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魔女だったかもしれないわたし の商品レビュー

4.3

39件のお客様レビュー

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2023/06/30

私自身が翻訳児童図書が苦手なせいか、自閉的な人の行動やそれを取り巻く人などの動きに違和感を感じてしまうので読むのが大変だった。でも、人と違うだけで魔女扱いされか殺されてしまった人に感情移入するのは分かるなと思った。

Posted byブクログ

2023/07/09
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

昔、人と違うだけで処刑された人たちがいた。 その事実を知ったアデライン(アディ)は、処刑された人たちの慰霊碑をたてることを村の委員会に提案するも否決される。そんなアディも、自閉的で、ニューロティピカルの人たちとは違う子供だった。アディや同じく自閉的な姉、キーディはクラス内で孤立し、いじめも受けていたが、アディはいじめが何か分からず、相手の言っていることは正しい、大人は全て正しいことを言っていると思い込み、自分を覆い隠して生きていた。 そんなある日、アディの親友のジェンナをアディから奪ったエミリーが、アディの大切にしていた類語辞典をビリビリに破り、「知恵おくれ」と書いた紙を挟んだ。その理由は、エミリーが本を読むことが苦手で、絵本をクレオに注文していたところを、読書好きなアディに見られてしまったこと。類語辞典を見たアディは頭が真っ白になり、エミリーに飛びかかる。 ネタバレが行き過ぎたので、ここまで。 読むのが苦痛のはずなのに、読む手は止まらなかった。アディもキーディもニナも、それぞれ苦しみを抱えて生きている。ニューロティピカルの人と違うのは、かっこいいのかは分からないけれど絶対に恥ずべきことじゃない。マーフィ先生はなんであんなになってしまったのだろう。 ニナが最後、アディとハグしていたのが嬉しかった。キーディとアディが仲良しだったから、入りにくかったのかもしれない。あのニナがマーフィ先生からアディを庇って叫んでくれたことに感動した。最後はとてもいい終わりだったけれど、現実世界ではどうなのだろうか。

Posted byブクログ

2023/06/24

2023年読書感想文コンクール 高学年の部 「人と違う」だけで処刑された人がいた。自閉をもったアディは、魔女裁判の歴史を知り、慰霊碑を作ろうとします。 「人と違う」ってなんだろう、と考えることができるお話でした。定型発達の子どもたちがこれを読んでなにを思うのか?前半は割と読む...

2023年読書感想文コンクール 高学年の部 「人と違う」だけで処刑された人がいた。自閉をもったアディは、魔女裁判の歴史を知り、慰霊碑を作ろうとします。 「人と違う」ってなんだろう、と考えることができるお話でした。定型発達の子どもたちがこれを読んでなにを思うのか?前半は割と読むのがきついけど、ぜひ最後まで読んで、障害への理解、多様性への考え方を深めてほしいなと感じた。 動画配信する姉が登場するなど、現代的な要素もあったのがよかった。 ただちょっと、あまりにも無理解な先生が登場するので、フィクションだとわかっていてもちょっと心配になる。

Posted byブクログ

2023/05/29

途中つらくて少し読むのを止めたくらい、気持ちを持っていかれる物語だった。 この本が、このような子どもたち、大人たちの声が、社会に、定型発達な人々に届いて欲しい。

Posted byブクログ

2023/05/29

あなたは、他の人と違うというだけで、魔女だと言われて湖に沈められたり火炙りにされたり吊るし首にされたら、そんなことが昔行われていたと聞いたらあなたは、どう感じる?どう考える? そんな酷い事が行われていたと驚くだろうか、それとも自分には全く関係がないと考える事をやめてしまうだろうか...

