丸の内魔法少女ミラクリーナ の商品レビュー
2024.5.17読了 村田沙耶香さん初めて読んだ 常識を疑う発想がすごい。変容の最後は電車で笑ってしまうくらいにおもしろかった!
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『殺人出産』を読んで作者が書く独特の世界観に魅了されて本作も読んだがやはり一筋縄ではいかないような短編集だった。子供の頃に憧れた魔法少女の感覚を36歳になった現在でも持ち続ける『丸の内魔法少女ミラクリーナ』、小学生の頃の初恋の正体を確かめるためにその相手を監禁する『秘密の花園』...
『殺人出産』を読んで作者が書く独特の世界観に魅了されて本作も読んだがやはり一筋縄ではいかないような短編集だった。子供の頃に憧れた魔法少女の感覚を36歳になった現在でも持ち続ける『丸の内魔法少女ミラクリーナ』、小学生の頃の初恋の正体を確かめるためにその相手を監禁する『秘密の花園』、性別が禁止された学校での恋物語を描いた『無性教室』、怒りを持たないのが当たり前で「性格は流行と一緒で変わるもの」という感覚が一般的になった『変容』の四編あったが、どの作品も「何か特別な出来事や事件が起こるわけではないが、どう考えてもありふれた日常とはいえない世界観」が表現されていて面白かった。
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------------------------- 常識が崩壊する痛快さ、 やりすごしていた痛みに気づく恐怖。 やっぱり村田沙耶香はすごい!! ------------------------- チャプターズ書店の森本萌乃さんが絶賛していて、 気になっていた一冊です。 村田さん...
------------------------- 常識が崩壊する痛快さ、 やりすごしていた痛みに気づく恐怖。 やっぱり村田沙耶香はすごい!! ------------------------- チャプターズ書店の森本萌乃さんが絶賛していて、 気になっていた一冊です。 村田さんは「コンビニ人間」以来でしたが… え、なにこれ、面白い…!という驚きと喜びが。苦笑 36歳、茅ヶ崎リナは ストレスや理不尽に対して、 魔法のコンパクトでミラクリーナに変身して 日々を乗り切る「魔法少女ミラクリーナ」 小学校の頃から好きだった早川君を監禁した、 自分自身の好きを確かめ決別する「秘密の花園」 性別が禁止された学校で恋に落ちた「無性教室」 怒りを忘れてしまった若者たちに違和感を持つ「変容」 4篇の短編集ですが、 個人的に好きだったのは「魔法少女ミラクリーナ」と「無性教室」です。 ミラクリーナは思わず笑ってしまうような場面もあるけど、 自分に何か設定や役割を与えないと乗り切れない日常もわかるし、 モラハラ彼氏から親友を守ろうとした結果も、 笑えるけれど泣けるし、ちょっと元気が出ました。 総じて好きです。笑 無性教室は、最近読んだ作品のなかで 一番ドキドキしたし30代後半なのにときめきました。笑 こんなに緊張する描写あるのか、と。 本作は自分だけでは手に取らなかったと思うので、 ネットに感謝です。 村田さんの他の作品も読んでみたいと思いました。 積読が山盛りです。苦笑
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全話強烈。 丸の内魔法少女ミラクリーナ 魔法少女に憧れた経験のある疲れた社会人向け。刺さった。 秘密の花園 こわい。なんで初恋を殺す必要があるんだ…… 無性教室 性をなくすと同性愛も異性愛も気にならなくなるのかな 変容 時代に置いていかれる恐怖レベル100 視点が動いて恐怖が伝...
全話強烈。 丸の内魔法少女ミラクリーナ 魔法少女に憧れた経験のある疲れた社会人向け。刺さった。 秘密の花園 こわい。なんで初恋を殺す必要があるんだ…… 無性教室 性をなくすと同性愛も異性愛も気にならなくなるのかな 変容 時代に置いていかれる恐怖レベル100 視点が動いて恐怖が伝播するのがうまい……
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この人の小説の姿勢は常に「何度も『普通』を疑い続ける」ということなんだろう。 「『常識』を疑う」ことは、大学の初年度で教わった。小中高の、「『正解』に向かって正しい過程で『常識』を導く営み」から脱せないことには、世の中では全く生きていけない。 大人になっても、世間の『常識』『...
