つけびの村 の商品レビュー
TBSポッドキャストのオーディオドラマで同名の番組を聴いたことがあり、手に取った本書。 私の生まれ育った村も、救急車が通れば「誰の家に行ったか」が噂になるようなところであり、本書が扱う「噂」が支配する村の様子を、実感を伴って追体験できた。
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著者の丁寧な取材と、おそらく自分と同じくらいのお子さんが居ながらの仕事ぶりや行動力に凄いなぁと思いつつ一気に読了。 金峰ほど小さくはないが、自分の地元の昔の高齢者たちも同じような噂話で毎日を暮らす雰囲気だったことを思い出しながら、どこも同じなんだな〜と感じる。
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あの事件はどうなったのだろう?と思っても、その後の報道は少なく、謎のままの事件は沢山ある。 そういう不可解な事件のその後が丁寧に調べられている。 何かが報道されるかどうかは、多分世間の興味の度合いによるのだろう。 事件の場合、私は「面白いこと」よりも「事実」が知りたい。 この本を...
あの事件はどうなったのだろう?と思っても、その後の報道は少なく、謎のままの事件は沢山ある。 そういう不可解な事件のその後が丁寧に調べられている。 何かが報道されるかどうかは、多分世間の興味の度合いによるのだろう。 事件の場合、私は「面白いこと」よりも「事実」が知りたい。 この本を読むことができてよかった。
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偉そうなこと言うようだけど、このルポが事件をどのように書こうとしたのかよく分からなかった。 いや、ちゃんと著者によって、復讐もいじめもないのだが、そうと取れるうわさによって元々あった精神障害が亢進して引き起こされた大量殺人事件だったのだと、書いてはあるのだが… 実際に10人足らず...
偉そうなこと言うようだけど、このルポが事件をどのように書こうとしたのかよく分からなかった。 いや、ちゃんと著者によって、復讐もいじめもないのだが、そうと取れるうわさによって元々あった精神障害が亢進して引き起こされた大量殺人事件だったのだと、書いてはあるのだが… 実際に10人足らずの村で生活していたらどうなるのだろう、こうなることもあるのだろう。 いつかは田舎に移住して、なんて考えたこともあるが、行ったら最後、もう戻れなくなる日常は、やっぱり諦められないな、なんてことを思った。 おそらく、上告棄却され死刑が確定してしまった犯人と、もっと何かをすることで自分の犯した罪を認識し向き合い煩悶する時間を、作ることはできたのでないかと言う、そう言うことは一言も言ってないが、著者はそうしたかったのではないのかな…
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行ったことはないが車で2時間位の場所が事件現場の集落でずっと読みたかった本。ど田舎の集落は街育ちの人間には想像もつかない現実があるのは耳にはしていたが 村八分や集落の風習だったりどこの県の所謂限界集落はこんなもんだろうだけど此処は特に香ばしい 集落の住民の言動に対する作者の&...
行ったことはないが車で2時間位の場所が事件現場の集落でずっと読みたかった本。ど田舎の集落は街育ちの人間には想像もつかない現実があるのは耳にはしていたが 村八分や集落の風習だったりどこの県の所謂限界集落はこんなもんだろうだけど此処は特に香ばしい 集落の住民の言動に対する作者の"一体何を言っているんだ"的な反応が笑える。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
すごい展開を期待しすぎちゃったかな。ある程度のコミュニティにはうわさ話とかはあるだろうし、事件は悲惨なものだけど。 村ってなんか怖いなとか村社会とかあるのかなと思ってたけど、やっぱりあるんだなと。
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祭りのこと、村の歴史など何か真相に繋がるのかと読み進めたが、結局、直接的には関係していなかった…。 妄想が事件の引き金となったという結論において、噂や悪口は実際に存在しており、それは妄想でないという点について、しっくりこないという筆者の気持ちは理解できた。
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限界集落で起きた連続殺人放火事件の闇に迫る。と言いつつ、もうひとつ犯人に迫り足りなかった感が…でも、限界集落って日本中にあると思うと、ちょっと怖い。
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噂をただの噂だと思うことと、それを被害妄想的に捉えることと。 わたしは後者だ。 職場で誰かがわたしの名を出すとピクっと反応し、ふざけて「なになに悪口~?」なんて言って同僚を困らせている。 だいたいそれは悪口ではないのだけれど、でもそうやってふざけて自分の気持ちを外に出してみるだ...
