鯨オーケストラ の商品レビュー
当然と云われても仕方ないことだけど、三部作は通して読んだほうがよい。とても綺麗な繋がり方を味わうことが出来た。鯨の骨格がひとつひとつ組まれていって、まるで目の前で完成したさまを目撃したよう。
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「流星シネマ」「屋根裏のチェリー」とちゃんとつながって、震えた。落ち着いた雰囲気がずっと流れてるんだけど、確かな物語の歩みがあってぐいぐい引き込まれて心地いい。「過去を取り戻すのではなく、今をつくっていく」、そんな未来を感じさせる結末だった。
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静かな雰囲気だけど、なぜか読み進める手が止まらない。満足感。 鯨オーケストラがもっとガッツリ出てくるのかと思いきや、想像とは違って、緩く、周りの世界が少しずつ繋がる感じが面白かった。こんなにも繋がっているのか、と驚くほどだった。 曽我さん、多々さん、太郎くん、ミユキさん、サユ...
静かな雰囲気だけど、なぜか読み進める手が止まらない。満足感。 鯨オーケストラがもっとガッツリ出てくるのかと思いきや、想像とは違って、緩く、周りの世界が少しずつ繋がる感じが面白かった。こんなにも繋がっているのか、と驚くほどだった。 曽我さん、多々さん、太郎くん、ミユキさん、サユリさん。アキヤマくん、水越さん、カナさん。 前の2冊を読んでから、この順番で読むことができて良かった。 個人的には2番目の本、屋根裏のチェリーが一番好き。
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「人と別れるのは自分で決められるけれど、誰かと出会うのは自分で決められないのよ。つくづく、そう思う。だから、人生は面白いんだって」 音楽と美術、自分はどっちにも縁がないと思ってたけど、最近少しずつ興味を持ってきたところ。 そして「人との出会い」みたいなことにも全く興味がなく、今いる大好きな人とだけ仲良くできたらそれでいいと思ってたけど、やっぱり自分の外周の円を広げるのって大事なんだろうなと思い始めたところだった。 そういう意味でこの作品はタイムリーで、だいぶのめり込んで読めたと思う。 深海魚からの鯨の描写が、まるで自分が体験しているかのように活き活きと立ち上がって見えた。 読了後に他の方の感想を見て、どうやら三部作らしいと気づいた。これは全部読まないと。
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一度行ってみたいと思わせてくれる町で、偶然か必然なのか不思議なことが重なって… 新しいことを始めてみようかな~
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多々さんの言葉で、 感動することに「戸惑いを覚える」 「だって、むやみに心を動かされたくないときだってあるでしょう?」 に、まさにそれだと思いました。 感動作と銘打つ作品に少し身構えでしまう私は捻くれているのだろうか?そんなに心を揺さぶられたいものだろうか?それはそんなに絶賛されるものだろうか?思っていましたが、まさか私の心に共鳴するような言葉がでてくるなんて思わなくて虚をつかれました。 多々さんの言葉を借りると、むやみに「感電」しなくて良いのがこの方の本で、だから毛布に包まれるような安心感で手にとってしまうのだなと得心がいきました。 ああ、だから心地いいんだな。
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2024年44冊目 吉田篤弘さん/鯨オーケストラ 「流星シネマ」「屋根裏のチェリー」からの3部作の締めくくりのお話。文庫化を待っておりました。 吉田篤弘さんの世界観は雨の日の読書にぴったりです。 #読了
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タイトルに惹かれて初めて読んだ作家さんですが、なにか優しい気持ちになりました 3部作の3作目なのか… 初めから読んでみましょうかね
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目当てのやつがなかったから何気なく手に取ったけどめちゃよかった。 雨が止むまでちょっと読もうと思ってたら気づいたらほぼ読み終わってた。 なんか全部繋がってるのかな~ 多々さんの年齢の重ね方の解釈好きだな 美術館の描写上手すぎてちゃんと想像できた。どれだけ鯨の絵がすごいのかとか。
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楽団の団長を務める中年男性の 過去との決別と再生がテーマの話であったと思いますが…… 主人公の中年の男性が高校生のころ 地元の映画館のモギリをしてた 当時、中年と思われる女性の 絵画モデルをしていてですね (その女性は映画館の看板も描いていた) 何十年か経って ...
楽団の団長を務める中年男性の 過去との決別と再生がテーマの話であったと思いますが…… 主人公の中年の男性が高校生のころ 地元の映画館のモギリをしてた 当時、中年と思われる女性の 絵画モデルをしていてですね (その女性は映画館の看板も描いていた) 何十年か経って その絵を探すクダリがあるんですけど。 個人的には 魅せられる系のストーリー性 ちょっと欠ける部分が多くて 風景や街の特徴などは脳内に浮かぶ文章なものの 琴線を大きく揺さぶるヒューマン描写は、あまりなかった印象です。 作者がデザイン会社を経営してるようですし オサレなアーティストたちの 中年になった憂い的な話なんで ほんっと人ごと感、半っぱないし ラブカの後に海洋生物つながりで手に取った本ですから ラブカと比べて どうしてもハードルが高くなってしまい。 登場人物にも あまり感情移入できなくて 良い人たちだなあと思いはするんだけども笑 感情移入できたのは 主人公の多々さんに会いたいという想いのみだった。 あ アテも会いたいわ多々さん的な笑 自称 自分で物事を決めて進めたことのない主人公が 絵画のモデルを務めたことで思い出す人物である 映画館のモギリけん画家の多々さん 主人公の子供の頃から街の映画館でモギリしてた多々さんという女性 こういう雰囲気の女性なら 過去にいたような気がするし。 多々さんの描く人物画は驚くほど正確で機密なものだったらしく 高校生の主人公が多々さんのアパートで絵のモデルをやった経緯と描写のクダリあって 何もセンセーショナルなことは起こらず 個人的には登場人物の生い立ち 取り巻く環境から別世界で とは言え 別世界で地元に残った仲間たちは下町風情で暖かく ホッコリしないこともないドラマでした。 芸大モチーフふんだんな要素ある物語で 登場人物は35歳から85歳まで(多々さんとか) なかなか高めの年齢設定だった。 苦ではない小説。 正欲とか教団Xとか私の男は苦な小説だから 苦な上にイライラも併発するし。 あくまで個人的には。 苦ではない小説だけど ふっと涙腺崩壊する場面もないし 楽団、スパイ、海獣、モチーフが ちょっとラブカと被りすぎていた印象あってですね 感受性のリアクタンスを感じたというか……… 男性と女性の性質の差異もあるのかなと。 差別ではなくて差異はどうしてもあると思うんですよ。 いくら多様性と言われても。 性質の差異はあるわけですから。 切りかえモードが自律神経のようにうまく動かない時もある。 時を変えて再チャレンジしたらハマる場合もある そういうノビシロはじゅうぶん、ある小説でした。 とってもオシャレなブックカバーに文体だったので作者の方も優しくオシャレなのだと思いました。
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