宇宙と宇宙をつなぐ数学 IUT理論の衝撃 の商品レビュー
望月新一教授がABC予想の証明に用いたIUT理論(宇宙祭タイヒミュラー理論)について、一般向けに解説した本。初めに論文発表の経緯や数学界の一般的な話、次にabc理論についての解説、最後にIUT理論についての解説、という構成で書かれている。数学者でも難しいとされる理論であるがゆえに...
望月新一教授がABC予想の証明に用いたIUT理論(宇宙祭タイヒミュラー理論)について、一般向けに解説した本。初めに論文発表の経緯や数学界の一般的な話、次にabc理論についての解説、最後にIUT理論についての解説、という構成で書かれている。数学者でも難しいとされる理論であるがゆえに、数学的に高度な話にはあまり立ち入っていないが、望月教授がいかに斬新な理論を構築したかについては十分に伝わる内容となっている。本書の評価すべき点は、筆者が一般のレベルをよく心得ていることである。一般の人にとって何が聞き慣れない言葉で、どこまで理解が追いつけるか、ということに注意しながら書かれているため、読者が置いてけぼりになることなく最後まで読むことができる。 本書で印象に残ったこと - 望月教授の論文は、自身が編集長を務めるジャーナルに受理された。これを問題視する意見もあるが、論文の価値をよく理解してくれるジャーナルに投稿するのは当然で、ましてや普及していない新たな理論の場合は現実的な選択として必然的なことである。 - ABC予想が証明されれば、他の様々な予想も証明可能である。1985年にデイヴィット・マッサーとジョセフ・オェステルレによって提案され、注目を集めてきた。 - IUT理論は、現代数学になかった異なる舞台を用意して足し算と掛け算の関係を分離し、舞台間で対称性の群を用いた通信および計算を行い、その通信によって生ずる不定性・ひずみを定量的に評価することで不等式を導く、というものである。
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●iut理論 NHKで放送された内容が興味深かったため読んで見たくなった。望月先生の監修があるというのもよんてみたくなったポイントである。 数学の本とは思えないくらいスラスラ読める内容で、加藤先生がとても丁寧に説明されており、こういう本がわかりやすい本っていうんだなあと実感。 まずは設定から説明。そして背景、数学界について触れ、前提条件をしっかり説明した上でIUT理論の説明に入る。一つの数学の式の証明が書かれたような一冊。読んでいてワクワクだらけであった。「数学とは論理的で、直感的な学問である」衝撃であったが、とてもふに落ちた。B****
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たしかに難しいんだけど、すごく丁寧に説明してくれています。 本の内容はIUT理論に関する話。 これが現在進行形っていうのがまた面白い。 数学に興味が出たし、著者の他の本も読んでみようと思いました。 あとがきに書いてあった、「庵野監督によるIUT理論のCG化」がとても気になります。
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IUT理論の導入についてわかりやすく説明されていたと思います。理論だけではなく、数学における仕事の位置付けや論文の発表など、数学者の仕事についても触れられているところは興味深く読みました。 IUT理論の概略は理解できましたが、そこから深い世界があるということも同時に感じ取れました...
IUT理論の導入についてわかりやすく説明されていたと思います。理論だけではなく、数学における仕事の位置付けや論文の発表など、数学者の仕事についても触れられているところは興味深く読みました。 IUT理論の概略は理解できましたが、そこから深い世界があるということも同時に感じ取れました。実用されている楕円曲線暗号の話にも触れられていましたが、IUT理論もいつか応用されることや何か身近に来るような時代が来るかもしれず、それが今から楽しみにもなりました。
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IUT(宇宙際タイヒミュラー)理論の確立に至るまでの流れ、その要素となる考え方、対称性通信やIUT理論のキモが紹介されている。 普段数学に触れていない読者にもわかりやすいよう、かなりかみ砕いたり例を多用して説明されておりわかりやすい。 IUT理論の概要やそのすばらしさを中心に触れ...
IUT(宇宙際タイヒミュラー)理論の確立に至るまでの流れ、その要素となる考え方、対称性通信やIUT理論のキモが紹介されている。 普段数学に触れていない読者にもわかりやすいよう、かなりかみ砕いたり例を多用して説明されておりわかりやすい。 IUT理論の概要やそのすばらしさを中心に触れているため、これによりどのようにABC予想が証明されたのかはあまり触れられていないが、ABC予想の難しさ(たし算とかけ算が密接に絡み合っている点)とその難しさをどう解決するのか、その考え方については触れられている。
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