死にがいを求めて生きているの の商品レビュー
螺旋プロジェクト、2冊目。他の人が作った枠で書くってどんなかなーーって思ったけど朝井リョウ全開って感じ。最初はちょっと長いというか、章ごとに視点が変わっていくのに対して、この人の話どうなる?ってなった頃に終わってまた知らない人の話が始まるので乗って来てはブレーキみたいな、、、ち読...
螺旋プロジェクト、2冊目。他の人が作った枠で書くってどんなかなーーって思ったけど朝井リョウ全開って感じ。最初はちょっと長いというか、章ごとに視点が変わっていくのに対して、この人の話どうなる?ってなった頃に終わってまた知らない人の話が始まるので乗って来てはブレーキみたいな、、、ち読むのめんどくさくなりかけたんだけど半分すぎくらいから、出てきた新しい人さっきの人と〇〇で関係ある人じゃん!ってなって徐々に読みやすくなった感じ。とはいえちょっと長いかな、、、、もうちょい纏めた方が読みやすかったな、、、でもラスト一章はとても良かったです。あーーーそっちかーーってなる感じ、、、ただ螺旋プロジェクトとしては、山族海族対立の設定は伊坂幸太郎先生のが上手く使えてたかな、、?やっぱ発案者だもんな、、、正直その設定なくてもよかったなーってなっちゃう部分もあった。でもトータルとても満足です。
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植物状態のまま眠る青年と見守る友人。二人の間に横たわる?歪な真実?とは? 平成に生まれた若者たちが背負った、自滅と祈りの物語。〈解説〉清田隆之
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
朝井さんの作品、本当にヤバすぎる。 生きていてみんなが一度は通るだろう自分の生きている意味を問う瞬間。それを深く考えてしまうタイミングが思春期である。しかし、正直その間に答えが出るか出ないかは人によるだろう。 そこまでは、よかった。 この話は、そこで終わらない。 その答えを出して、それに向けて走り出している人たち、走り出せなかった人たちに向けた(すなわち全人類)君は死にがいを求めて生きているのでは?と強烈な倫理的問いかけを深く長くされる作品である。 結局、生きる意味とは。対立する意味とは。生きがいとは。生きがいを見つけることが生きるということなのか。しかし生きがいだけを目的として生きることは幼い考え方なのか。 この作品の答えは、人はどうしても一人として同じ人はいないから対立も起きるだろう。しかし、それを原因として誰かを傷つけたりしてはいけないというものだった。つまり、対立を消そうと立ち向かい、誰かを傷つけるのが幼い考えであり、対立は起きてしまうものだから上手いことやっていくしかない。そうやって世界は回っている。 ということであるとこの作品は述べているのではないかと思った。 考えさせられる作品で、物語がどんどん進むので大作であるが読み切ることができた。
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コテンラジオの構造主義(レヴィ=ストロース)回を聴いていたところ、なんとなく本作と重ねて理解できるところがあったのでめも。 ・二項対立は本質的でなく、グラデーションをある一定の箇所で切り分けただけ ・ある対象の定義は文化圏によって異なりがあり、対象そのものを指し示す言葉は存在しな...
コテンラジオの構造主義(レヴィ=ストロース)回を聴いていたところ、なんとなく本作と重ねて理解できるところがあったのでめも。 ・二項対立は本質的でなく、グラデーションをある一定の箇所で切り分けただけ ・ある対象の定義は文化圏によって異なりがあり、対象そのものを指し示す言葉は存在しない(極論)
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生きがいを求めて生きている、いま何をやっているのか説明できる人でないと、生きていてはいけないのか、こう思って焦る気持ちがよくわかる
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何ものにもなれない自分、嘘でも自分の存在が特別な者であると認めてもらいたい自分。 そんな登場人物に同情や嫌悪感、そして共感も覚える。 でも認めてもらった先には自分の事を自分は認める事は出来るのかな。 安心が欲しい、生きている意味が欲しい、死ぬ時に自分の人生はこれで良かったのだと思...
何ものにもなれない自分、嘘でも自分の存在が特別な者であると認めてもらいたい自分。 そんな登場人物に同情や嫌悪感、そして共感も覚える。 でも認めてもらった先には自分の事を自分は認める事は出来るのかな。 安心が欲しい、生きている意味が欲しい、死ぬ時に自分の人生はこれで良かったのだと思いたい、どれなんだろ。 認めてもらうってどういう事なんだろう。
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これは『螺旋プロジェクト』という競作企画の作品の平成バージョンだということを抜きにしては語れないと思います。 朝井さんの著者インタビューによると、平成では『螺旋プロジェクトで課された「対立」が個人間でも、国を挙げての「対立」も時代を象徴するものが、どちらもなかなか思い浮かばな...