噂をただの噂だと思うことと、それを被害妄想的に捉えることと。 わたしは後者だ。 職場で誰かがわたしの名を出すとピクっと反応し、ふざけて「なになに悪口~?」なんて言って同僚を困らせている。 だいたいそれは悪口ではないのだけれど、でもそうやってふざけて自分の気持ちを外に出してみるだけで、自分もその場も和んだりする。 たぶん、「あれは悪口だ」と一人ふさぎ込んで思い込んだりすると、病む。 わずか12人が暮らす限界集落で、一夜にして5人の村人が殺害された。 「つけびして 煙り喜ぶ 田舎者」 犯人は、奇妙な貼り紙を残したまま姿を消した。 警察が犯人のボイスレコーダーを発見。 中にはこう吹き込まれていた:「うわさ話ばっかし、うわさ話ばっかし」「田舎には娯楽はないんだ、田舎には娯楽はないんだ。ただ悪口しかない」 P294「メディアやSNSからこの事件のうわさを得る我々と、『コープの寄り合い』に集まり、うわさ話を仕入れていた村人たちに、はたして何の違いがあるだろうか。私自身、この取材にのめり込んだきっかは、うわさだったのだから」 娯楽のない田舎やSNSに限らず、職場や保護者同士の繋がりだったり、人が集まるところにはいつだって噂話は存在する。興味なしとする人もいれば、そこにしか興味がない人もいる。そして、その噂話の被害に遭う人もいる。悪意のない噂話を、「悪意」のある「悪口」と捉える人だっている。そして、その人が置かれた環境によっては、精神疾患を発症したりもする。そして、もしその精神疾患を発症した状態で何かしらの事件が発生したとしたら、その事件で一番裁かれるべきは誰なのか。 以前、堀田らなさんのことを紹介した(https://www.u-gakugei.ac.jp/pickup-news/2023/03/post-1026.html)けれど、人を裁く立場にいる裁判官は、どの程度精神障害を理解しているのか。 P276「市民に身近な裁判員制度」の「市民に身近」とはどの程度のものなのか。 精神保健福祉士の試験に合格したわたしでも、精神疾患についての理解はちゃんとできているかと問われると、まっすぐに首を振ることは憚られる。それだけ複雑なことを知っているからだ。 P275「専門家でも意見の割れる“責任能力”についての判断を、彼らの意見を元に、精神医学を専門に学んできたわけではない裁判官や裁判員らが下さなければならない」 こうなってくると、人が人を裁くということは、もはや運ゲーに近い。 裁判員の中に精神障害に理解がある人がいればラッキー、なんらかの事件の被害者になったことがある人がいればラッキー、よくわからないまま裁判員になりました、という裁判員ばっかりだったらアンラッキー。 同様に、被告人に理解をしめす裁判官に当たればラッキー、理解をしめさない裁判官に当たればアンラッキー。 司法がこれでいいのか。 司法は全てに対して平等であるべきではないのか。 取材をすすめてきた、高橋ユキさんの並々ならぬ覚悟に溢れた一冊でした。 噂の元となる人など、ここに出て来る人がこの作品に触れたらどう思うだろう、と思いながら読み進めていたのだけれど、その想いはきっと著者である高橋さんが一番お持ちだっただろう。だけど、それでも出版する覚悟というものが、ぎゅっと詰まってた。 著者の取材の熱量と努力。 ここまで掘り下げるか、というほどのエネルギーに、圧倒された。 なんで、どうして、っていう探求心みたいのって、どうやって培われるんでしょうね。わたしもある方だとは思いますけど。 そして、だからこそ時々ノンフィクションに触れると、ぐいぐいのめり込んでしまう。 有給中は家で単行本を読み漁ろうと思っていたけれど、ついつい圧倒されて、没頭して読了。
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