レーエンデ国物語 の商品レビュー
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最初はレーエンデの世界に溶け込めず、ゆっくりと読んでいたけど、途中からレーエンデの世界にどっぷりはまり駆け足で読み切った。 トリスタンの献身的な姿に涙が止まらなかった。 面白かったけど、ユリアが産んだ神の御子(レーエンデ側から見たら悪魔の子?)がどうなったのか、気になって仕方がないため、星1つ減らして星4個としました。 ユリアは後に「レーエンデの聖母」と語り継がれるそうだが、レーエンデ側から見ても、そうなのだろうか? 続編で語られることを期待します。
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読み終わった感想としては、王道ファンタジーではないです。 主人公のユリアがレーエンデの聖母と呼ばれる理由がいまいちよく分からなかった。 作中で父のヘクトルがユリアの事を強い女性といっているが、私は受動的な貴族の箱入り娘のお嬢様と感じてしまった。 トリスタンが銀呪病になっていることを知り、銀呪病を治すべく、銀呪病の特効薬を作ろうとしたり、幻の海を根絶すべく幻魚や他の化け物とかと戦っていく物語かと思えば、トリスタンが死んでしまっても大丈夫なように子供を作りたいとか思い出を作りたいとか、もう諦めてしまっているところにイライラしてしまいました。 私が今までみたファンタジーものの主人公(十二国記、香君、精霊の守り人など)はどんな逆境でも未来が閉ざされてしまっても、自分の頭や身体で切り開いていくものが多かったので、これが王道ファンタジー?という感想になってしまった。 トリスタンはどんな時でもユリアを助けるために駆けつけたのに、ユリアはトリスタンが追放されたときもトリスタンは私のことを守ってくれたのに何もできなかったとメソメソ泣くだけで、探しに行こうともしない。 結局はお腹の子を悪魔にしたくないと言っていたのにお腹の子にヴァラスを殺すことを願い、お腹の子の力を敵国に証明することになり連れ去られる。 女は子供を産む道具と言われそれが嫌でレーエンデに逃げる→トリスタンが死んでしまっても大丈夫なように子供を作りたい→トリスタンが嫌がるから辞めよう→子供を受胎したのでこの子を守りたい→敵国に奪われたので取り戻したい 最初から最後まで自分で行動を起こさず、何かが起きてから仕方がなく選んでいるようにしか思えない。 一方で、トリスタンやヘクトルは最初から最後まで信念があって良かったと思った。 ヘクトルと愛するユリアを命が尽きるまで守りたいトリスタン。いつの日かレーエンデで過ごすことを夢見て、銀呪病を根絶すべく交易路をつくりながら、娘ユリアの幸せを何より願うヘクトル。どちらも確固たる信念のもと行動をしていて、とても格好良かったです。この二人は魅力的な登場人物だと感じました。 恋愛描写が少し丁寧すぎる気もしますが丁寧で、トリスタンがユリアを、僕の子供を産みたいと思ってくれる人なんていないと言って誘ったのも一見それが誘い文句だったの?と思ってしまったのですが、後々銀呪病患者は生殖機能が損なわれる事がわかり、トリスタンはそれを知ってたのに言ったのは確かに誘ってたんだなぁと納得と同時に、はっきり言わないところがかわいいなぁと思いました。 さらに、終章でトリスタンやヘクトルが亡くなった事、ユリアが他の男と結婚し子供を産み国をまとめ亡くなった事などをさらっと記していて、こんなに長々と恋愛模様を描写していたのに、大事なところはそれで終わり?と驚きました。 王道ファンタジーというから、主人公がファンタジー世界を冒険したり、自分の知識や身体で困難に立ち向かったり、化け物と戦ったり、戦乱の世の国を統治して平和に導いたりするのかな?と勝手に思ってしまっていたので、ガッカリでした。 