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過ぎる十七の春 の商品レビュー

3.8

30件のお客様レビュー

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  2. 4つ

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2024/09/05
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

美紀子さんがした事どれかひとつでも欠けてたら隆君も直樹君も助からなかったかもしれないと思うけど素直に喜べない。 子どもを入れ替えたのは大胆だけど両親気付かないもんですかね。けど目の虹彩が違う事に隆君と直樹君が気付いたってことは、気付いてたけど呪いが避けられるかもしれないと期待して気付かないふりをしていたのか。 でも親が違う事に反感を抱く余地が無いぐらいには大切にされてるなっていうのが分かる。 だから余計に美紀子さんがいないのが悲しい。 吉さんとその母親は何の為に引き離されたか分からなくなりますね。

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2024/08/30

小野不由美の初期のホラー小説。 ホラーであり、少年の成長物語であり、切ない家族の物語という感じ。 従兄弟の直樹と隆は17歳の誕生日を迎える直前だった。毎夜、庭を訪れる異端のものの気配に苛立つ隆。隆の態度の変化に恐れていた兆しをみつけて絶望する美紀子。運命の悲劇の幕が開く。

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2024/08/12

一番前列の竹のあたりで微かな音がガサ、として、そこに白い染みが現れた。 (72p) ‥‥この世のものではないものが来る。それが次第とひとのかたちを為してくる。こういう描写は流石、小野不由美。 1990年パンプキン文庫より初出。 2016年、発行所を変え大幅に加筆修正して刊行。 ...

一番前列の竹のあたりで微かな音がガサ、として、そこに白い染みが現れた。 (72p) ‥‥この世のものではないものが来る。それが次第とひとのかたちを為してくる。こういう描写は流石、小野不由美。 1990年パンプキン文庫より初出。 2016年、発行所を変え大幅に加筆修正して刊行。 2023年、更に発行所を変えて加筆修正して角川文庫より発行。 どの様に修正されたかは確認のしようがないが、 これは「正当、理不尽な呪いモン」である。 前半はテンポ良いティーンの明るい会話で構成されているだけに、後半の呪われた17歳たちの言葉や行動が、ゾワゾワして、もうこれ以上彼らを向こうに連れて行かないで、と思う。 「魔性の子」(91)の一年前の発表だった。だからか、異端のものの力も、恐ろしいけど、それほどじゃない。でも、主人公格の直樹が、本人でも充分にわかっているのに、段々と妖(あやかし)に取り込まれてゆく一人称視点での描写は、こういう呪詛、読んだことなかったので中々ぞくりとした。解説子が「ジャパニーズホラーの逸品」というのも宜なるかな。

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2024/07/22

普段あまり読まないホラー作品ですが、存分に楽しむことが出来ました。 突如として人が変わってしまった隆と、謎に迫りつつ自身も呪われそうになる直樹。 先が気になりどうなるのかと、スピード感のある読了でした。 終盤のシーンは恐怖と感情が混じって、何ともいない読み応えでした。

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2024/06/25
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主人公は三代、信じられない能力で悪霊を木っ端微塵にし、輪廻転生の循環から排除するという。諸説あります

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2024/05/17
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

得体の知れない恐怖と違和感、そして悲劇…… 分からなかったものが分かっていく爽快さがいい! あと猫の三代に何度も癒されました…!! これが30年以上前の作品と言う驚愕。 小野不由美先生のホラーの凄さが詰まっているなと思いました! 今思うと、由岐絵も入れ替わってるのをどこかで察して毎年美紀子の元へ送り出してたのかな……??

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2024/03/11
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

「悪霊」シリーズから小野さんの作品に触れたので、登場人物の誰もが救われないような終わり方をしたことにモヤモヤするな、と感じました。 事件の原因になった彼女が浮かばれていませんよね。 そのへんも含めて、最後までどうなるかわからない、不気味な作品でした。

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2024/01/29

小野不由美の十二国記が名作なのはわかったから、とりあえずホラーを読んでくれ…。彼女の真骨頂はホラーだ! 小野不由美先生のホラーはジャンルでいうと心霊ホラーとミステリーのかけあわせ感がある。 怪異にも怪異なりの理屈があるというもので怪異がなぜ起こるのかの突き詰め方は完全にミステリー...

