街とその不確かな壁 の商品レビュー
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※このレビューにはネタバレを含みます
村上春樹という事で期待して読んだが、最後まで面白いと思わなかった。(自分がSFが苦手ということもあるが) 結局、初恋の相手と語り合った想像上の街に迷い込んで、初恋の相手の本体とは出逢えず、相手を想いながら年を重ねてしまったという話なのか。
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いろんな場所を通り抜けて現実の世界に戻ってきたような読後感。 日曜の夜に読み終えてよかった。 そして、当分の間は物語の中に引き戻されたり思い返したりする日々が続くと思う
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読み始めて、ああ、これは好きに決まっている!と感じて第一部をものすごい集中力で読む。なにせ私の生涯ベスト小説は「世界の終わりとハードボイルド・ワンダーランド」だ。 ぼくときみ、私と君、壁のこちら側とあちら側、その並行世界から、ぽんっと私は自分を信じ、自分が自分として生きることを...
読み始めて、ああ、これは好きに決まっている!と感じて第一部をものすごい集中力で読む。なにせ私の生涯ベスト小説は「世界の終わりとハードボイルド・ワンダーランド」だ。 ぼくときみ、私と君、壁のこちら側とあちら側、その並行世界から、ぽんっと私は自分を信じ、自分が自分として生きることを選択する。現実とフィクション、表裏、真偽、白黒、そのどちらもが自分であると。 時を経て、どんどん主題も文章も洗練されていく。まわりくどい春樹節のかわりに登場人物による主題の説明が多いと感じられたが、新しい読者にはやさしい。 これまでの村上春樹文学のエッセンスが凝縮されていて、この先、私はこの作品を何度も読み返すだろうと予感している。
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読み始めると広大で繊細で難解な世界に連れて行ってくれる。だから心待ちにしていたんだなぁと思う。 「この言葉は何を意味しているのだろう。 すぐにはわからないから、持ち帰っていいですか?」 率直にそう言おう。 大事に持ち帰って、考えてみようと思う。
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待ちに待った新作。読んでて感じたのが、過去の 作品にどこか似ているというか、世界観が似ているなと思ったのですが。あらためて思い出してみて、「世界の終わりとハードボイルド・ワンダーランド」に出てくる、周りが大きな壁に囲まれた街が出てくるのです。その街に住む人たちには、影が無く、時間...
待ちに待った新作。読んでて感じたのが、過去の 作品にどこか似ているというか、世界観が似ているなと思ったのですが。あらためて思い出してみて、「世界の終わりとハードボイルド・ワンダーランド」に出てくる、周りが大きな壁に囲まれた街が出てくるのです。その街に住む人たちには、影が無く、時間という概念が無く、単角獣が存在しているところです。主人公の「私」は、現実と 壁に囲まれた街(虚空の世界)を行き来して、日々、図書館で古い夢を読んで生きている。 現実の世界でも、福島の山間の町にある、町営の 図書館で館長として、働いている。働く中で、 いつも月曜日に図書館で出会う、映画の「イエローサブマリン」のヨットパーカーを着た少年。 彼との出会いが、彼にとって運命的な意味をもたらす。過去に著者が文芸誌に掲載した、作品を40年の時を経て、待望の書籍化。 この作品を見て良かったなと感じた方は、「世界の終わりとハードボイルド・ワンダーランド」も 手にとって見てください。世界観をより深く知れると思うので、ぜひ読んでみてください。
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うーむ、、、読み始めて「あれ?どっかで読んだ話だなあ」と思いつつ、それを思い出したが、第二部からは違う展開。 珍しく「あとがき」があるので、そこを読むと、この作品のできた経緯が理解できる。 村上春樹も74歳だそうだ。いつまで新作が読めるのだろうか。ある意味、この作品からもう一度読...
うーむ、、、読み始めて「あれ?どっかで読んだ話だなあ」と思いつつ、それを思い出したが、第二部からは違う展開。 珍しく「あとがき」があるので、そこを読むと、この作品のできた経緯が理解できる。 村上春樹も74歳だそうだ。いつまで新作が読めるのだろうか。ある意味、この作品からもう一度読み直したい作品であるがたくさんできた。本当に読み直すかは、微妙ですが、、、
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※このレビューにはネタバレを含みます
1部は、世界の終わりとハ-ドボイルドワンダ-ランドと同じ構成で2つの世界が交互に進むのだが、 第2部、第3部で私と影の関係性がみごとリンクしてくる。 メタファー少なめで、ストーリー展開も面白い。 アフターコロナの今、自分の立ち位置を考えさせられる。 もう一度読み直すと、またその時の状況で違う感想になる一冊。
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アフター・コロナの初海外出張のお供にと行きの機内で読み始め,出張先のホテルの,時差ぼけで眠れぬ夜のしじまにちびちびと読んだ.静かなひとりの時間を優しくあたためてくれるような時間だった. 自身が40年前に書いたストーリーを,3年の時間をかけて600ページの物語へと書き直した.その...
アフター・コロナの初海外出張のお供にと行きの機内で読み始め,出張先のホテルの,時差ぼけで眠れぬ夜のしじまにちびちびと読んだ.静かなひとりの時間を優しくあたためてくれるような時間だった. 自身が40年前に書いたストーリーを,3年の時間をかけて600ページの物語へと書き直した.その作品をたった1週間足らずの時間で読んだ.読書とはそういうものだし,著者と同じように3年かけて読むわけにはいかない(できないわけではないだろうけど). ただ3年分が込められた緻密さや精密さがことばに込められているから,1週間足らずの読書時間が3年とは言わないけれど長い時間をかけないと得られないものと引き換えになっているのだろう.ひさびさに長編を読んで,そんなことを思った. 人生は短いな.
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とても静かな物語だった。人びとは(少なくとも表面的には)落ち着き、音楽も(コーヒーショップを除いて)流れず、スリリングなことも(耳たぶを除いて)起きない。それでも密度が濃く、静かな迫力のある物語だった。
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街とその不確かな壁/村上春樹著 ネタバレすると酷いことになりそうなので、感想を。 村上春樹さんのフィクションと現実が如何に相互作用性が有るか?といういつものテーマに加え、歳を経た春樹さんがその両者に「時間軸」という新たなテーゼを持たせたことにより、新しいスタイルの意向が見られた...
街とその不確かな壁/村上春樹著 ネタバレすると酷いことになりそうなので、感想を。 村上春樹さんのフィクションと現実が如何に相互作用性が有るか?といういつものテーマに加え、歳を経た春樹さんがその両者に「時間軸」という新たなテーゼを持たせたことにより、新しいスタイルの意向が見られた。 心と意識も近年の春樹さんのテーマだし、あらゆる意味で面白く興味深い作品だった。
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