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飛鳥の古代寺院 の商品レビュー

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2024/04/26

 先日、飛鳥の方に行ったとき、途中で、藤原宮跡から少し南にあった田んぼの中に、古墳か基壇跡らしき高まりを見つけ、何であろうかと思い、調べてみると、本書にも出てくる和田廃寺の塔の基壇跡であった。  そうしたこともあり、古代寺院跡とかにもちょうど関心が出てきたところで見つけたのが本書...

 先日、飛鳥の方に行ったとき、途中で、藤原宮跡から少し南にあった田んぼの中に、古墳か基壇跡らしき高まりを見つけ、何であろうかと思い、調べてみると、本書にも出てくる和田廃寺の塔の基壇跡であった。  そうしたこともあり、古代寺院跡とかにもちょうど関心が出てきたところで見つけたのが本書である。  意外とね、飛鳥の古墳や宮跡というのは類書が多くあるのだけれど寺院に焦点を絞った本というのはあまりない様な気がする。  本書には、飛鳥とその周辺も加えて18の寺院について解説がなされている。  取り上げられている寺院については以下の通り・  第1部◇飛鳥中心の寺院  飛鳥寺、豊浦寺、川原寺、橘寺、岡寺  第2部◇飛鳥周辺の寺々  定林寺、坂田寺、檜隈寺、呉原寺、壷阪寺、  第3部◇山田道周辺の寺々  山田寺、奥山廃寺、和田廃寺、石川廃寺、軽寺  第4部◇藤原京の寺々  小山廃寺、大官大寺、田中廃寺  こうやって見ると、壷阪寺のように中世の説経集のイメージが強く、古代寺院という印象のなかったものや小山廃寺は、昔は紀寺跡と呼ばれていたようなものもある。調査等で新知見が加わっての変更なのだろう。  本書では、それそれの寺院について、沿革、発掘調査、出土瓦、見解という具合に記述されている。特に出土瓦に焦点を当てている所に、著者の研究テーマが垣間見れる。  瓦については、瓦の編年を辿ることで寺院が造られた時期などがわかるとともに、今回、それぞれの瓦が出土した寺院跡をグルーピングすることで、それぞれの寺院の性格や目的なども看取できるという事実は驚きであった。  最後に、本書を手にまた、飛鳥、その周辺の寺院跡をめぐるのも楽しそうだ。近々、やってみよう。

Posted byブクログ