言語の本質 の商品レビュー
「キーフレーズ」 ⭐︎記号接地問題 ☀︎言葉の意味を本当に理解するためには、丸ごとの対象について身体的な経験を持たなければならない。 特別支援教育への転用と仮説 ⭐︎おしっこ出た?よりも、おむつ濡れてる?の方がわかりやすいのではないか。 トイレで便器に座っている時は、「出す」「...
「キーフレーズ」 ⭐︎記号接地問題 ☀︎言葉の意味を本当に理解するためには、丸ごとの対象について身体的な経験を持たなければならない。 特別支援教育への転用と仮説 ⭐︎おしっこ出た?よりも、おむつ濡れてる?の方がわかりやすいのではないか。 トイレで便器に座っている時は、「出す」「出した?」が、身体的に理解しやすい。時制が今だから。 おむつに関しては、触れている感覚を問いた方が理解しやすいのではないか? 記号接地をできるようにするために、 1️⃣濡れたタオルと乾いたタオルを触れさせ、経験を増やすことで、言葉とイメージの一致を促す。
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友達からおすすめされて借りた本。 後半は難しく、主張のための例である単なる小ネタみたいなものにしか興味がわかなかった。もう1回読めば感じ方が変わるだろう。 とりあえず言語の問題を考えると必然的に?AIの問題にたどり着くということが自分にとって驚きの部分でもあったし、やっぱり学問に...
友達からおすすめされて借りた本。 後半は難しく、主張のための例である単なる小ネタみたいなものにしか興味がわかなかった。もう1回読めば感じ方が変わるだろう。 とりあえず言語の問題を考えると必然的に?AIの問題にたどり着くということが自分にとって驚きの部分でもあったし、やっぱり学問に文系とか理系とかの線引きってないよねと改めて感じた。そして、いくつかの小ネタから自分の経験や知識と結びつけることもできた。 133ページ「隠れたオノマトペ」では、オノマトペから単語ができた、という逆説的な事象に目がいった。言語に限らず、こういう元ネタが元ネタじゃなくなる現象はこれの他にたくさんあると思う。たとえばスナックサンドのほうが販売開始時期が早いのに、あとから参戦してきたランチパックの勢いに負けてスナックサンドがランチパックの真似をしたと捉えがち、みたいな。名前をつけたいがつけられず、誰かがすでに名付けてるのかもしれないしもやもやしている。 186ページでは、人工知能を通して言語習得に必要な要素は何かということを表している。 Cycプロジェクト(ダグラスレナート)、昆虫ロボットプロジェクト(ロドニーブルックス 228ページの後件肯定の誤謬(ごびゅう)については、幼少のころに服が小さくなったねと母に言われたときに、身体は変わっていないが、勝手に服が小さくなると思っていたという記憶を思い出した。(本当は自分の体が大きくなっただけ) これを読んでる友達すご…と思った。自分の関心領域は言語だと思ってたけど、言語と文化の関係性に興味があっただけで、言語をどう身につけるのか、というメカニズム的な方面には疎いことをしれた。
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ゆる言語学ラジオが激推しの今井むつみ先生著作。 パーソナリティ話し手の水野さんがむんむんとその魅力を語っていてから時間が経過してしまったが、この度読了。 言語習得初期におけるオノマトペの重要性、記号接地問題を引き合いに出し幼児が言葉に身体性を身につける契機となる。その根拠として...
ゆる言語学ラジオが激推しの今井むつみ先生著作。 パーソナリティ話し手の水野さんがむんむんとその魅力を語っていてから時間が経過してしまったが、この度読了。 言語習得初期におけるオノマトペの重要性、記号接地問題を引き合いに出し幼児が言葉に身体性を身につける契機となる。その根拠として、オノマトペははたして言語といえるのか?(ジェスチャーとの違いは?)をチャールズ・F・ホケットの「言語の大原則」に当てはめながら探求していく。 オノマトペへの洞察にとどまらず、そこから人間はなぜ身体性からかけ離れれた抽象的な概念などを言語で習得していくのかという問いへさらに深化していく。 そこには、アブダクション推論というある種非論理的な飛躍による単語ごとの類似性などを繋ぎ合わせていく取り組み、ブートストラッピング・サイクルという手法があるのではないかという主張。 当たり前すぎて盲点だったのは、対象性推論(記号A→対象Bであるならば、対象B→記号A)は人間独自の物事の捉え方であるということ。論理的に正確でないこの推論が、人間の言語や概念の広がりに寄与しているのであるという発見は瞠目すべし。 水野さんがラジオで、言語学に関する研究書でるとともに、言語習得という謎に挑むミステリーとしても読むことができると言ってた気がする。読み進めていくうちに新たな謎が生まれ、根源的な言語とは?という究極の問いに挑む営みはスリリングで、良い読書体験でございました。
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子どもがどうやって言葉を獲得していくのか。2択とかなら、聞いたこともないような世界の言語の意味がわかってしまうのは何でか。そしてオノマトペの有能さよ!…など、いろいろと驚きやワクワクがあったが、 わかりやすい、と話題のこの本、正直むずかしいところもあったぞ(私の理解力不足なんだろ...