まだ、エールデが主人公で悪魔の子になるのか神の子になるのか悩み葛藤しながら生きるとかそういう物語をやって、父と母の物語はこうだったんですよ第一部の主人公はこの様にして誕生したのですよと補足的にする物語なら良かったと思います。それだとありがちだと思われるかもですが、王道ファンタジーはありがちで良いのだと個人的な感想です。 結局、銀の海は何だったのか、ウル族の伝承とクラリエ教の聖典のどちらが正しいのか、銀呪病を根絶することはできるのか。 何も解決しないまま終わってしまった。第二部で明らかになるとしても、ユリアの生涯を終章で雑に処理してしまった作者を信頼することが出来ないので、続きを読んでみたいと思わないのが正直なところです。
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序盤から中盤にかけてはファンタジー世界を堪能でき、後半からは権力争いも絡んでくる展開になり駆け足気味なのが少し残念、、、 中盤のユリアが身ごもった展開は周りの人間たちの豹変ぶりが怖かった。 ガフはもっと暴れ回るかと思ったけどそんなに活躍しなかったのが残念。 ただ重厚なファンタジーっていう最初の印象とは違い、ライトな文体でそれがたまに気になるくらい。特にキャラクター描写がちょっと大仰すぎるような、掛け合いが本物の人間が話すやり取りに思えない所が多々あり、著者の本が初めてなので、他のもこんな感じかは分からないけど続きはもういいかなと思ってしまった。
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繊細な言葉の数々で綴られる物語は、仄暗さを併せ持ちとても美しい世界であった 言葉の選び方の美しさが印象的 言葉による世界の情景に思いを馳せ、ファンタジーの世界に確かに旅をするようだ 読了後の余韻がしばらく抜けなかった ヒロインであるユリア、そしてヒーローであるトリスタン 2人は恋をした だから、きっとハッピーエンドなんだろうって信じてた けれどそう上手くいくものではなくて、彼の持つ病を知り、距離が少し空いてしまう 彼と彼女の共に居た時間は長いようで短いものであった 恋をしても距離があり、情を混じえることの無い愛だった そして…トリスタンと呟かずにはいられない…… 彼の人生は苦しい時間ばかりで、最期も私としてはやるせない けれど彼自身は、何も無い世界で死を待つだけの中、彼女と出会えたことが凄く幸せだったんだろうなって だからこそ2人に幸せな時間が訪れて欲しかったと思わずにはいられなかった 物語はユリア視点、トリスタン視点で交互に紡がれる 人間関係もそうだけど、彼らの生活を覗くのが読んでいて凄く楽しかったなって 現実にはないからこそ、想像を膨らますことが楽しい この場所はどんな場所なんだろう、緑がきっと深い場所なんだろうな どんな木の実を、どんな生き物を食べてるんだろう そういう風に沢山想像をしてしまう 物語自体は終盤は凄く駆け足な印象的 コロコロと変わる展開に目が回るようだった そして謎も残るような終わり方 物語の締め方が十二国記に通づるものがあるかなって 終章では語り部が過去を語るような終わり方だから、多くの空白の時間があるなって その空白の期間は何があったんだろうって想像する 正直、ユリアが別の誰かと結婚したの!?って思ったり、随分長生きしたんだなって思ったり そして彼女が生んだ子は結局はどうなったの〜って思ったり笑 だから、そんな彼女の人生を想像するんだ 2巻目以降もあるようだから、そこで分かることもあるのだろうか
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中世風のファンタジー小説。 ヒロイン、ユリアはレーエンデ地方と自分の国に貿易路を作るために国の英雄である父ヘクトルについて行く形でレーエンデ地方を訪れる。 貿易路を作るためにいろいろ調べるために、レーエンデ地方に住む元傭兵である主人公トリスタンを案内に依頼する。 ユ...
