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ウクライナ戦争をどう終わらせるか の商品レビュー

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2023/03/19

始まった喧嘩を終わらせるのは困難な事だ。2022年2月電撃的に開始されたロシア側に言わせると特別軍事作戦。有識者は西側に近づくウクライナの姿勢に早くから警鐘を鳴らし早晩このような事態になる事は予想されていた。プーチンから見れば東西干渉地帯に踏み込む行為に取れるし、お互いに経済的な...

始まった喧嘩を終わらせるのは困難な事だ。2022年2月電撃的に開始されたロシア側に言わせると特別軍事作戦。有識者は西側に近づくウクライナの姿勢に早くから警鐘を鳴らし早晩このような事態になる事は予想されていた。プーチンから見れば東西干渉地帯に踏み込む行為に取れるし、お互いに経済的な利益目的の側面もあったであろう。そこに各国の立場なども複雑に絡み合い、最早いつどの様な形で収束するのか平和を望む誰もが見守っている状況だ。開始直後の対話も公には中断されているようだが早期再開は必要だ。結局、お互いの妥協点(国境線だけでなく戦後の補償含め)の模索は必ず必要になる。古代の戦争のような民族の殲滅戦があり得ない以上(核戦争になれば別)、必ずタイミングは訪れるので、状況に応じた和平案を持っておく必要がある。 本書は近年のそうした内戦含む和平交渉や戦後実務に従事した経験値を基に描かれており勉強になる。 その際の各国経済的利益に直接関与しない立場で交渉を推進させるファシリテーターの重要性の意見へも大きく頷ける。アフガン灌漑事業を例に挙げ、人道支援的な立場で貢献できる日本がまさにその役割を担えるのではと問いかける。 平和憲法のもとで戦争放棄し自国の利益の為に戦争には参加しないという日本の立場、その下で戦後奇跡的な経済発展を遂げた世界に類なき我国だからこそ、世界にその姿勢を表し担うべきという考えも大いに理解できる。 ウクライナの大反攻により状況は益々混迷を極めるが、理由なく始まる戦争は無く、終わりの来ない戦争も無い。引き続き両国並びに支援や実質的に黙認する各国の動向踏まえ、各人が自身の終わらせ方を考える必要性を強く感じた。 平和的に安全に生きる権利を誰もが持つ。地球という美しい惑星は人類全員の共通財産。世界人類の真の精神的・肉体的安全を保障するため、地球の一員である誰もが考えなければならない。

Posted byブクログ

2023/03/12

著者はアフガン支援にも携わった経験あり。提言に新しさはないが、著者の経験や過去の事例から冷静ないが議論を組み立てており納得感がある。

Posted byブクログ

2023/02/28

現在、非常に大きな問題となっているウクライナでの戦争を入口にしながら、軍事紛争に苦しんでいた状況の解決と事後の様々な事柄、そうした関係地域での日本の国際協力の経過というような幅広い話題を取上げ、ウクライナでの危険な状態を脱することを期したいとする内容で、読み応えが在る一冊になって...

現在、非常に大きな問題となっているウクライナでの戦争を入口にしながら、軍事紛争に苦しんでいた状況の解決と事後の様々な事柄、そうした関係地域での日本の国際協力の経過というような幅広い話題を取上げ、ウクライナでの危険な状態を脱することを期したいとする内容で、読み応えが在る一冊になっていると思う。 「戦争の終わらせ方?」というようなことは、辞書や百科事典に載っているようなことでもないのかもしれない。が、「戦争が終わる」というのは、「何れかの陣営が軍事的に勝利」というような第2次大戦のような状態でもなければ「交渉による和平合意」ということにしかなり得ない。ロシア側が<特定軍事行動>と称する「侵攻」に端を発するウクライナでの戦争も、とりあえずは「交渉による和平合意」を目指す他に無いのかもしれない。そういうことで、少しの間模索された停戦合意の経過、それが沙汰止みのようになった後の経過等を本書では論じている。更に、色々な事例や、幾人かの論者が取上げている論点を紹介し、「戦争犯罪」なるモノの取り扱いを巡る事柄も取上げている。こういう事柄を論じている例は余り知らず、少し参考になった。加えて「経済制裁」に関する事も広く論じられていた。 既に戦争は1年も経ち、ウクライナ各地の民間人の間では子ども達に至る迄、戦争状態が日常化してしまうような状況に陥っている。少しでも早く停戦への動きが加速して頂きたいものだ。そして戦禍で荒廃してしまった国を建直すというような動きの中、様々な国際協力の模索ということも在るであろう。そういう国際協力ということに関して、日本は存外に豊富な経験を有しているということも本書では紹介されている。 残念ながら、開戦から丸1年を経て、停戦の動きは未だ視えない感である中だが、それ故に本書には「とりあえず読むべき!」という内容が込められていると思う。出逢って善かった一冊。御薦め!

Posted byブクログ