赤い月の香り の商品レビュー
大好きな千早茜さんの新刊。 表紙の赤色がぞくっとするくらい妖しくてどきどきしてしまう。 読み終わるのが勿体無くって、でも早く読みたくってそわそわしていたのに、読み始めると一気に読み切ってしまった。 千早さんの世界観に呑み込まれて、しんとした仄昏い洋館の中、冷たい床の上を裸足で...
大好きな千早茜さんの新刊。 表紙の赤色がぞくっとするくらい妖しくてどきどきしてしまう。 読み終わるのが勿体無くって、でも早く読みたくってそわそわしていたのに、読み始めると一気に読み切ってしまった。 千早さんの世界観に呑み込まれて、しんとした仄昏い洋館の中、冷たい床の上を裸足で佇んでいるような気持ちになる。 源さんが育てた噎せかえりそうな程濃い植物の香りや、清涼感のあるハーブや柑橘類の香りを鼻奥で感じたような気がする。 香りと記憶ってなんて不思議なんだろう。 嗅覚障害の依頼人の章は、流行り病の後遺症で嗅覚障害がまだ少し残っている今、とてもタイムリーな内容だった。 丁寧すぎるくらいに丁寧な朔の暮らしも、朔と新城のやりとりも、ずっと見ていたいくらい、たまらなく好き。 漫才か!と言いたくなるユニークなやり取りが前作よりも増えていてニヤッとしてしまう。 どこか歪みを抱いた依頼人達や、満が抱えた「秘密」も妖しく魅力的で、もう最後まで夢中だった。 読み終わってからもしばらくこの静かで美しい世界から抜け出せなくてぼうっとしている。 はぁ、読み終わってしまった…!
Posted by
前作が「静」と「静」のお話なら 今回は「静」と「動」のお話。 けれど前作と同じく、「動」の表現ですら全体の静謐の中に溶け込まれていて穏やかに読めてしまう。 湿気があって、静かで、たまに聞こえる水音。まるで鍾乳洞の中にいるよう。 文章を追うだけで、むっとするほどの濃密な香りを感...
前作が「静」と「静」のお話なら 今回は「静」と「動」のお話。 けれど前作と同じく、「動」の表現ですら全体の静謐の中に溶け込まれていて穏やかに読めてしまう。 湿気があって、静かで、たまに聞こえる水音。まるで鍾乳洞の中にいるよう。 文章を追うだけで、むっとするほどの濃密な香りを感じてしまうのもたまらない。 前作を読んでから手に取ることをオススメします。
Posted by
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
「透明な夜の香り」続編です。 直木賞受賞作「しろがねの葉」も気になっていますが、たまたま立ち寄った有隣堂で見つけちゃいました。 本作の発売日だったんですね^^; 日付は変わってしまいましたが、仕事を終えてからの一気読みでした。 続編なので、もちろん調香師の小川朔が再登場します。 でも本作の主人公は小川朔に誘われ、住居兼職場として使用する洋館で働くことになった朝倉満。 朔のもとにはさまざまな香りを求める人々が訪れますが、本作に限って言えばそれは朔が類まれな嗅覚を持つ調香師であることの証明でしかありません。 前作「透明な夜の香り」で主役級の働きをみせた一香の登場は前作を読み終えた読者にはたまらない演出。 謎解きミステリーでも、どんでん返しでもありませんが、ラストで明かされた内容はまさかまさかの展開でした。 ただ個人的に凄いなぁと感じた「香り」を文字にするという部分では前作程の感銘を受けることが出来ませんでした。 説明 内容紹介 天才調香師は、人の欲望を「香り」に変える――。 直木賞受賞第一作。『透明な夜の香り』続編! 「君からはいつも強い怒りの匂いがした」 カフェでアルバイトをしていた朝倉満は、客として来店した小川朔に、自身が暮らす洋館で働かないかと勧誘される。朔は人並外れた嗅覚を持つ調香師で、その洋館では依頼人の望む香りをオーダーメイドで作り出す仕事をしていた。 朔のもとには、香りにまつわるさまざまな執着を持った依頼人が訪れる。その欲望に向き合ううちに、やがて朔が満を仕事に誘った本当の理由が分かり……。 香りを文学へと昇華させた、第6回渡辺淳一文学賞受賞作『透明な夜の香り』に続く、ドラマチックな長編小説。 【著者プロフィール】 千早 茜(ちはや・あかね) 1979年北海道生まれ。幼少期をアフリカで過ごす。立命館大学文学部卒業。2008年『魚神』で第21回小説すばる新人賞を受賞し、デビュー。翌年、同作にて第37回泉鏡花文学賞を受賞。13年『あとかた』で第20回島清恋愛文学賞、21年『透明な夜の香り』で第6回渡辺淳一文学賞、23年『しろがねの葉』で第168回直木賞を受賞。著書に、『男ともだち』『わるい食べもの』『神様の暇つぶし』『ひきなみ』など多数。
Posted by
大好きな千早さんの新刊。 まるで香りに触れているかのような感覚で読むことができた。 朔の凜とした静けさや、彼とは真逆とも言える屋敷の人たちとの日々がありありと想像でき、 出てくる料理も魅力的。 香りって、こんなに人に影響を及ぼすんだなあ… 前作は従業員と雇い主が女×男だったけれ...
大好きな千早さんの新刊。 まるで香りに触れているかのような感覚で読むことができた。 朔の凜とした静けさや、彼とは真逆とも言える屋敷の人たちとの日々がありありと想像でき、 出てくる料理も魅力的。 香りって、こんなに人に影響を及ぼすんだなあ… 前作は従業員と雇い主が女×男だったけれど、今回は男×男。 満(従業員)と朔(調香師)の意外な繋がり、それぞれの過去も描かれていた。 前作で出てきた一苺も登場し、「香り」の効果がよりいっそう深まる。 香りと記憶のつながりには共感。 私もここで働きたい
Posted by
直木賞受賞作『しろがねの葉』が楽しめたので、相性が合う作家さんか確かめるために本書も読んでみたい。既刊の『透明な夜の香り』の続編のようなので、まずはそっちを読んでみよう #赤い月の香り #千早茜 23/4/26出版 #読書好きな人と繋がりたい #読書 #本好き #読みたい本 ...
直木賞受賞作『しろがねの葉』が楽しめたので、相性が合う作家さんか確かめるために本書も読んでみたい。既刊の『透明な夜の香り』の続編のようなので、まずはそっちを読んでみよう #赤い月の香り #千早茜 23/4/26出版 #読書好きな人と繋がりたい #読書 #本好き #読みたい本 https://amzn.to/3AwiM9O
Posted by