中世風のファンタジー小説。 ヒロイン、ユリアはレーエンデ地方と自分の国に貿易路を作るために国の英雄である父ヘクトルについて行く形でレーエンデ地方を訪れる。 貿易路を作るためにいろいろ調べるために、レーエンデ地方に住む元傭兵である主人公トリスタンを案内に依頼する。 ユリア、トリスタン、ヘクトルの出会いが3人を、そしてレーエンデの運命を大きく動かすことになる。 まず、私が聞いているのは、本作品は3部作のうちの初巻ということ。 つまり、導入部にあたるはずなんですが、読んでいて退屈するところが全く無かったなと思うくらい、登場人物同士の掛け合いが面白い。何ならもっと読んでいたいと思いました。 それくらい、キャラクターにのめり込んでしまうくらい登場人物、特にユリア、トリスタン、ヘクトルのキャラが良いキャラだと思いました。 私が気に入っているところは、英雄ヘクトルが自分の国とレーエンデに貿易路を作るために尽力しているとは言え、基本的には登場人物のどこにでもある日常が描かれているところです。 裏で不穏な動きや事件はあるものの、基本的には日常が描かれているというところが好きです。 そして、その日常はある日突然脅かされる。 ファンタジーの世界だからと思うかもしれませんが、いろいろな本の感想で私も書いていますが、裏でいろいろなことが起こっていても、日常は突然脅かされるます。 今読むと私はこれがよく分かるなと。コロナであったりウクライナ戦争で学んだので。 そして、日常が脅かされた時、真に強いのはなんなのか。 それは愛と愛すべき者を守ろうとする力なんだろうなと思いました。 時に、愛すべき者のために勇気と力を振り絞った結果、悲惨な結果を招くことだってあります。 本作品はもしかすると愛すべき者のために勇気と力を振り絞った結果、絶望を招いたかもしれません。 しかし、愛してる人のためなら、自分のない勇気を絞り出せることもあるし、思わぬ力を発揮できるということを感じることってありませんか? それが良いか悪いかは別として、守るべき者がある人の強さというのは凄いなと感じた本巻でした。 本作品は人によっては絶望の物語というかもしれませんし、希望の物語という人がいるかもしれません。 ただ、絶望と取るか希望ととるかは別として、本作品を読んで命をかけても守りたい人(愛する人)がいるよなと思えることができた私はきっと幸せなんだろうなと思える、そんな作品だと思いました。 あなたに守りたい人(愛する人)はいますか?
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帯の言葉と表紙に惹かれるままに購入した本。 買って正解だった! 本格的なファンタジー、距離の単位すら異なる世界で広がる壮大な物語にとても心惹かれ、夢中で読んでしまった。 前半はレーエンデ国の美しさや、魅力的な人達に魅了された。そして後半は怒涛の展開。 本当に楽しい読書だった。 ナルニア国物語などが好きだった人はぜひ読んで欲しい。 日本人の書くファンタジーということもあり、この世界により没頭出来ると思う。
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凄いお話でした。読み応えたっぷりで、とても面白かったです。 波瀾万丈のストーリーに加え、キャラクターが物凄く魅力的。ヘクトル・トリスタン・ユリアの掛け合いは心温まるものがありました。 トリスタンがとてもかっこいいです。 ユリアと結ばれず命を落とすのですが、心はしっかりと繋がっているのが強く伝わってきました。 最後の2人の別れ、ユリアに向かって叫ぶトリスタンが目に浮かび感動しました。 何重にも作り込まれた構成と、わくわくする展開。間に差し込まれる切ないラブストーリーに惹き込まれました。 文体も美しく、情景描写がとても好きです。 また装丁も素敵でした。 読めて良かったです!
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読書記録 2023.6 #レーエンデ国物語 王道ファンタジー、といっても剣と魔法にエルフやオークの世界ではなく、登場人物の心情に焦点を当てた物語。 種族の差別や偏見、神話に迷信、謎の疫病と超自然現象、それに人間の野心が加わって、骨太のストーリーを紡ぎ出す。 #読書好きな人と...
読書記録 2023.6 #レーエンデ国物語 王道ファンタジー、といっても剣と魔法にエルフやオークの世界ではなく、登場人物の心情に焦点を当てた物語。 種族の差別や偏見、神話に迷信、謎の疫病と超自然現象、それに人間の野心が加わって、骨太のストーリーを紡ぎ出す。 #読書好きな人と繋がりたい #読了
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架空の世界、未知の病、狙われる少女… 物語の王道の展開は間違いなく面白い!! 「読後、放心し、空を見上げ、トリスタン、と呟く。」(恒川光太郎さん推薦文)がまさにその通り! まだ出てきていない地域もあるし、その後もその前も気になるし、シリーズ化しますよね?
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銀色の幻想的な世界、信頼できる仲間の描写になんとなくデルトラクエストを思い出して読んでいた。が、中盤からギア変えてきたすごい展開で一気に読んでしまった…。予定されているという続巻で、この巻の人物についてまた言及されると信じてる。
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