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川滝少年のスケッチブック の商品レビュー

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10件のお客様レビュー

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2024/09/17

小手鞠るいさんの実父は岡山市在住。るいさんは1992年からニューヨーク在住ですが、ある日、お父さんから何冊かのスケッチブックが送られてくる。そこには、川滝少年(実父)の1931年愛媛県宇和島に生まれてから1945年岡山市で「敗戦」を迎えるまでの「体験」が、絵日記風に描かれていまし...

小手鞠るいさんの実父は岡山市在住。るいさんは1992年からニューヨーク在住ですが、ある日、お父さんから何冊かのスケッチブックが送られてくる。そこには、川滝少年(実父)の1931年愛媛県宇和島に生まれてから1945年岡山市で「敗戦」を迎えるまでの「体験」が、絵日記風に描かれていました。 るいさんは、暫くそのままにしていましたが、ある日思い立って、少し創作して、自分の子供・深青くんがスケッチブックを初めて読んで、日本に行った時に川滝おじいちゃんにスケッチブックのことを解説してもらうというお話に仕立て上げました。だから、設定は少し事実を変えていますが、「絵日記」はそのまま掲載されています。むしろ全173pの半分近くは、川瀧善正氏のスケッチブックをそのまま載せてあり、ほとんど事実です。 戦争が本格化するまでと、敗戦後の描写は、貴重な民衆の生活誌になっていると思いました。特に岡山市の描写が絵付きで載っているのは岡山県在住の私には面白い。(片上鉄道で、本当に線路に追いつき飛び乗りやっていたとか、岡山工業高校航空機科の詳しい授業内容、戦後のトタン屋根授業、駅前闇市、木炭車やリンタク、岡山千日前映画館状況、戦後間も無いころの銭湯、コークスを使った豆炭、鉄道自殺が多かったこと等々) 戦中の絵日記は、この本の目玉でありとても貴重です。軍事教練、ゲートル巻のやり方、勤労奉仕、建物疎開、6.29岡山大空襲後の景色、岡山駅の貨物倉庫いっぱいに空襲でなくった300体の図(これは写真も残っていないので、この絵が初出しかもしれない)、そして川滝少年自身が通学列車でグラマン機の機銃掃射を受けた体験、この時死者44人負傷169人だったのだから、少年は正に九死に一生を得たのです。 本の表紙を拡大して見てください! 川瀧善正氏の絵のうまさ、漂うペーソス、戦後数十年経ってもまだ記憶に鮮明なその記憶力が充分わかると思います。 るいさんは、「大人たちが起こそうとしている戦争を、あなたの力で止めてください」との想いで本書を仕上げています。スケッチブックがあるから、とっても説得力あります。 ホントは川瀧氏は、どういう思いでこのスケッチブックを娘に託したのか、ハッキリしません。でもとっても良い! 私たちには、戦争体験とか特別なことはないけど、子供の頃の遊びとか、校舎の様子、急激に変わる町並みなど、さまざまなエピソードは、令和の子供たちには驚きの「景色」なのではないか?漫画家になる夢は、今は潰えたけど、こんな絵日記、作っておく意義はあるのではないか。その最大のお手本として、この本、なかなか良いんではないか?とも思ったのでした。

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2024/08/07

素晴らしいスケッチブックを紹介してくれてありがとうって思った 丁寧に書いてあって、それを元に創作して小説を ってすごい 物語もいいけど スケッチブックが本当に素晴らしかったです

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2023/10/03

作者の父の残したスケッチブックにつづられた戦争体験をもとにした小説。 戦争であっても立場が変わると見え方が変わり、油断をすると平和はすぐに壊れてしまう。 戦争を経験した世代が減っている今、戦争を伝えるために次代の人たちに読んでもらいたい作品である。

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2023/09/13

アメリカで暮らしている小5年の男子、深青(みお)が夏休みに母の祖父を訪ねて岡山に行く。そこで同じ年頃を戦争中にすごした祖父のスケッチブックに記された毎日と向き合い、追体験していくお話。まずアメリカで第二次世界大戦がはじまる前の祖父の生活を絵日記のように記したスケッチブックを見つけ...

