太陽の子 日本がアフリカに置き去りにした秘密 の商品レビュー
アフリカに何年も閉じ込められたらそりゃそういうことは起きるよなと、そしてその後日本に帰ってからの行動ってのも必ずしも責められないと感じる。 BBCってまともな組織なんだなと、最後は気持ちよく終わったのが良かった。
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一気に読めた。 海外特派員記者が、どのように仕事をするのかわかったことが1番面白かった。 アフリカは、物理的にも気持ち的にもとても遠い。知らなさすぎて、関心も持てない時間を過ごしてきたが、もっとアフリカについての本を読んでみようと思う。
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アフリカだけでなく、世界中で同じことが起きているのではないか。日本人が知らない振りをしているだけで。
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70年代コンゴでの日本企業による鉱山開発に伴って赴任した日本人男性と現地女性との間の子どもが何人も毒殺された疑惑がある。そう伝える国際ニュースチャンネル「フランス24」による配信記事に疑問を感じた著者は自ら取材に乗り出す。 いろいろな人に当たって粘り強く取材を続ける姿勢、その中...
70年代コンゴでの日本企業による鉱山開発に伴って赴任した日本人男性と現地女性との間の子どもが何人も毒殺された疑惑がある。そう伝える国際ニュースチャンネル「フランス24」による配信記事に疑問を感じた著者は自ら取材に乗り出す。 いろいろな人に当たって粘り強く取材を続ける姿勢、その中で生まれてくる信頼関係、そして個々の人生にスポットを当てて浮かび上がらせる文章。福島の原発事故の作品でも感じられた著者の力量がここでも発揮されていて、読んでいて胸を打たれた。
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その多大な労力と情熱と、人としての正しさを追い求める姿勢に対して☆5にしました。 内容は、私がこれまで全く知らなかった事実。衝撃を受けると同時に、人の性、日本という資源を持たない国の過去と、今後の在り方等々、様々なことを考えさせられました。
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面白いと言っては失礼かも知れないが、ものすごく引き付けられた。 戦後、日本を敗戦の泥沼から引き上げたのは朝鮮戦争による特需とそれを支えた石炭産業だった。鉄道輸送や重工業に欠かせない石炭の緊急増産対策が実施され、国内における石炭生産の増大がこの国を工業先進国へと押し上げる。しかし...
面白いと言っては失礼かも知れないが、ものすごく引き付けられた。 戦後、日本を敗戦の泥沼から引き上げたのは朝鮮戦争による特需とそれを支えた石炭産業だった。鉄道輸送や重工業に欠かせない石炭の緊急増産対策が実施され、国内における石炭生産の増大がこの国を工業先進国へと押し上げる。しかし、その石炭は1960年代に入ると採掘コストの上昇などにより、エネルギーの主役を徐々に国内では生産できない石油に譲り渡していく。 国家がエネルギーの軸足を石炭から石油へと移したことにより、東北や九州などの地方では炭鉱の閉山が相次ぎ、無数の労働者が巷にあふれた。その生活の糧を失った労働者たちの送り先の一つとなったのが、資源国コンゴ(旧ザイール)。そして「日本鉱業」はムソシ鉱山を開発した。 しかしニクソンショックによる多額の為替差損、独裁者として悪名高いモブツ大統領による無謀な経済政策による経済破綻によって、鉱山経営に必要な物質や従業員の生活必需品が手に入りにくくなり、更には1975年の隣国アンゴラの内戦よる産出する銅鉱石の輸送性悪化、1978年の内戦、世界の銅価格の急速な下落等があり、ついに1979年撤退をすることになる。 それは単に"歴史"となるはずだったに違いない。 ところが2016年、著者のツイッターに「1970年代コンゴでの日本企業の鉱山開発に伴い1000人以上の日本人男性が現地に赴任し、そこで生まれた日本人の子どもを、日本人医師と看護師が毒殺したとの報道をしたことはあるか」との投稿がされた。 この本は、そのツイートの真相を調べた内容だ。 現地には、明らかに肌の色が違う人がおり、しかも日本人のような名前を持つ。中には当時のことを語る人や父親との写真を持つ人さえいる。 娯楽のない場所での気晴らしは、何処も同じかも知れない。しかも相手は未成年が多そうだ。 調べる中、現地に駐在していた日本人労働者とコンゴ人女性との間に生まれた50〜200人の子どもたちが置き去りにされたとみられることがわかった。 そして彼らは今も貧困と紛争の中で父親からの連絡を待ち続けている。大半がすでに40歳を超え、家族との対面は父親の年齢的にもタイムリシットに達しようとしている。 子どもたちは、決してお金をあてにしている訳ではない。 「父親に会いたい」という願いは人の子であれば誰もが持つ普遍的な愛なのだ。 それにしても現地妻が出来て、子どもが出来たとしても、その子どもを殺すことなんてあるのか? フランス24やBBCのレポートが発端だと言うことだが、同じコンゴ人の報告を鵜呑みにしているだけで、事実確認はされていないようだ。