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成瀬は天下を取りにいく の商品レビュー

4.2

2071件のお客様レビュー

  1. 5つ

    785

  2. 4つ

    774

  3. 3つ

    382

  4. 2つ

    39

  5. 1つ

    5

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2023/03/20

めっちゃ滋賀で、めっちゃ膳所!ゆかりのある方はみんな読んでほしい。「西武しまったんや〜寂しいね」と口に出したことある人は絶対面白く読めるよ!

Posted byブクログ

2023/03/20

購入きっかけは作者さんのアマチュア時代の作品を読んでいいなと思ったため。『宮島ムー』というペンネームで、集英社コバルト文庫の短編コンテストで受賞した作品を読んだ。 アマチュアにしてはものすごくこなれた文章を書くなあと感心していたら、『女による女のためのR-18文学賞』も受賞して...

購入きっかけは作者さんのアマチュア時代の作品を読んでいいなと思ったため。『宮島ムー』というペンネームで、集英社コバルト文庫の短編コンテストで受賞した作品を読んだ。 アマチュアにしてはものすごくこなれた文章を書くなあと感心していたら、『女による女のためのR-18文学賞』も受賞していた。Twitterに飛んで作者さんのことをいろいろ知って、もっと違う作品も読んでみたいなーと思っていたところで本作を知って速攻でポチった。 この作者さんの強みは『飄々とした文章』だと思う。平易な言葉で紡がれた文章はとても読みやすく、漫才のかけあいのような面白い表現があって思わずクスッと笑ってしまう。作者さんが楽しんで文章を書いているのがよく伝わってきた。 登場人物たちも嫌みがなくて爽やかなのも好印象だった。メインの登場人物である『成瀬』はめちゃくちゃハイスペックでなんでもできてしまう完璧超人だけど、ただ鈍感なだけで意外と繊細な一面がある、という設定も人間味があってすごくいい。 文句なしで☆5……といいたいところだけど、ストーリーに関しては『物語の大目標』がなくてすこし退屈だった。 本作は『サザエさん』よろしくのいわゆる日常ほのぼの系で、まったりした気持ちにはなれるけど何か大きなイベントが起こるわけではない。 『成瀬は天下を取りにいく』という壮大なタイトルを掲げているのだから、もっと主人公には『試練』を与えてほしかった。というわけで☆4つ。 あとこれはどうでもいいことだけど、デビュー作にも関わらず帯で有名作家さんたちの推薦文がずらりと並んでいて少し心配になった。出版社側の「推し」は悪いことではないとおもうけど、あんまりやられると少し引いてしまう。笑

Posted byブクログ

2023/03/18

さいっこうにおもしろかった! 最初っから最後まで成瀬の魅力に惹かれっぱなし。外から見る分には信じられないくらい変わった子なんだけど、成瀬を中から見た時に普通の女の子なんだなというのがよくわかった。そんなとこも成瀬の魅力の一つ。 夏の暑い日の青春を思い出せる、過ごしてないのに懐...

さいっこうにおもしろかった! 最初っから最後まで成瀬の魅力に惹かれっぱなし。外から見る分には信じられないくらい変わった子なんだけど、成瀬を中から見た時に普通の女の子なんだなというのがよくわかった。そんなとこも成瀬の魅力の一つ。 夏の暑い日の青春を思い出せる、過ごしてないのに懐かし苦なる作品でした‼︎ 成瀬最高‼︎長生きしろよ!

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2023/03/17

小説新潮の「女による女のためのR-18文学賞」受賞作を読んで以来早く書籍にならないかなと思っていましたがようやく出版されました。 書き下ろし作もたくさん収録されていて、成瀬と彼女を取り巻く人々を心から応援したくなる作品ですごくおすすめです。青春ってキラキラしていないのが当たり前...

小説新潮の「女による女のためのR-18文学賞」受賞作を読んで以来早く書籍にならないかなと思っていましたがようやく出版されました。 書き下ろし作もたくさん収録されていて、成瀬と彼女を取り巻く人々を心から応援したくなる作品ですごくおすすめです。青春ってキラキラしていないのが当たり前なで、成瀬たちの青春も決してキラキラはしていないのに、でも楽しそうで、楽しんだ者が送った青春が最高なんだと思いました。 続きも読みたいし、成瀬が天下を取るところを是非とも見たいですねー。その時は自分も滋賀県に初上陸します。 WOWOWでドラマ化なんてされたら嬉しいな。 あと、ちょっとだけ成瀬が白河三兎の作品の田嶋春(タージ)を思い起こさせました。