アメリカで暮らしている小5年の男子、深青(みお)が夏休みに母の祖父を訪ねて岡山に行く。そこで同じ年頃を戦争中にすごした祖父のスケッチブックに記された毎日と向き合い、追体験していくお話。まずアメリカで第二次世界大戦がはじまる前の祖父の生活を絵日記のように記したスケッチブックを見つけるところからスタートする。 絵が多いので当時の生活がよく理解できる。岡山なので原爆の後に被爆者が運ばれてきたのを見る様子や、空襲の後の死骸がたくさんある状況に慣れていく様が心に残った。マンガ的なイラストだけでなく、深青が語る文章を並行して読まないといけないので、多少の読解力は必要。 戦争中の生活が現代とかけ離れてしまった今、子どもにも理解できる良い本だと思った。実在した少年の記憶(記録)なので、ドラマチックな展開になっているわけでもないのにこれだけちゃんと読める(読ませる)ことがすごい。

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2023/09/10

へー『海軍めしたき物語』なんかを思い起こす軽やかで上手いイラスト、なんと著者のお父さんなの、この上手さでプロではないんだ!? と段階的にびっくりしました。戦争中や戦後のことの記録は資料的な価値が高いでしょうが、巻末の楽しそうなアメリカ旅行記もよかった。

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2023/08/26

著者の父親が自分の少年時代を描いた絵日記をもとに、著者がそれを読む孫と娘の目線で描いた小説。当たり前に軍国少年として育つ戦時中の少年のリアルな日常は、戦争のない時代とあまり変わりがなく、私たちの時代と地続きなのだと感じる。戦争を知らない世代がほとんどになった今こそ、このような本が...

著者の父親が自分の少年時代を描いた絵日記をもとに、著者がそれを読む孫と娘の目線で描いた小説。当たり前に軍国少年として育つ戦時中の少年のリアルな日常は、戦争のない時代とあまり変わりがなく、私たちの時代と地続きなのだと感じる。戦争を知らない世代がほとんどになった今こそ、このような本が必要だと思った。

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2023/08/12

著者の父親が描いた戦時中のスケッチブックのマンガ。それをもとに著者が子ども向けて書いた戦争中の日本人の生活。今でいえば高校生くらいの川滝少年の日常生活。戦時中の生活を体験した人が少なくなっていく今、なにかの形で戦争の無意味さを伝えていかなくてはいけない。

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2023/08/04

戦争のあった時代の事が、マンガのおかげでよく分かる。文字の可愛さもあって、読みやすい。 今の時代の子供達には、是非、この本を読んでほしい。

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2023/08/04

父「川滝少年」の漫画にしたスケッチブックに、 著者がフィクションの物語をつけた一冊。 川滝少年は終戦時13才、軍国少年として、生きていた。 作中では、孫の深青(みお)少年が、夏休みにアメリカから訪ねてきて 祖父といろいろ話し、戦争について知り、考えていく。 本音は★3.5とい...

父「川滝少年」の漫画にしたスケッチブックに、 著者がフィクションの物語をつけた一冊。 川滝少年は終戦時13才、軍国少年として、生きていた。 作中では、孫の深青(みお)少年が、夏休みにアメリカから訪ねてきて 祖父といろいろ話し、戦争について知り、考えていく。 本音は★3.5というところ。 まず、それは、すごく表面的な味方なのではないかなぁ、 あるいは偏向していないかな、ということ。 たとえば、135頁。 「みんな、この人のために、喜んで(←ここが重要である!)死んでいったのだ。 そうするしか生きていく道はなかったし、それが正しい道だと信じていた」 ああ、そうか、この時点では川滝少年は、そう考えていたのか。 疑問を抱きつつも、出征し死んでいくことになった人びとの 手記などが明らかになるのは、もっと先のことだから、これはこれで良いのだね。 でも、このままだと、読者はその通りに受け止めてしまう。 それでは、まずいのではないかな。 声を上げられなかった、もっと複雑な思いがなかったことになってしまう。 とはいえ、岡山空襲で焼け焦げの遺体になれていく様子、 乗っている汽車にグラマンから攻撃を仕掛けられ九死に一生を得たなど 少年の語りを通し、現実味を帯びてくる。 知らなければ話にならない。 戦争が遠い昔の歴史でいてくれればよいのだけれど・・・ ユーモラスなイラストトともに、読みやすい一冊。

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2023/06/19

素朴でシンプルなイラストが、昭和の時代の懐かしさを感じさせる。 そして、その素朴なイラストの中で描かれる戦争の悲惨さは、どんなにシンプルに描かれようと、ひどい時代だったとしか言いようがない。 でも、写真やリアルな絵ではなく、戦争のおぞましさを全面に出しているわけではないので、そう...

素朴でシンプルなイラストが、昭和の時代の懐かしさを感じさせる。 そして、その素朴なイラストの中で描かれる戦争の悲惨さは、どんなにシンプルに描かれようと、ひどい時代だったとしか言いようがない。 でも、写真やリアルな絵ではなく、戦争のおぞましさを全面に出しているわけではないので、そういう描写が苦手な子には、戦争があったという事実を知るのに最適な教材だと思う。 漫画風のイラストや、祖父と深青(みお)くんの会話から、第二次世界大戦がどんなものであったのか、当時を生きていた人の貴重な話がやさしく読めるので、いつか子どもと戦争の話をすることがあったら、この本を紹介したい。

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