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踏切の幽霊 の商品レビュー

3.8

266件のお客様レビュー

  1. 5つ

    50

  2. 4つ

    103

  3. 3つ

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2024/01/18

女性誌の記者である松田法夫は、幽霊が出るという噂の踏切を取材します。 そこから幽霊になった女性の正体を取材しました。 こう書くとありふれたストーリーに思えるかもしれませんね。 被害者の正体を突き止めたのに敢えて年齢も名前も記載しない選択をした本書の書き方、初めてかもしれません。...

女性誌の記者である松田法夫は、幽霊が出るという噂の踏切を取材します。 そこから幽霊になった女性の正体を取材しました。 こう書くとありふれたストーリーに思えるかもしれませんね。 被害者の正体を突き止めたのに敢えて年齢も名前も記載しない選択をした本書の書き方、初めてかもしれません。 そこに高野さんの優しさを感じました。 高野さんのお母様は高野さんが幼い頃、幽霊話をたくさん読み聞かせてくれたそうです。読み聞かせをされたということは、大体小学校低学年くらいだと思うのですが、その頃のお子さんに幽霊話…ユーモアのある方だったんだろうなと微笑ましくあとがきを読みました。

Posted byブクログ

2024/01/14

怪異な幽霊譚を期待して読んだが、そちらの方向性ではなく現代を生きた薄幸な女性の人生をたどる小説だった。読了後に多くの疑問点が残ったが、謎を回収する性質の小説ではなかったということにしておきたい。

Posted byブクログ

2024/01/11

最愛の妻を亡くしてから 腑が抜けたようになった元新聞記者の松田。 女性週刊誌の取材記者となったがやる気は出ず、週刊誌との契約期間も残り二ヶ月を切った。 そんな中、読者から送られてきた1枚の心霊写真から「心霊ネタ」を任された松田。踏切に写る若い女性の幽霊。またその踏切では謎の非常...

最愛の妻を亡くしてから 腑が抜けたようになった元新聞記者の松田。 女性週刊誌の取材記者となったがやる気は出ず、週刊誌との契約期間も残り二ヶ月を切った。 そんな中、読者から送られてきた1枚の心霊写真から「心霊ネタ」を任された松田。踏切に写る若い女性の幽霊。またその踏切では謎の非常停止が相次いでいた。 心霊写真の取材を続けていると、写真の撮られた踏切近くで若い女性がヤクザに殺された事件にたどり着いた。 新聞記者時代に懇意にしていた刑事から見せられた被害者の写真。そこに写っていた女性の顔は、心霊写真の女性と同じ顔だった……。 殺人事件の被害女性の身元は不明のまま起訴されたことから、松田は 心霊ネタを追いながら 殺された女性は誰なのかを調べ始める。 夜中の1時3分 松田の部屋の電話が鳴る 電話の向こうから聞こえる女性の呻き声…。 怖ーーーっ! 踏切近くで女性が殺害された時刻 1時3分…。 怖ーーーーっ!! 生前の女性に関わった人物の周りで次々と起こる不可解な事故。 殺人事件の真相と 世間を賑わせてる政治家の汚職事件との関係。 タイムリミットは二ヶ月。 死んだ女性は誰なのか?殺人事件の黒幕は誰なのか?2つの事件を追いながら だんだんと記者としての自分を取り戻していく松田がいい感じ。 そして、女性の過去がなんとも辛く 3号踏切に現れる理由もまた切ないものだった ( ߹ㅁ߹) 踏切の幽霊さん、安らかに成仏できますように。 ジェノサイドどうなった……笑

Posted byブクログ

2024/01/10

冒頭、夜間の箱根発新宿行きの路線、下北沢踏切で運転手が踏切上に人影を感じ急ブレーキで止まるが何もなかった。 元新聞記者で今は女性週刊誌の記者の松田は目下「心霊特集」に向けネタを収集中。そこで下北沢三号踏切手前で若い女性が刺されて命尽きた事故につきあたる。現場の踏切を取材すると何...