小野不由美の十二国記が名作なのはわかったから、とりあえずホラーを読んでくれ…。彼女の真骨頂はホラーだ! 小野不由美先生のホラーはジャンルでいうと心霊ホラーとミステリーのかけあわせ感がある。 怪異にも怪異なりの理屈があるというもので怪異がなぜ起こるのかの突き詰め方は完全にミステリー小説。 だからひたすらになんかやばいものが出てきてうわー!って感じではなくて、めちゃくちゃ好み。おもしろい。 情景描写の綺麗さと空間に恐怖を湛えさせるのがすっげーうまい。 小野不由美、小説がうますぎる(あまりにも不敬)。 表紙がぱっと見ホラーものに見えなくて切ない青春物っぽく見えるがちゃんとホラーなので…

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2023/12/28
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

小野不由美は物語の入りの、雰囲気の作り方が上手だと思っているけど、そこに遊び心を加えてくることもあって、ただ惚れ惚れとしちゃう。 まずプロローグが誰かの言葉で3行。 短いプロローグはあるけど、1ページ分ほどはあったりするのが一般的。 3行に込められた切迫した気持ちで始まった後の第一章1ページ目、なんて悠長なんだろう。 状況描写に使われる色。 言葉の選び方の美しさもだし、プロローグと本文が始まるその雰囲気の差の醸し出し方に脱帽するよ。 ↓ネタバレ 直樹と典子の和気藹々とした伯母の家へ向かう様子が、なんだか『屍鬼』の始まりのような雰囲気を感じて、兄妹と姉弟で違いはあるけど、かおり姉弟思い出して、「これから何が起こるんだろう⁈小野不由美さん、どんな話にするんだろう!」とワクワク。 30ページ過ぎまでそうやってほのぼのとした雰囲気で書かれるけど、そのままほのぼの日常を読むだけでも苦じゃないわ。 まるでトトロの世界を目にしているかのようで、それはそれは平和な本で楽しいと思う。 そんな中で忍び寄る怪異。 外側から外側から蝕み始める得体の知れない恐怖。 隆の異変に奮闘する直樹の様子というのは、先にも書いたけれど『屍鬼』におけるかおりを彷彿とさせる。 呪いなのか、お化けなのか、何か得体の知れないものがじわじわと、気付いている人だけは気付いているのに、関係ない人には支障ない様子というのは、屍鬼の正体が知れるまでの様子とも似ている。 屍鬼には物体としての実態があって、この本では物体のない“呪い”であったけれど。 純然たるホラーであって、ただホラーなだけではない余韻を感じる物語は、小野不由美のホラー。 『屍鬼』と似たテイストを求めている方にもお勧めしたいと思いました。

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2023/12/04

主人公たちに降りかかって来る災厄から逃れる方法があるのか?災厄の根源を探り当てことが出来るのか?徐々に解き明かされていく。ジワジワと恐さが増していく。そんなホラー、ミステリーです。 母の姉の美紀子と従兄弟の隆の家に遊びに来た、兄の直樹と妹の典子。伯母たちが住む場所はまるで桃源郷...

主人公たちに降りかかって来る災厄から逃れる方法があるのか?災厄の根源を探り当てことが出来るのか?徐々に解き明かされていく。ジワジワと恐さが増していく。そんなホラー、ミステリーです。 母の姉の美紀子と従兄弟の隆の家に遊びに来た、兄の直樹と妹の典子。伯母たちが住む場所はまるで桃源郷。花々が咲き誇り、綺麗で直樹と典子が感動してしまうほど。私も読んでてそんな場所見てみたいと思ってしまう。でも私はあまりにも綺麗過ぎて、逆に何か不吉さを感じてしまった。何か悪い事が起こるだろうと。読み進めてくと、はじめは明るい感じなのに、やっぱりだんだんと不穏な空気が流れてくる。家中でピリピリしてた時に事件が起こる。あとは悪い方向にまっしぐら。何かとは言えないけど、"悪い気配"を感じるっていうのは恐いな。実体が近づいてくるのは目に見えるからまだいいと思うけど、"気配"というのは正体が分からない、見えないから不安と恐怖しかないな。この"悪い気配"に隆と直樹は呑まれてしまうのか…。 キーワードは"17歳"。母親たちの旧姓は菅田。菅田家の長男が"17歳"になる時に起こる謎。この"17歳"の謎を解いていくのが読んでて面白かったな。正直、前半の直樹と典子のやり取りがどうにも嫌だったんだけど、後半にこの謎解きが面白くて気になって気になってしょうがなかった。後半から面白くなった感じ。美紀子の息子への想いが切ない。1人で秘密を抱えて暮らしてたのは辛いな。 私は、隆の飼い猫の三代が好き。直樹と隆の守り神。老猫なんだけど、2人を守る姿は勇ましい。

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