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アンゲラ・メルケル演説選集 の商品レビュー

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2024/07/07

何気なく図書館で借りた本だったけど、読んだらめちゃくちゃ感動してすぐに購入した。 ドイツ初の女性首相、かつ初の東ドイツ出身者として16年間政権を維持したアンゲラ・メルケル氏のスピーチ3本をまとめた本。 メルケル氏のイメージは「国内で反発の声が増えてきた中でも多くの難民受け入れ...

何気なく図書館で借りた本だったけど、読んだらめちゃくちゃ感動してすぐに購入した。 ドイツ初の女性首相、かつ初の東ドイツ出身者として16年間政権を維持したアンゲラ・メルケル氏のスピーチ3本をまとめた本。 メルケル氏のイメージは「国内で反発の声が増えてきた中でも多くの難民受け入れを行い、その必要性を説いた、スキーが好きなおばちゃん」くらいだったけど、解説や役者あとがきでその来歴や政治的な実態が分かりやすく説明されていて、ますます興味が湧いてきた。 ひとつめの「わたしの国とはつまり何なのか」は2021年にハレで行われたドイツ統一記念日(31周年)の講演のもので、ドイツ再統一までの人々の努力を讃え、フェイクニュースなどで怒りや憎しみが煽られていることへの危機感を訴え、また、個人としては東ドイツ出身者として受けた偏見などにも触れて、スピーチ全編に引き込まれた。 ふたつめの「私たちはできる!」は難民受け入れについて、最後の「私の国の国是」は2008年の“イスラエル建国60年“式典に呼ばれたドイツ首相としてのもの。 とくに「私の国の国是」については、現在のイスラエルによるガザでのジェノサイドを思うともやもやが募るけど、「ショアーの記憶」を十字架として背負うドイツの現在のジレンマの理解の一助となった。 これらの講演の内容や、メルケル氏の政治的実績などを未来である現在から振り返ってみれば、決して良いことばかりではなかったけれど、私は彼女が好きになってしまったかもしれない。

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2022/12/03

私たち両国の関係は本当に特別な類なき関係です。過去に対する永続的な責任、共通の価値観、相互の信頼、相互の強い連帯感、そして未来への確信を同じくする関係です。とイスラエルにて語っていた。

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2022/11/11

"ドイツがドイツ史における道徳的大惨事に対する永続的な責任を認めること によってしか、これからの未来を人間的に形作ることはできません。言い換えるならば、 人間性は過去に対する責任からはぐくまれていくのです。" (2018.3.18 Die Staatsräso...

"ドイツがドイツ史における道徳的大惨事に対する永続的な責任を認めること によってしか、これからの未来を人間的に形作ることはできません。言い換えるならば、 人間性は過去に対する責任からはぐくまれていくのです。" (2018.3.18 Die Staatsräson meines Landes) "出逢いに臆病にならず、お互いに興味を持ち、自分のことについて語り合い、 違いを認めてください。 これが31 年間にわたるドイツ統一からの教えです。" (2021.10.3 Was also ist mein Land?)

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2022/11/02

私の国とはつまり何なのか?「私の仕事とは?」とか「私自身とは?」というように切り口を換えて、折に触れ自分のなかに問いをたてて考えていこうと思いました

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2024/08/17

表紙の顔がいい。 この瞳が見つめているものが何となくわかったような気がした。ドイツ統一を経験し、その意味と変わったものと変わらなかったもの、そしてEUとしてヨーロッパ統一の先に見つめるもの、難民受け入れの理由。 グローバルという概念は、土着島国日本人には、腹の底からの理解は難しい...

表紙の顔がいい。 この瞳が見つめているものが何となくわかったような気がした。ドイツ統一を経験し、その意味と変わったものと変わらなかったもの、そしてEUとしてヨーロッパ統一の先に見つめるもの、難民受け入れの理由。 グローバルという概念は、土着島国日本人には、腹の底からの理解は難しいのかもしれない。教育を国ごとにやっている間は、人類に戦争はなくならないと誰かが言っていたけれど、一足飛びにそこまでは行けるわけもなく、でも希望は捨てない。 ・民主主義とはそこにただ存在しているのではなく、私たちは日々繰り返し、ともに民主主義のために努力しなければならない。 ・言葉の攻撃というものはあっという間に物理的な暴力へと行きついてしまう。 ・多様性と相違こそが生きた自由の形の現れ ・思いは言葉に、言葉は行動に移さねばならない。 それでも、自分の属する共同体のことだけを考えるリーダーが跋扈する時代、本当に戦争を起こすリーダーまで出現する時代、人間に未来はあるのだろうか。

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