Posted byブクログ

2023/03/17
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

まいった。いや、本当に心の底からまいっているのだ。 この風変わりで突拍子もない成瀬に心からまいっているのだ。こんなにも小説の登場人物のことを好きになったのは『チルドレン』の陣内以来だ。 成瀬のことを好きになりすぎて絶賛成瀬ロスなのだ。 10代の少女が出てくる小説を読むとどうしても母親目線になってしまうのだが、今回は全然全くかけらも母の目は出てこなかった。わたしは常に成瀬の同級生で、これからもずっとそばにいられると思ってしまっていたのだ。だから読み終わりたくなくてぐずぐずと最終章を先送りしていた。でも自分の中の成瀬成分が枯渇してとうとう読んでしまった、読み終わってしまった。まいった。 しばらくは、小学五年生から高校三年生までの成瀬を繰り返し摂取補給していくから、どうか大学生になり社会人になってたくさんの人の目から見た成瀬をまたわたしに与えて欲しい。 ときめき夏祭りでゼゼカラとして舞台に立つ成瀬と島崎を含めて、一年に一度合わせて欲しい。 成瀬が200歳になる時、わたしはこの世にいないだろうから、少しマキでお願いしたい。

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2023/03/15

『成瀬の一挙手一投足が尊い』 主人公・成瀬あかりの中2から高3までを描いた疾走感あふれる青春小説。子気味良いテンポで淡々と進んでいく。それでいてウケを狙っているわけではないのにクスッと笑える。このシュールさこそ本作の魅力。たまらない。 まず成瀬あかりという人物を紹介しておこう...

『成瀬の一挙手一投足が尊い』 主人公・成瀬あかりの中2から高3までを描いた疾走感あふれる青春小説。子気味良いテンポで淡々と進んでいく。それでいてウケを狙っているわけではないのにクスッと笑える。このシュールさこそ本作の魅力。たまらない。 まず成瀬あかりという人物を紹介しておこう。滋賀県大津市出身の中学2年生(のちに高校3年生まで成長)。成績優秀。物怖じしない。マイペース。中学では陸上部、高校ではかるたに傾倒。200歳まで生きることが目標(?)。M-1グランプリを目指す(??)。急に坊主頭にする(???)。クラスではちょっと浮いた存在で、悪意を込めると変わった子。だが、言葉を文字通り受け取る素直な子でもある。この尖ったキャラクターが、なぜか愛おしくてたまらないのだ。 本作は6話で構成される。1~5話までは成瀬の幼馴染・島崎みゆきをはじめ、成瀬を取り巻くキャラクターの視点から描かれる。ここで読者は成瀬という突拍子もない人物を目の当たりにする。そして満を持して最終話で初めて成瀬視点の物語が綴られるのだが、最後の最後で成瀬の人間味が垣間見られてグッとくる。なんてハートフルな作品なんだ。 1話目の「ありがとう西部大津店」は新潮社の新人文学賞・女による女のためのR-18文学賞で史上初の三冠を達成。つまり本作は著者・宮島未奈さんのデビュー作である。宮島さんは大津市在住。なお西部大津店は2020年8月に本当に閉店しており、そこから着想を得たという。著者の思い出がたっぷり詰まった作品であり、行ったことのない大津市のことも好きになってしまう。 意味がないと思われる行動に意味を持った時、人は手のひらを180度返す。本作ではそんな感動を味わえる。バカらしいことを大真面目に全力で振り切っているから面白いのだ。琵琶湖のようにキラキラした、パワーたっぷりの青春応援ストーリー。成瀬はきっと200歳まで生きるので、この物語はまだ序章にすぎない。成瀬の一挙手一投足が尊い。たぶん明日も明後日も成瀬のことを考えてしまうだろう。

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2023/03/06

 主人公の成瀬あかりが変人で、突拍子もないこと考えて、でも大真面目だし、天然で、悩みはするが、常に冷静。しかし胸に秘める熱量はすごい。とにかく応援したくなるキャラクター。笑って読んでいたんだけど、最後のほう、なんか泣けてきてしまった。お前、一生懸命生きてんだな。話は中学生から高校...

 主人公の成瀬あかりが変人で、突拍子もないこと考えて、でも大真面目だし、天然で、悩みはするが、常に冷静。しかし胸に秘める熱量はすごい。とにかく応援したくなるキャラクター。笑って読んでいたんだけど、最後のほう、なんか泣けてきてしまった。お前、一生懸命生きてんだな。話は中学生から高校生までの話で終わってるけど、成瀬は200歳まで生きるつもりらしいから、これはまだ序章に過ぎない。俺は成瀬を応援する。激推しだ。成瀬!天下を取れ!

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2023/03/04

なんだろ。淡々と進むんだけど面白かった。 成瀬のキャラが絶妙で。なんかあんまり考えずに読み進められたな。成瀬のこうと決めたらとりあえずやってみる、進んでみる。大事な精神だなと。年取ると新しいことにチャレンジするって色々と言い訳作ってやらないことを正当化しちゃうから、見習いたい。自...

