かっかどるどるどぅ の商品レビュー
著者のインタビューで、表題がひょっこりひょうたん島からだと聴いて、なんだか自分も聞いたことがあるような気になってきた。実際は、ないと思うけど(笑) 生きにくい人達が、こんなふうに寄り添えればと思う。 大人のおとぎ話のようで、なんだか癒された。
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いきなり東北弁で始まる60代後半の女・悦子の語り。 ほぼ胸のうちに溜まる愚痴めいた独り言のようだ。 続いては、夫を見送り舅姑の介護を延々と続けてからそれぞれ看取ったあとひとりになった68歳の芳江。 自由になり好きなことができるはずなのに何をしたらいいのか…ひとり地味に生きていく...
いきなり東北弁で始まる60代後半の女・悦子の語り。 ほぼ胸のうちに溜まる愚痴めいた独り言のようだ。 続いては、夫を見送り舅姑の介護を延々と続けてからそれぞれ看取ったあとひとりになった68歳の芳江。 自由になり好きなことができるはずなのに何をしたらいいのか…ひとり地味に生きていくだけなのかと。 また、大学院を出たものの非正規雇用の職を転々とする38歳の理恵。彼女も何をしたらいいのかゆらゆらと彷徨っている。 公園で薄汚れて痩せ細り怪我をしている犬を相手に喋っているのは、20代の保。 彼はもはや生きる希望すらなく残り少ない有り金で食べ物を買い、最後の食事を犬といっしょに終えた。 見知らぬ男から「困ったらここに行け」と紙切れを渡されて行った先は…。 古いアパートのドアを開け放し、誰彼かまわず声かけているのは吉野だった。 そこには自然と人が集まり、ちゃぶ台囲んで食事している風景があった。 そんなところで顔を合わせた見知らぬ4人。 いつのまにか笑顔が見え、誰かと喋る…という普通のことが普通にできるようになっている。 吉野の人生もさらりと描いているが、壮絶であり絶望を何度も味わった感あり。 だからこそなのか寂しいものを嗅ぎ分けることができ、喜ぶ顔が見たくなって食事を振る舞う。 家族がないなら家族を作ればいい…そんな感じのようだ。 「かっかどるどるどぅ」鶏の雄叫びだ。 生きていることの叫びだろう。
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こんなに虚しい小説もあったのか中編迄ボヤキばかりでイライラした。世の中のいろいろを批判したり、最後の黄色地のページでは無情を醸し出し世の退廃を嘆いてみても何の実りもありゃしない。安心して暮らしたいならどう行動するの?
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経験値豊かな若竹さんだから描けた作品。不条理な世の中に抗うことを諦めた人たちが互いに支え合い繋がる物語。東北弁が孤独や寂しさを癒す。吉野さんに出逢えたら僥倖だ。
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『かっかどるどるどぅ』と言う謎めいた言葉をどう理解し読めるかがキーポイントととなる不思議物語、孤独から解放されて明るい未来を生きる手助けとなるお話をあなたもぜひ。
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