冒頭、夜間の箱根発新宿行きの路線、下北沢踏切で運転手が踏切上に人影を感じ急ブレーキで止まるが何もなかった。 元新聞記者で今は女性週刊誌の記者の松田は目下「心霊特集」に向けネタを収集中。そこで下北沢三号踏切手前で若い女性が刺されて命尽きた事故につきあたる。現場の踏切を取材すると何やら背中にぞくぞくするものを感じる。さらに自宅で夜の1時3分になると無言の電話が鳴り、聞こえてくるのは喘ぎ声。 題名にもあるように幽霊譚。松田が探り出したのはその命尽きた女性の悲しい物語。死んだ幼馴染の魂が妊婦に現れる「K・Nの悲劇」と似ている。こちらはその殺された女性の幽霊、という形をとり女性や松田の人生をも描いている。 今回も一体とうなる?というどきどき感で一気に読む。ただ、幽霊となった女性の過去がちょっといたたまれない。 箱根に通じている路線というのがみそで、読み終わると冒頭の運転の描写が生きてきた。 2022.12.10第1刷 図書館

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2024/01/06

ページをめくる手が止まらず、久々に一気読みしてしまった! ややステレオタイプ的な昭和感のようなものを感じつつも、だからこそ情景が浮かびやすく、登場人物の声が聞こえてくるよう。 じっとりした怖さがまとわりつきながらも、ほろりとなってしまう切なさ、既に亡くなっているどうしようもなさ...

ページをめくる手が止まらず、久々に一気読みしてしまった! ややステレオタイプ的な昭和感のようなものを感じつつも、だからこそ情景が浮かびやすく、登場人物の声が聞こえてくるよう。 じっとりした怖さがまとわりつきながらも、ほろりとなってしまう切なさ、既に亡くなっているどうしようもなさ。。 ミステリーとしても面白く、1人の女性の人生を辿る物語としても読み応え抜群でした。

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2024/01/06
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

踏切とは、現代に残った最後の境界だ。 『ジェノサイド』で一線を画した高野センセーの久しぶりの新作。確か『ジェノサイド』のあとがきでサスペンスのハラハラさを研究した、と書いてあったんだけど、相変わらず読者コントロールが上手い。ページをめくる手が止まらなかった…。 後半まで幽霊の実在がずっと曖昧で、ある意味それが物語の導線になっているんだけど、ここらへんが明らかになってからの展開が早くて良いね。主人公の妻が、霊になってもずっと傍にいてくれていたという救い。死してなお、無念が報われるという期待。彼岸の存在が、此岸の私たちを支えることだってあるというお話でした。 終盤で気付いたけど、なるほど、踏切とはこの世(此岸)とあの世(彼岸)を区切る境界だったのだな。彼岸の恨みを買った人間は、あの世から手を伸ばされ境界にて死を迎える(電車に轢かれる)。 井戸や川なんかが消え去った現代において、電車が通った瞬間に幻視する大切な誰かの影は、もしかしたら実際にある彼岸の風景…なのかもしれない。

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2024/01/05

大切な人を失った者同士が心を通わせる人情話でほろりとするなーと思いました。ただ昭和のアンダーグラウンドの風情や壮年期の悲哀みたいな雰囲気に今更感があってあまり心惹かれなかった。

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2024/01/04

踏切で撮影された女性の霊。殺害され、身元も不明、呻き声の電話もかかってくるのでオカルトの方向に進んでいくのかと思いきや、記者の松田が取材していくと、絡んでいた組織だったり、出生の秘密などが明らかになってくるミステリー部分も。もう10年以上前に出された前作「ジェノサイド」がすごかっ...

踏切で撮影された女性の霊。殺害され、身元も不明、呻き声の電話もかかってくるのでオカルトの方向に進んでいくのかと思いきや、記者の松田が取材していくと、絡んでいた組織だったり、出生の秘密などが明らかになってくるミステリー部分も。もう10年以上前に出された前作「ジェノサイド」がすごかったので、明らかになればなるほど少し物足りなかったし、ラストシーンもえっ終わり?と肩透かしをくらった。

Posted byブクログ

2024/01/04
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

もっと単純にホラーな話かと思っていたら、しっから骨太なミステリーでした。 ホラー要素ももちろんあるけれど、それ以上に幽霊になって訴えかけている女性の生い立ちや最期に感情移入してしまい、せめて真相の解明をと願わずにはいられない。そこに向けて走り回る主人公を心から応援してしまいました。 オチがいまいちとか伏線回収がーなどの感想も見かけましたが、私はこの終わり方が現実感があってベストだったんじゃないかなと思います。 ホラーに特化しすぎてファンタジー感が強くなるのは違うし、全て丸く収まって誰も痛みなく大団円っていうのも違うと思うし。 とてもリアリティがある終わり方だったからこそ、どこかの踏切で本当にあった事のように感じられるのがすごかったなと。 主人公が亡き奥様の声をしっかり受け止めて、少しでも満たされて前向きに過ごして欲しいなと思いました。

Posted byブクログ

2024/01/03

歳とともに怪談に畏れを抱かなくなっていたけれど、読み始めと同時にざわざわ感を覚えて引き込まれてました。

Posted byブクログ