子どもがどうやって言葉を獲得していくのか。2択とかなら、聞いたこともないような世界の言語の意味がわかってしまうのは何でか。そしてオノマトペの有能さよ!…など、いろいろと驚きやワクワクがあったが、 わかりやすい、と話題のこの本、正直むずかしいところもあったぞ(私の理解力不足なんだろーけども)…。けど、オノマトペは発明だし、言葉を知るということは、人の頭のなかを知ることで、その頭の中は複雑だけどとても合理的で、人間の可能性のようなものも感じることができた。私たちは言葉で思考する。言葉を大切にしたい。
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私はオノマトペって何?ってところから始まりました。 オノマトペとは、「げらげら」「もぐもぐ」「ふわふわ」「スベスベ」「ツルツル」「ガチャン」「ドカン」「ワンワン」「ブーブー」とか生活になくてはならないあのコトバでした。 オノマトペが言語たる所以を非常にわかりやすく教えてくれま...
私はオノマトペって何?ってところから始まりました。 オノマトペとは、「げらげら」「もぐもぐ」「ふわふわ」「スベスベ」「ツルツル」「ガチャン」「ドカン」「ワンワン」「ブーブー」とか生活になくてはならないあのコトバでした。 オノマトペが言語たる所以を非常にわかりやすく教えてくれます。 そして、オノマトペの探究から言語の本質、人とは...まで連れて行ってくれます! オノマトペが言語かどうかなんて考えたこともなかったな〜。面白い。
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大変興味深い内容で面白かった。 言語なくして文明は発達しないということを改めて理解できたし、AIの抱える記号接地問題についてもわかりやすかった。
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ヒトはどうやって言葉を生み出し、習得していったのだろうか。そのヒントになる実験結果が随所に見られる。乳幼児とサルなどの動物で違った結果になる要因について踏み込んで考察している。 オノマトペという擬音語、擬態語が習得に際し、重要な役割を担っていることがわかる。コロコロとゴロゴロ、サ...
ヒトはどうやって言葉を生み出し、習得していったのだろうか。そのヒントになる実験結果が随所に見られる。乳幼児とサルなどの動物で違った結果になる要因について踏み込んで考察している。 オノマトペという擬音語、擬態語が習得に際し、重要な役割を担っていることがわかる。コロコロとゴロゴロ、サラサラとザラザラなど濁音の有無で雰囲気ががらりと変わる。共著者の一人は膨大な言語(聞いたこともないような民族語も含む)の海から特徴を掴みだし、豊富な実例を列挙しているが、その粘り強さには驚かされる。実験で赤ならば◯を、青ならば⬜︎を選ぶ作業を実施すると、習得できるサルもいるが、この逆の操作(◯ならば赤、⬜︎ならば青)を行わせると、乳幼児ではできるが、サルではできない、という結果がでる。演繹的推論はサルでも学習できるが、帰納的推論はできないという。ここにヒトが言葉を発達させることができた要因があると喝破している。
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新書大賞2024の第1位で面白そうだったので。 オノマトペを通じて言語の本質を探る。 オノマトペ愛用派としては非常に魅惑的なテーマだ。 といっても、「言語の本質」よりも、 その手前のオノマトペ自体の謎が興味深かった。 自分にとってはオノマトペは非常に体感的で、 感覚体験に基づ...
新書大賞2024の第1位で面白そうだったので。 オノマトペを通じて言語の本質を探る。 オノマトペ愛用派としては非常に魅惑的なテーマだ。 といっても、「言語の本質」よりも、 その手前のオノマトペ自体の謎が興味深かった。 自分にとってはオノマトペは非常に体感的で、 感覚体験に基づいていると思っていたが、 他の言語のオノマトペは全く分からなかった。 オノマトペは言語によって異なり、 万国共通のオノマトペがただ一つも存在しないというのが驚きだった。 それ以外にも、興味深いことがいろいろ書いてあった。 オノマトペは言語の音の処理を行う左側頭葉と環境の音の処理を行う右側頭葉の 両方を使って処理されているとか、 日本語がオノマトペで表している動きの様態(トボトボと歩く)を、 英語は動詞本体(plot)に組み込まれているとか。 言語と人間の知能の点では、 対称性推論、蛇が這った後を見て蛇がいると推論するのは人間だけ、 しかも人間は過剰に推論するとか、 有名なチンパンジー「アイ」も黄色の積み木なら三角の記号を選ぶことができても、 三角の記号を見て黄色の積み木を選べない、言語の双方向性も人間だけというのも 面白かった。 それに、 ポケモンの名前の研究が行われているとは知らなかった。
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オノマトペから始まり、子どもがどのように言語を学ぶのか、そもそも私たちの使う言語とは?一見難しそうな内容なのに、丁寧に丁寧に説明してもらえるのでとてもおもしろくあっというまに読んでしまった。 わたしが特におもしろく読んだのは第6章「子どもの言語習得2ーアブダクション推論篇」。小さ...
オノマトペから始まり、子どもがどのように言語を学ぶのか、そもそも私たちの使う言語とは?一見難しそうな内容なのに、丁寧に丁寧に説明してもらえるのでとてもおもしろくあっというまに読んでしまった。 わたしが特におもしろく読んだのは第6章「子どもの言語習得2ーアブダクション推論篇」。小さい子どもの言い間違い、とよく言われるものが、実は言語学的にまったく理屈に合っているものだとは!そして「形バイアス」。これはいままさに我が家の1歳児!梨を見て桃と言ってしまうのも親にとってはただかわいいね、だけど、本人は言語習得の大仕事中なのだ。
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オノマトペについて深く考えた初めての機会だった。ア行とイ行の受ける印象の違い、キピとモマから受ける印象についての言語を超越した同一性、面白かった。ぴえん超えてぱおんで笑ってしまった。
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