら、こんな人物創造できるの⁈

Posted byブクログ