この人の小説の姿勢は常に「何度も『普通』を疑い続ける」ということなんだろう。 「『常識』を疑う」ことは、大学の初年度で教わった。小中高の、「『正解』に向かって正しい過程で『常識』を導く営み」から脱せないことには、世の中では全く生きていけない。 大人になっても、世間の『常識』『正解』から脱し切れていない自分への処方箋が正に、村田沙耶香なのかもしれない。解説の「この小説とならやっていける、と強く感じる。」に深く共鳴する。 個人的には『秘密の花園』が堪らなくなもむ。まみまぬんでらしてないのは、自分自身がその域まで作品を理解し切れているのか疑わしいから。
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毎回不思議な感性に驚かされる作家 性を題材にするとピカイチ 当たり前に疑問を投げかけたフィクション短編 「地球星人」を超える物語を期待したが、今作はなかったかな やはりクレイジー 琴線メモ ■今年で36歳になる私は、魔法少女を始めて27年目に突入 ■大人になるということは、正...
毎回不思議な感性に驚かされる作家 性を題材にするとピカイチ 当たり前に疑問を投げかけたフィクション短編 「地球星人」を超える物語を期待したが、今作はなかったかな やはりクレイジー 琴線メモ ■今年で36歳になる私は、魔法少女を始めて27年目に突入 ■大人になるということは、正義なんてどこにもないと気付いていくことなのかもしれない。 ■パブリック・ネクスト・スピリット・プライオリティ・ホームパーティー ■なもむ ■解き明かしたい謎にどんな専門的な名前がついているかさだかではないとき、あるいはなにかを解き明かしたいのになにを解き明かしたいのか見当もつかないとき、やみくもに伸ばした手がつかむのは小説だったりするのではないだろうか。
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ちょっと普通の感覚や当たり前からずれている人や世界の4つの短編集。 それぞれ発想が面白い!村田さん好きだなって思った。
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■無性教室 あたりまえを覆してくる話だけど、だんだんとありえなくもないというか、考えすぎる人間だからいつか本来に蓋をしたことをやりかねない怖さがあった。 性別というより生き方への差別は賛成しない。 性別に関係のない押し付けはやめるべきだけど、性別からくる特徴や持っているもの尊重す...
■無性教室 あたりまえを覆してくる話だけど、だんだんとありえなくもないというか、考えすぎる人間だからいつか本来に蓋をしたことをやりかねない怖さがあった。 性別というより生き方への差別は賛成しない。 性別に関係のない押し付けはやめるべきだけど、性別からくる特徴や持っているもの尊重すべきものにもいっぺんに蓋をしてしまうような、近頃、なんか履き違えて気づかずに「世間」に合わせてるだけの風潮が度を越してきたら‥ありえなくないかもと思わされ。 この作品の世界の常識に考えさせられました。 ■変容 主人公が、上の世代、下の世代にずれを感じているのだけど、その主人公のあたりまえが読者側からすでにずれているのが面白い。 怒りの共有というのは一瞬で絆を深める力もってるよなと改めて。職場の不満や愚痴の結束力があればなんか起こせそうな。 スタンダードモデル、作られたモデルだとしてもなんだか妙に説得力あった。個性とか自由とか尊重する風なのに、実際はなんとか世代って名前をつけて分類したがるし、人間て矛盾な生き物だわ!
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短編集でサクッと読了。一見ポップでライト、ただし、読了後にはもの恐ろしさが残る。きっとそれは、現実でもあり得るように思えてしまうから。 4作どれもが、現実と乖離しているようで、リアル感ある不思議な世界を楽しめました!
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短編集だけど、パンチが強くて刺激的。特に「無性教室」「変容」は自分や社会の暗黙の了解的な常識について考えさせられるようで、すごく面白かった。「変容」のクライマックスシーンは不思議な言葉に笑えてきたし、現実の未来も絶対にこんな風にならないとは言いきれないよなぁ、と思う。どの章の主人...
短編集だけど、パンチが強くて刺激的。特に「無性教室」「変容」は自分や社会の暗黙の了解的な常識について考えさせられるようで、すごく面白かった。「変容」のクライマックスシーンは不思議な言葉に笑えてきたし、現実の未来も絶対にこんな風にならないとは言いきれないよなぁ、と思う。どの章の主人公も少しずつ狂っているような感じで、共感できるかといったら難しいのだけど、その不気味さも楽しめました。
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