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性暴力サバイバーが出産するとき の商品レビュー

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2023/03/30

評者/髙田英弦(医療記者) 医療・福祉職は専門知識や技能のみならず向学心や推察力も豊かでないと務まらない。個々の患者や相談者らの状態・背景が異なる中、迅速かつ慎重に最適な手だてを講じなければならないからだ。 だが誰しも過ちを犯す。慣れや疲れが不注意・不手際を招いたり職能の更新不...

評者/髙田英弦(医療記者) 医療・福祉職は専門知識や技能のみならず向学心や推察力も豊かでないと務まらない。個々の患者や相談者らの状態・背景が異なる中、迅速かつ慎重に最適な手だてを講じなければならないからだ。 だが誰しも過ちを犯す。慣れや疲れが不注意・不手際を招いたり職能の更新不全がクライアントの心身を傷つけてしまったりする。 本書の主題をレアケースと思うなかれ。男女間における暴力に関する調査報告書(令和2年度調査/内閣府男女共同参画局)によると、女性の約14人に1人は「無理やりに性交等をされた被害経験」があり、うち約6割は誰にも相談していない。あらかじめ性暴力被害の有無を問うなど考えられないから、いかなる妊産婦にも不快・不安を感じさせないという気概と適正な理解・対応が求められる。 無理難題に挑むわけではない。3パートから成る本書が提示する要点と方法を順々に会得すれば、既存職能と相まって十分な臨床・対人援助力を培えるに違いない。 子ども時分に性的虐待を被った妊産婦の不安・困惑への対応例を多数収載。性的虐待被害の長期的影響(パート1)、出産時の対人関係特性や意思疎通の在り方(同2)、内診の進め方(同3)など微に入り細をうがつ章節が並ぶ。

Posted byブクログ