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首取物語 の商品レビュー

3.8

23件のお客様レビュー

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2022/11/03

トサとオビトの過去の記憶を取り戻すための不思議な旅、人との出会いで少しずつ少しずつ前進していく 善と悪は表裏一体、立場が違えばひっくり返る…トサとオビトどちらの立場でも悲しくつらい そして消去とはなんと恐ろしい… 波賀理の国での結末、手放しのハッピーエンドではなくともふたりには救...

トサとオビトの過去の記憶を取り戻すための不思議な旅、人との出会いで少しずつ少しずつ前進していく 善と悪は表裏一体、立場が違えばひっくり返る…トサとオビトどちらの立場でも悲しくつらい そして消去とはなんと恐ろしい… 波賀理の国での結末、手放しのハッピーエンドではなくともふたりには救いになっていると信じたい

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2022/10/30

記憶を無くした少年・トサと侍だったという首だけ男・オビト。 失われた記憶を取り戻すために二人の旅が始まる。 旅を続けることで、少しずつ二人の過去が解き明かされていく。立場によって、何が正義で、何が悪なのか、正解はないのだろう。余韻を持たせたラストが読者にそれを考えさせるのかもし...

記憶を無くした少年・トサと侍だったという首だけ男・オビト。 失われた記憶を取り戻すために二人の旅が始まる。 旅を続けることで、少しずつ二人の過去が解き明かされていく。立場によって、何が正義で、何が悪なのか、正解はないのだろう。余韻を持たせたラストが読者にそれを考えさせるのかもしれない。

Posted byブクログ

2022/10/30
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

自我を保つために、人は自分に都合の良い物語を作り出す。 でもそれでは本当の救いにはならない。相手を赦すことによって、始めて己も赦されることになる。 「波賀理の国」の掟は、理屈ではわかる。善悪は表裏一体。でも、世間にはそこに理など無いような理不尽な暴力が溢れている。それをも赦さねば救われないのだろうか? どうやら私は波賀理の国に閉じ込められそうだ。 オオオオオンンンン——。

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2022/10/29

西條奈加さんの一番最近出版された作品。実は徳間書店の月刊小説誌「読楽」に連載されていたもので,それがkindle unlimited対象になっていたので,連載中にほとんど読んでいた。しかし,第1話の掲載誌のみ,有料でも手に入らずにそこだけ読めていなかった。ようやく通しで読めてよか...

西條奈加さんの一番最近出版された作品。実は徳間書店の月刊小説誌「読楽」に連載されていたもので,それがkindle unlimited対象になっていたので,連載中にほとんど読んでいた。しかし,第1話の掲載誌のみ,有料でも手に入らずにそこだけ読めていなかった。ようやく通しで読めてよかった。 ストーリーは和風ファンタジーテイストだがやや重めで若干難解なテーマである。 ちょっと不思議な世界に迷い込んでしまったらしき少年と,物言う首のおっさんが偶然出会うことから話が始まる。ふたりとも何故かそこに至るまでの過去の記憶がない。名前もわからないので,おっさんの方がオビトと名乗ることにして,少年をトサと名付けた。オビトは武士だったということだけ覚えている。トサは首だけのオビトをさほど気味悪がるわけでもなく何となく旅の道連れとなる。途中行き交った法師に「御首(おんくび)様」と崇められる。法師に奈良に行けばなにか情報が得られるかもと言われ奈良に向かうことになる。御首様信仰のようなものがあるらしく,物言う生首でも特に怪しまれることなく2人でちょっと不思議な国々を巡って奈良へ向かう。果たしてオビトはなぜ御首様になったのか。オビトとトサの因縁とは? というお話。結末がなんとも分かりにくいが,オビトとトサに徐々に心のつながりが生まれてくる感じがなんとも良い。

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2022/10/26

時代物のファンタジー。 少年と生首の旅。キノの旅を彷彿とさせる。が、2人のかかわり合いが判明したらガラッと趣が変わった。そして旅は続く…?

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2022/10/25
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

過去を忘れた少年トサと同じく忘れた生首オビトが出会って旅をする。不思議な森を抜けると迷い込む変わった国々。抜け出す度に知恵もつき2人の絆も深まっていく。自分たちの失われた記憶を求める旅は正義と不正義、愛と憎悪、そして赦しを量る旅となる。 舞台も主人公もテーマもみんな良かった。

Posted byブクログ

2022/10/23

喋る首と少年。共に記憶のないふたりは旅を始める。 ファンタジーとも昔話とも、なんとも言えない雰囲気。 連作ごとに登場する国がなんとも風情がある。 挿絵がよかったなあ。

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2022/10/18
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

【収録作品】第1話 独楽の国/第2話 波鳥の国/第3話 碧青の国/第4話 雪意の国/第5話 消去の国/第6話 和茅国/第7話 波賀理の国 生首の「オビト」と、十二、三歳の「トサ」が旅するのは不思議な国。記憶を失っている二人が共に旅するということは、因縁があるわけで。訪れる先は不思議な地で、「オビト」は「御首さま」として受け入れられることもある。二人は記憶を取り戻し、「波賀理」に乗る。 真実は一つではない。出来事は一つだが、視点を何処に置くかで見え方は変わる。第7話はすっきりとは終わらない。振り出しに戻ったのだとしたら… 切ない。 イラストの雰囲気がぴったり。

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2022/10/15

そうだよ!いつのまにか「時代小説の西條さん」だけど、出会いは「金春屋」。ファンタジー。垣根さんや真保さんもそうだが、「成功した作家は時代小説に走る」んだと。「鳥も人も変わりない。自分が生きる為に弱者を排除しようとする」中山サンに続き「虐げられてきた者たちがさらに弱い者を責め苛む」...

そうだよ!いつのまにか「時代小説の西條さん」だけど、出会いは「金春屋」。ファンタジー。垣根さんや真保さんもそうだが、「成功した作家は時代小説に走る」んだと。「鳥も人も変わりない。自分が生きる為に弱者を排除しようとする」中山サンに続き「虐げられてきた者たちがさらに弱い者を責め苛む」物語。「人の善悪とは所詮、頼りなきもの。立場によって、ころころと色が変わる。同じ人間ですら歳や身の上しだいで考えが変ずる」永遠のテーマ。でもこれファンタジー?リアルすぎる。

Posted byブクログ

2022/10/14

少年トサと喋る生首オビトが七つの幻想国を旅する物語。何故二人は出逢い、過去の記憶がないまま旅を続けるのか。布石の打ち方が巧妙で全ては波賀理の国で明かされる。柔らかな挿画が素敵でした。

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