新・紫式部日記 の商品レビュー

夏山かほる(著者)

2023/11/20

著者のデビュー作です。

おもしろかった。宮中で繰り広げられる恋愛や権謀術数が、まるでメロドラマを見ているよう。これこそが平安時代のおもしろさなのでしょうが、つらく苦しい思いをした人のなんと多いことか。

天皇家と藤原氏の系譜や、紫式部をめぐる人間関係など、この時代の流れをざっと把握するには良い本だと思います。最初に読む平安朝の小説としてはおすすめです。『源氏物語』が書かれていった背景もよくわかるので、『源氏物語』もちゃんと読もうと思いました。

ただもっと詳しくじっくり読みたかった部分もたくさんありますね。紫式部（藤式部）が主人公だから仕方ないのかもしれませんが、ラストの駆け足感も否めないし。ま、そこはまた別の長編などで楽しむことにいたします。