イオカステの揺籃 の商品レビュー

遠田潤子(著者)

2024/08/31

重かったけど、一気に読み進められた。
どんなに疎まれても、いくつになっても親に愛されたいという思いがら抜け出せない切なさや、愛されてこなかったゆえに、愛情表現がうまくできなかったり、異常になってしまう悲しさ…
色んな立場の人の思いが交差して、複雑になる。
家族というものを考えさせられた。

2024/08/15

ある意味病んだ親達に育てられ、歪んだ価値観を植え付けられ、人格形成が偏った子どもが、その後どういう人生となるかが嫌と言うほど描かれてる。

恭子には途中でリタイアせずに（でもそうすることで絶対的な良妻賢母像を残すことになるのを見込んだのかもしれないが）どこまでも息子夫婦の赤ちゃんを狙って追いかけて欲しかった。怖っ！とホラーを感じたかった。
あっけない去り方に、遠田潤子、いつもの凄さは？とちょっと拍子抜けした。

子どもを育てるとは。フラットなものの見方ができるよう、自分で考えて行動できるよう育てるのは、普通なようで、親の影響も多大に受けたりして、なかなか難しいもんなんだと思い知らされる。

2024/08/06

08月-03。3.5点。
建築家とキャリアウーマンの夫婦、妊娠がわかる。建築家の母はバラの栽培に打ち込み、息子夫婦のこどもに執着し。。。

一気読みした。この作家らしい展開が続く。毒親の母親はどう産まれたのか、スピード感あり面白かった。

2024/05/13

こんなに繰り返し言われ続けたら、影響されるわ。呪いやな。影響されないように、と思うほどズブズブとはまっていきそう。あぁ、息が詰まる。

2024/05/02

ただただ登場人物が狂気。女性は家庭によって壊れていくんだけど、男性はそれでも鈍くて女性に理想を求めてる（マザコンでもあり）状態のほうが怖い。

2024/04/24

美しく非の打ち所のない母からの息子への異常な愛情と執着。娘が憎くてたまらない母の嫉妬。誰もかれもが負をまとった歪な感情でとても息苦しくなる。皆が「母」という存在に支配されそして無償の愛を求めている。子供を愛せない母親というのも一定数存在するのだろうけどすべての子供はやはり親を求めてしまう。無償の愛というのは親から子ではなく、子が親を思う気持ちのことなんだろうな。それにしてもバラ夫人の旦那さん、最後の方はアップデートとやらをしたようだけど、どうも最初の印象が悪すぎて最後まで「ふんっ」という気持ちだった。

2023/12/08

遠田作品はとにかく主人公が不幸を背負いすぎてるのがウリ？なんだけど、本作はそうでもないかなーっと読み始めたら甘かった。。
最初は美沙のお腹の子供に執着し過ぎる恭子、不倫相手に捨てられてストーカーする誠一、夫婦でヤバイしこわーって思ってたけど、もっともっとヤバかったのは恭子の母親だった。。
恭子の母親の言動・行動がもう、、異常すぎて、、読んでて気持ち悪くてまじで吐きそうだった。。
そりゃあんな母親とずっと一緒にいたらおかしくなるよな。。
恭子の母親はなんであんな人間になってしまったんだろう、恭子の父親もなんであんな人と結婚したんだろう、そこはもう少し掘り下げて欲しかったな。
最後まで読んで、美沙も子供をかわいいと思えないし、玲子も呪いにかかりそうだし、救いが無いから読後感も悪いしモヤモヤしてとても疲れた。。
私の中では遠田潤子がイヤミスの女王だわ。

2023/11/25

ちょっとどころではない程外れてる
そう言う育てられ方をしたから・・・
そう言う親だったから・・・
それにしても、どうなん
みんな」ちょっとづつズレてる
そんなもんなん？？

2023/10/27

相変わらず登場人物にとにかく辛い目に合わせるのが好きなお方です。すいすい読めますが結局どこにも身の置き所の無いうそ寒さが漂っていて、そこがとてもいいです。女性は特に読んでゾッとするのでは。

2023/09/15

ドロドロとした世界観だ。ホラーでもミステリでもなく、ただどこか壊れた人々の日常を描いているだけなのにゾッとしたし、ズブズブと泥濘の中に沈み込んでいくのを感じた。今でこそ毒親や虐待がクローズアップされているが、それ以前はどうだったのか。不幸は連鎖する。それこそ呪いのように。読後感は爽やかの対極に位置しているが、文章などが上手く癖になりそうだ。