猫を処方いたします。 の商品レビュー
とある奇妙な『こころのクリニック』とそこを訪れた人たちの不思議で心温まる体験の物語です。 碁盤目状に広がる京都ならではの「上る」「下る」「東入」といった呪文のような通り名に従って進んだ先、暗くて細い路地の奥にそのクリニックのビルはある。訪れるのは、知り合いの知り合いのそのま...
とある奇妙な『こころのクリニック』とそこを訪れた人たちの不思議で心温まる体験の物語です。 碁盤目状に広がる京都ならではの「上る」「下る」「東入」といった呪文のような通り名に従って進んだ先、暗くて細い路地の奥にそのクリニックのビルはある。訪れるのは、知り合いの知り合いのそのまた知り合い、のような縁などほとんどない人から聞いたという風の噂を頼りに扉を開く人ばかり。それぞれの人が持っている悩みは様々だけれど、その謎のクリニックの医者が処方するのは、『猫』。患者たちは説明書きとともに渡された『猫』を借りていくのだが。 読後一番に思うのは、私も猫を処方されてみたい!ということでした。作者の方はよほどの猫好きだと見受けられます。なにせ、猫の描写が細かい!可愛い!触りたい! ちょっと不思議な病院で、そこにいる医者も看護師もなんとなく普通と違う。でも何より違うのは薬じゃなくて『猫』が処方されること。まるで本当の薬のように『猫』の効能があって、その『猫』がいることで何かが変わっていく。ファンタジーな展開なのに、こんなことがあり得てしまうかもしれない、と思うのは舞台が京都だからでしょうか。 最後に医者と看護師の正体もちらりとほのめかすようなところもあって、続きが読みたくなる一冊でした。続巻もあるようなので、また猫に癒されたくなったら続きに手を出そうと思います。 大抵のことは『猫』で解決する。 いや、『猫』の効能には恐れ入りました。 猫好きだけれど猫を飼えない人間には、なかなかにたまらない話です。
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タイトルに惹かれて読んでみました。 思っていたのと違い、ファンタジーなお話。 でも猫にはほんとに人を癒し、導いてくれる力があるのかもしれません。猫を飼っている人には刺さるのかも?
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猫好きの人達の気持ちが分かるような話だった 猫たちが待っている患者さんが、元の飼い主だったのは、気持ちがホッコリした 全体的に面白い小説だった
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京都が舞台の軽やかめの小説かな〜と読み始めたが、話は意外な方向へ。オムニバスの全5話には、さまざまな悩める人物、処方される猫が登場し、猫を通し問題が解決されていく。そして途中からもしかするともしかする?と気づいてくるのだが、読み進めるにつれ、「中京こころのびょういん」が何なのか、...
京都が舞台の軽やかめの小説かな〜と読み始めたが、話は意外な方向へ。オムニバスの全5話には、さまざまな悩める人物、処方される猫が登場し、猫を通し問題が解決されていく。そして途中からもしかするともしかする?と気づいてくるのだが、読み進めるにつれ、「中京こころのびょういん」が何なのか、医師や看護師が何なのか、明らかになっていく。猫3匹と京都に住む私は、ちょっと白昼夢を見たような気持ちになった。印象に残った言葉。「猫の側から言わせれば、執着しているのは人間だけです。猫にだって、小さいなりにもちゃんと自分の世界があるんです。新しい世界に足を踏み出した瞬間から、もう前を向いてる。たとえそれがどんなにつらい世界やったとしてもね。掴んだ尻尾を離せへんのは、猫が可哀想やからやない。あなたが寂しいからですよ」。
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以前、芸妓のあび野さんの元を去った猫千歳が、中京心の病院の看護師、千歳さんが化けた姿ということなのか生まれ変わり? 駄菓子屋銭天堂の紅子さんのような、 救われるべき人(縁のある人)だけがたどり着くことのできる中京こころのびょういんなんでしょうか? 正直、本の作品紹介とは違うお...
以前、芸妓のあび野さんの元を去った猫千歳が、中京心の病院の看護師、千歳さんが化けた姿ということなのか生まれ変わり? 駄菓子屋銭天堂の紅子さんのような、 救われるべき人(縁のある人)だけがたどり着くことのできる中京こころのびょういんなんでしょうか? 正直、本の作品紹介とは違うお話だと思います。 会社に愚痴はいっぱいあっても、大企業だからとステータスに執着して辞めたいのかやめたくないのか自分は本当は何がしたいのか、自分でもわからなくなっている人は多いのではないでしょうか。1話で満足して、その後はいいかなぁと思っていたけれども、最後まで読み進めました。結局、何の病院なのか、須田心先生の動物病院との関係性は何かがわからなかった。
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そうなんです。 大抵の事は猫でなんとかなります。 あのくにゃくにゃした体、 猫吸い、お腹なで、 全部なんとかなるんです。 猫好きさんにはたまらない1冊です
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執着しているのは人間だけです。 猫にだって小さいなりにもちゃんと自分の世界がある。 新しい世界に足を踏み込んだ瞬間からもう前を向いている。 猫を処方するクリニックの話かと思いきや、 色々な要素が詰まった奥深いお話でした。
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心に悩みを抱える人がたどり着く不思議なクリニック。ツンと気位の高そうな受付の看護師と、ひょうひょうとした掴みどころのなさそうな院長。 悩みを伝えると処方されるのは猫。その10日間ほどの猫の服用で癒されていく患者たち。 どえもそのクリニックのある場所はたくさんの猫が閉じ込め...
心に悩みを抱える人がたどり着く不思議なクリニック。ツンと気位の高そうな受付の看護師と、ひょうひょうとした掴みどころのなさそうな院長。 悩みを伝えると処方されるのは猫。その10日間ほどの猫の服用で癒されていく患者たち。 どえもそのクリニックのある場所はたくさんの猫が閉じ込められていた悲惨の過去があるらしく‥。 本当に必要な人だけがたどり着ける不思議なクリニック。 ただ看護師とニケ先生の設定、ニケ先生の待ち人のあたりが私にはピンとこなくてってところです。
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ネコモノは、猫だというだけでかわいいに決まっており、ゆえに作品の良し悪しをごまかされてしまう気がして買うのを躊躇していました。が、読んでがっつり心をつかまれました。猫、処方されたいです。
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5作短編集みたいでだけどストーリーは繋がっている。 医師と看護師、ニケと千歳。 猫だったんだよね…!
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