逆に著者は、現地に住む人と協力して直接聞き取りを行っていき、真実に迫る。 日本鉱業でも、事実確認をしてくれたそうだが、現地妻や子どもが出来たことを話す人は居なかったと言う(しかし同時現地に赴任していた人の聞き取りでは、いたとの証言がある)。ただ人道的な見地で、サポートしていきたいとも言う。 貧しいアフリカの民を相手に行ったことは、恐らく事実だろう。派遣された労働者の中には家族がいた人もいるようだ。そして一様に置き土産を残し、帰国後はフェードアウトして、なかったものとしてしまう。 この国は元来、「過去」を振り返ることを好まない。「過去」が現在、そして未来へと絶え間なく継続しているために、それを検証することも、総括することもできず、結果、何度も同じ過ちを繰り返してしまう と言う言葉が共感を呼んだ。 そして恐ろしい経験を積んできた、現地に住むシスター佐藤が語る言葉、「私は決して強い人間ではないが、人々と共に生きることに夢中だった。大切なのは何かをすることではなく、人々と共に歩むこと」「人を殺したい人なんて本当はどこにもいないの。自分が殺されるのが怖くて、人は人を殺すのよ。だからね、まずはご飯を食べさせることなのね。それは生きることと同義だから。私はあなたを殺めたりしない、そう気づかせることが、何より大事なことなのね」 深いメッセージだ。
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資源のない日本が目指したアフリカのコンゴ。結果として現地に置き去られた日本人の父と現地の女性の間に生まれた子供たち。丹念な取材と記者としての矜恃が生んだ懇親のルポルタージュ。日本版闇の奥。 海外メディアが報道した日本人医師が混血児を殺処分していたという記事。衝撃を受けた一記者は...
資源のない日本が目指したアフリカのコンゴ。結果として現地に置き去られた日本人の父と現地の女性の間に生まれた子供たち。丹念な取材と記者としての矜恃が生んだ懇親のルポルタージュ。日本版闇の奥。 海外メディアが報道した日本人医師が混血児を殺処分していたという記事。衝撃を受けた一記者は旧ザイール、現コンゴに飛び取材を開始する。 日本の負の部分を明かす作品の場合、得てして必要以上に日本政府や大企業を捏造してでも悪者に仕立て上げるヒステリックな一面が見受けられるが、本書の視点は至って公平。筆者の強い信念が感じられ作品に厚みと信ぴょう性を増している。 筆者が取材の過程で協力を仰いだコンゴに長く暮らす二人の日本人の生き様にも感動。
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日本はアフリカに置き去りにした秘密。 太陽の光のタイトルにある。今後に置き去りにされた子供たちの物語。 日本工業が今後に巨大な銅鉱山を建設し、数百名の日本人が派遣され、悪戦苦闘の生活を強いられ、その結果、全部を金剛政府に譲り渡して撤退した歴史的な事実の中に、たくさんの日本人の子供...
日本はアフリカに置き去りにした秘密。 太陽の光のタイトルにある。今後に置き去りにされた子供たちの物語。 日本工業が今後に巨大な銅鉱山を建設し、数百名の日本人が派遣され、悪戦苦闘の生活を強いられ、その結果、全部を金剛政府に譲り渡して撤退した歴史的な事実の中に、たくさんの日本人の子供たちが置き去りにされた事実に驚かされた。 中でも、フランス、イギリスの報道機関により、そこで生まれた日本人の子供を、日本人医師と看護師が特撮したことを報道されていることにはさらに驚いた。様々な人々が独立間もない混乱を極める、コンゴ、民主共和国、ザイール、で銅鉱山の運営をする中で、様々な困難に直面しながら、苦闘を続けた。その一端を理解することができた。 満州国、フィリピン、の残留孤児にほとんど似ていると言う指摘、銅鉱山から原発作業員に転ずる多くの労働者集団、これが日本の縮図なのかもしれない。作者の綿密な主題と真摯な取り組み、また現地でこの問題に取り組む日本人の方々の活動に感銘を受けた。
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色々取材すごいなあ。日本の私大の教授って人には腹立つなあ。日本人のお父さん、1人ぐらい名乗り出ても良いのになあ。
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まずは、日本の礎を築く中で、この本に出会わなければ知ることがなかった、現実を知ることが出来て良かった。 真実を明らかにすることが本当にいい事なのか?読み進めながら考えさせられた。自分なりの結論は出せないままだ。ただ言える事は、この本の内容を忘れないことが、大切だろうということ、そ...
まずは、日本の礎を築く中で、この本に出会わなければ知ることがなかった、現実を知ることが出来て良かった。 真実を明らかにすることが本当にいい事なのか?読み進めながら考えさせられた。自分なりの結論は出せないままだ。ただ言える事は、この本の内容を忘れないことが、大切だろうということ、それと、この本を誰かに紹介したいと思う一冊だということ。
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