これは『螺旋プロジェクト』という競作企画の作品の平成バージョンだということを抜きにしては語れないと思います。 朝井さんの著者インタビューによると、平成では『螺旋プロジェクトで課された「対立」が個人間でも、国を挙げての「対立」も時代を象徴するものが、どちらもなかなか思い浮かばなかった。あるとき、平成はもしかしたら「対立」を排除してきた時代なのかと思ったそうです。 国が豊かになり、ナンバーワンより、オンリーワンという空気のもと、わかりやすい「対立」はなくなった。でも不思議と生きやすくなったわけではない。このあたりのアンバランス感が気になってきたそうです。 そして、インフラが整っていない国の人たちからすると「何が生きづらいの?」ということになると思うんです。だけどなぜか、人は「生きている」というだけでは満足できない…云々と続きます。 それでタイトルに『死にがいを求めて生きているの』という言葉がでてきますが、この物語の青年たちが求めているのは「生きがい」です。 『螺旋プロジェクト』で対立している海族と山族ですが、山族と思われる堀北雄介は海族と思われる植物状態にある南水智也の看病に通っています。 どうしてそういうことになったのかが、この作品の内容ですが、私がこういう作品を読み慣れていないせいか、読んでいて面白いというより非常につらかったです。 彼らは北海道大学の学生でしたが、しきりに「生きがい」を探していました。 雄介が「生きがい」について語るシーンが443Pにあるのですが(長いので端折りますが)、 一つ目は生きがいがあって、それが社会貢献につながる人。 二つ目は生きがいがあるけれどそれが社会に向いてない人。 三つ目は生きがいがない人。 に分けています。 私は自分が二つ目に属すると思います。 でも「生きがい」がまるでなかったら生きるのはつらいと想像しますが、一つ目の社会貢献につながるほどの「生きがい」がなくても程ほどで生きていけるんじゃないかな。そんな風に「生きがい」「生きがい」って毎日探すより、毎日の方が「生きがい」の中のどこかに存在していると考えられないかなと思いました。
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朝井リョウさんの人の心情の書き方が本当にリアルだと思う。自分の知っている感情が沢山ある。それが本当に好きです 人は誰しも生きがいに縋り付いてないと生きていけないほど弱いし、対象の背景を見てしまうのも他者を排除していく人間の自己肯定感の作りなんだと思う 現代には限らず今までも今も...
朝井リョウさんの人の心情の書き方が本当にリアルだと思う。自分の知っている感情が沢山ある。それが本当に好きです 人は誰しも生きがいに縋り付いてないと生きていけないほど弱いし、対象の背景を見てしまうのも他者を排除していく人間の自己肯定感の作りなんだと思う 現代には限らず今までも今もこれからも雄介のように死にがいや対立を求める沢山いると思うし、自分もそういう面はあると思った
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螺旋プロジェクトということで手に取った本。 うーん、とにかく疲れる。 雄介と関わる人間が、自分自身のイタイ部分にに気づいてしまった葛藤を描いた短編集みたいな感じで、とにかくモヤモヤした気分になり、最後に伏線があってスッキリ終われるわけでもない。 あまり好きになれない作品でした。
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始まったぜ、私の螺旋プロジェクト。 一作目は「死にがいを求めて生きているの」 朝井リョウは地元が同じ岐阜のもあって本当に本が好き。めちゃくちゃ面白い。語彙力なくなるほどに。 朝井リョウのすごいところは、色んなものを撒き散らして回収してるのに最後の答えは読者に委ねるところだ。...
始まったぜ、私の螺旋プロジェクト。 一作目は「死にがいを求めて生きているの」 朝井リョウは地元が同じ岐阜のもあって本当に本が好き。めちゃくちゃ面白い。語彙力なくなるほどに。 朝井リョウのすごいところは、色んなものを撒き散らして回収してるのに最後の答えは読者に委ねるところだ。 そしてぐちゃぐちゃにされる、私の中の持論と概念。 人間は一つの言葉を、自分が最も納得がいく答えで覚える。それはポジティブな捉え方でもネガティブな捉え方でも。 その結果、私はそうは思わないが溢れて誰とも一緒になれない時もあれば、わかるわかる!と二つ返事の時もある。 朝井リョウはその凝り固まった言葉や概念をもう一回はてなに変えてくれる人だ。 検索エンジンに打ち込んで出てきた諸説にまた新しい可能性をくれる。 その感じが心地よく私の心の目を広くさせてくれる。 伊阪幸太郎さんが発案の螺旋プロジェクト。 朝井リョウを加えたのは絶対正解。 二極化する民族とその血を受け継いでいく現代の人間たちは余りにも答えをたくさん含んでいる。 だからこそ朝井リョウのような第三の辞書になってくれる作家さんがいるこのプロジェクト、本好きなら絶対に面白い。 (直訳:オススメですのでぜひ…)
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