なんだろ。淡々と進むんだけど面白かった。 成瀬のキャラが絶妙で。なんかあんまり考えずに読み進められたな。成瀬のこうと決めたらとりあえずやってみる、進んでみる。大事な精神だなと。年取ると新しいことにチャレンジするって色々と言い訳作ってやらないことを正当化しちゃうから、見習いたい。自分も高校生くらいまではチャレンジしてたもんな。 まぁ成し遂げる前に次に進んじゃうのは、あれだけど、、、そういう好奇心も大事か。

Posted byブクログ

2023/02/21

第20回「女による女のためのR-18文学賞」で、史上初のトリプル受賞(大賞・読者賞・友近賞)を果たした「ありがとう西武大津店」を起点とする連作長篇。不可思議な言動をする女子・成瀬あかりと、彼女の言動に振り回される(?)島崎みゆきの2人を中心に書かれている。 成瀬は頭が良すぎるがた...

第20回「女による女のためのR-18文学賞」で、史上初のトリプル受賞(大賞・読者賞・友近賞)を果たした「ありがとう西武大津店」を起点とする連作長篇。不可思議な言動をする女子・成瀬あかりと、彼女の言動に振り回される(?)島崎みゆきの2人を中心に書かれている。 成瀬は頭が良すぎるがために、その発想が凡人には理解されないように思えた。ぼくがガキの頃にも、勉強はできるのに異常な言動をするやつが1人や2人はいたような気がする。別段、ウケを狙っているわけではなく、いたってまじめなのだが、結果的に変人扱いされてしまうという……。 しかし成瀬は、他人の評価や態度など気にすることもなく、我が道を突き進む。いいなあ、このキャラ。 この文学賞からは好きな作家が多く輩出されているので注目しているのだが、また1人、追いかけたい作家が誕生した。 刊行日 2023/03/17、NetGalleyにて読了。

Posted byブクログ

2023/02/16
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

・2月14日に読みはじめ、15日に読み終えました。 ・NetGalleyで読んだ。 ・おもしろかった~! 久しぶりに""純""って感じの青春小説読んだ気がする。まぶしい。なんだかめちゃくちゃ人生を感じた。 ・客観的に見たら大きな事件だったり深刻な出来事は起こっていないのだけど、成瀬や島崎たちの感情や思考がみずみずしくて、中高生時代の心の鮮やかさとか見えてる/生きてる範囲の狭さを自分の記憶のように思い起こしてしまう。当時の自分はそんなことなかったよ、と言うんだろうけど、なんでも楽しく感じてた頃の空気がすごく濃い! ・中高生が主人公の話がほとんどで、内容も「地元デパートの閉店を見届ける」「M-1グランプリに出てみる」「高校デビューに思い悩む」といった話の中で、唯一40代の大人が主人公になっている「階段は走らない」が異質な話になっていないのがすごいなと思った。内容も小学校の頃に転校したっきり行方知れずだった同級生と30年ぶりに再会する、というかなりドラマチックな話なんだけど、いい意味ても悪い意味でも浮いていないし、それは他短編がなんでもないように見える出来事でも若さゆえのひとつひとつの出来事への感受性だったり情緒がすごく豊かに書かれてるからだし、敬太とマサルが旧友に再会したことによって若い頃と同じ気持ちになれたこともあるかもなあと思う。 ・成瀬という人。前半で成瀬の突飛さ異質さをたっぷり描写して、後半の「レッツゴーミシガン」「ときめき江州温度」で彼女もひとりの少女だと地に足をつけさせたのが良かったな。この二作品が特に好きかも。 ・他校の男の子から淡い恋心を抱かれたり、親友が東京に引っ越すと聞いて普段どおりでいられなくなったりする成瀬はかわいらしかった。今まで島崎の都合を考えずに自分勝手に振り回していたかもしれない、言ったことを最後までやり遂げずに不誠実だったかもしれない、と思い込みで悩むところなんかただの高校生だった。 ・良いなあ成瀬。どう思われるか見られるかも気にせずに耳上のツインテールで登校してた高校3年生のころ思い出した。 ・あと話の随所に地元あるあるが詰め込まれていて、すごく内輪ネタな話題もあるんだけど、全然するっと読める。丁寧に書かれてるから意味がわからんな~ってなることもないし、成瀬たちが生きている滋賀県大津市の空気が色濃く感じられて良かった。行ってみたいな。ミシガン乗りたい。 ・小説読んでて、あーおもしろかったなすごくよかったなと思うことはたくさんあるんだけど、元気をもらえたなーって感じることはほとんどない。でもこの作品からはだいぶ元気をもらえた気がした。外に出たとき、私は私の生まれた街を大事にしたいと思ったし、具体的なことは思いつかなかったけど、いろんなことやってみたいなと思った。なんだか嬉しい気持ち。いい本でした!

Posted byブクログ