首取物語 の商品レビュー
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
西條さんの和風ファンタジーを読むのは久しぶり。 記憶を無くした少年・トサと首だけ(生首)の武士・オビト、二人の旅物語。 二人の旅路は摩訶不思議なことばかり。夢か現か幻か。二人が行く先々で出逢う者たちもまたこの世の者とは思えない不思議な空気をまとった者たちばかりで、読んでいてわくわくした。 特に『波鳥の国』『碧青の国』が切なくて好き。 旅の始まりは口喧嘩ばかりで何かと衝突していた二人だったけれど、旅が進むにつれ、心の距離も徐々に縮まり波長も合ってきて信頼度も増してくる。 トサの悪ガキからの成長ぶりが好ましい。ナンダカンダ言ってもオビトを慕っているのがよく分かる。 やがて二人の因果も解き放たれ、新たな旅が再開。 それは独楽のように終わりのない不変のものなのか、それとも新天地へ突破できるものなのか。 いずれにしても二人の旅路が、今後こそ楽しいものになることを願う。 けれど…なぜこのタイトルなんだろう? 内容にあまり合ってないような。。個人的に最後まで違和感を拭えず。。
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時に閉じ込められた少年と、首だけの存在となりながらも生きている男が主人公。2人は共に過去の記憶を失っており、名前すら思い出すことができない。自らは動くこともできない首男を抱えて、少年は諸国を巡る旅に出る。彼らが巡るのは7つの国で、それぞれに貴重な体験をする。そして最後に訪れた場所...
時に閉じ込められた少年と、首だけの存在となりながらも生きている男が主人公。2人は共に過去の記憶を失っており、名前すら思い出すことができない。自らは動くこともできない首男を抱えて、少年は諸国を巡る旅に出る。彼らが巡るのは7つの国で、それぞれに貴重な体験をする。そして最後に訪れた場所ですべての記憶を取り戻したとき、彼らはなにを願うのだろうか。 時代小説+幻想譚ですこぶる面白かった。
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ダメでした。 時代は日本の中世あたり。主人公の一人は天蓋孤独な野生児・トサ。もう一人は何故か首だけの姿で生きている元は武士のオビト。二人とも過去の記憶を無くしている。一人では何も出来ないオビトを抱え、トサが旅する不思議な国々。なかなか面白いシチュエーションのファンタジーなのですが...
ダメでした。 時代は日本の中世あたり。主人公の一人は天蓋孤独な野生児・トサ。もう一人は何故か首だけの姿で生きている元は武士のオビト。二人とも過去の記憶を無くしている。一人では何も出来ないオビトを抱え、トサが旅する不思議な国々。なかなか面白いシチュエーションのファンタジーなのですが、何故か情景がうまく像を結ばず。ページの上を目が流れ始め、いくつもの言葉を見逃して後戻りする。 それでも前半の数編は楽しめたのですが、最後の編は頭がついて行けないまま読了。 『千年鬼』といい、どうも西條さんのこの手のファンタジーとは相性が悪いようです。 好きな人には堪らない作品のような気もしますが。
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