死にがいを求めて生きているの の商品レビュー
朝井リョウの小説は現代を生きる人の内面をうつしだしてていつも共感するがこの本もしかり読んでいて痛いところをつかれたような気持ちになった。 雄介は友達想いの人物かと最初思ったが、南水との比較の様子から、何かの役割目的がないと生きていけない、注目をあびたくてしかたない様子がなんだかさ...
朝井リョウの小説は現代を生きる人の内面をうつしだしてていつも共感するがこの本もしかり読んでいて痛いところをつかれたような気持ちになった。 雄介は友達想いの人物かと最初思ったが、南水との比較の様子から、何かの役割目的がないと生きていけない、注目をあびたくてしかたない様子がなんだかさみしくなった。 目的と手段が逆転している。生きがいを探している。何してるの?は何かしていなきゃいけないってことでしょ。というようなストレートな言葉がささった。 正反対な南水と雄介の関係性が一冊を通して分かり、どのフェーズでも雄介は変わらない存在で、南水は山海の対立説に縛られて生きているのは、生きるってなんだろう、生きがいと死にがいについて考えさせられた。
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「生きがい」(または「死にがい」)をテーマとした朝井リョウらしい作品。他人と比較することでしか生きがいを感じることのできないというSNSが普及した現代を風刺している感もある。小説として客観的に見ているとその滑稽さが良く分かるが、現実ではSNSを駆使して無意識に他人よりも優れている...
「生きがい」(または「死にがい」)をテーマとした朝井リョウらしい作品。他人と比較することでしか生きがいを感じることのできないというSNSが普及した現代を風刺している感もある。小説として客観的に見ているとその滑稽さが良く分かるが、現実ではSNSを駆使して無意識に他人よりも優れているところを探していることに気づきゾッとすることがある。日常で感じるなんとも言えない感情を巧みに言葉にする力に関して朝井リョウは抜きん出ていると思う。
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んーーー、朝井リョウ好きだから、一生懸命読んでみた。 息子たちがザ・平成世代なので、組体操とか成績順位張り出し案件等々、あー、たしかに平成だー、、、おーそうだったそうだったと懐かしい思いを巡らせたけれど、北大の学生運動や過激な思想には、なんだかいつまでも違和感が残り、 巻末の...
んーーー、朝井リョウ好きだから、一生懸命読んでみた。 息子たちがザ・平成世代なので、組体操とか成績順位張り出し案件等々、あー、たしかに平成だー、、、おーそうだったそうだったと懐かしい思いを巡らせたけれど、北大の学生運動や過激な思想には、なんだかいつまでも違和感が残り、 巻末の特別付録に、 「社会とのつながりの糸がなかったら、他者を傷つける行為に走らなかったと自信を持って言えない」とあり、、、えーーー、、、、、、、、、という感想を持ちました。
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朝井作品を読んだのは「何者」に次いで2作目ですが、衝撃に打ちのめされて毎回言葉が見つかりません。え?!うそ?!ああ!!と、感嘆詞しか出てこない自分の語彙力と表現力のなさがツラいです。 はじめは変わったタイトルだな~位の気持ちで読み始めましたが、最後にすとんと胸に落ちました。 で...
朝井作品を読んだのは「何者」に次いで2作目ですが、衝撃に打ちのめされて毎回言葉が見つかりません。え?!うそ?!ああ!!と、感嘆詞しか出てこない自分の語彙力と表現力のなさがツラいです。 はじめは変わったタイトルだな~位の気持ちで読み始めましたが、最後にすとんと胸に落ちました。 でも、もどかしさや諦めや抗いたいわずかな希望が自分の中に残っていて、まだ複雑な気持ちです。 この複雑さが病みつきになりそう…。
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感想 平成が抱えていた光と闇。大きな進歩もあったが裏では病理が蔓延していた。変化は人を振り落とす。彼らはどこをさまようのか。今はどこにいるのか。
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