あなたは、他の人と違うというだけで、魔女だと言われて湖に沈められたり火炙りにされたり吊るし首にされたら、そんなことが昔行われていたと聞いたらあなたは、どう感じる?どう考える? そんな酷い事が行われていたと驚くだろうか、それとも自分には全く関係がないと考える事をやめてしまうだろうか。 この本の主人公アンディは、歴史の授業で、自分の暮らすエジンバラのジュニパーで、そういう事があったと聞いて怒りが込み上げ、まざまざとその光景を想像してしまう。魔女にされたくなければ、人目につかないようにしなければならない。それはアンディが普段からやっている事だ。アンディは自閉的だ。人によって異なるが、アンディは人の表情が読めない。大きい音が苦手、字が上手には書けない、感受性が強いなどだ。つまり普通の人とは違う。だから、彼女が出来ることさえも彼女は出来ないと誤解もする人がいる。 アンディは、魔女として不当に殺された人たちは自分と似ていると感じる。そして慰霊碑を立てたいと、村の委員会には提案する。 提案は却下されるが、ロンドンからの転校生のオードリーにも協力してもらって、何度でも申請をする。 アンディの周りの様々人たちが描かれる。アンディの最大の理解者で同じ自閉的な姉キディやキディと双子だが普通のニナ、そして忙しいが理解のある父と母。担任のマーフィー先生や村の委員のマッキントッシュさんのような理解のない人たち、マーフィー先生やクラスメイトのエミリーに至っては、自分のイライラをアンディにぶつけているようだ。エミリーと仲良くしているかつての親友でクラスメイトのジェンナ。その一方で、理解のある図書室のアリソン先生や村の委員会で助けてくれた森の中の大きな家の住人のミリアムさん、率直なら物言いでどんどん親しくなっていくクラスメイトのオードリー。 他者への理解と尊敬、自分を曝け出す是非、姉妹の愛情と嫉妬、友情、いい事と正しい事は一致しないのか、地元愛など、多くの事を考えさせられる一冊だ。登場人物も多く、テーマも多いので感想文を書くなら何度も読むべき。 私自身は普通だろう。だから本質ではアンディの事を理解出来ないかもしれない。でも、クラスメイトのジェンナやエミリーのつるむ感じやその他のクラスメイトの傍観者の感じ、マーフィー先生の意地悪さは、観てきたことで知っている。 そして、今回感じたのは、暗い過去とか、嫌なことは正しくても皆んな目を背けてしまうということ。ダメなことに目を背けることで、マイナス評価を貰うのを避けているのではないか。この今の世界でもゴロゴロと存在するやり方ではないだろうか。

Posted byブクログ

2023/05/29

読書感想文コンクール課題図書 高学年の部 https://www.dokusyokansoubun.jp/books.html スコットランドのジュニパー村に暮らすアディには自閉的特性がある。一度気になったことが頭から離れない、他の人に合わせられない、字を綺麗に書くことや勉強も...

読書感想文コンクール課題図書 高学年の部 https://www.dokusyokansoubun.jp/books.html スコットランドのジュニパー村に暮らすアディには自閉的特性がある。一度気になったことが頭から離れない、他の人に合わせられない、字を綺麗に書くことや勉強も苦手なところがある。 家族は、両親と、双子の姉キーディとニナ。キーディも自閉的で、アディが通っている中学高校時代はかなり苦労したようだ。今では自閉的特性のことは伏せて大学に通っている。 もうひとりの姉のニナには自閉はない。それが却ってこの小さな村で、自閉の姉妹とともに暮らす生活に退屈に感じていた。今は大学には行かずにYou Tube動画の投稿をしている。 アディの通う高校でも、彼女に理解を示すクラスメイトや教職員がいる反面、キーディのこともアディのことも「面倒事を起こすやっかいな生徒」と扱う人達もいる。 アディは自分の自閉的特性を語る。周りに合わせられない共感性が弱いと思われることがある。だがそれは共感性が弱いからではない、むしろとても強いのだ。 アディは、村の歴史の授業で「かつて魔女として処刑された女性たちがいる」ことを知り、彼女たちのことが頭から離れなくなる。  魔女として亡くなった人たちの想いは誰が受け止めるの?私も人から違うと言われている。この時代に生きていたら私も殺されていたの? アディが行き着いた考えは、村に慰霊碑を作ってもらうことだった。 自分たちのこの村で、魔女として死ななければいけなかった女性たちのこと忘れないでいてほしい、そのために慰霊碑を作って欲しいと願い、村の委員会に訴える。 だが委員会からは冷たい反応しか返ってこない。  またこの厄介な娘がなにか言い出した。この村で、昔、無実の女性たちを魔女として死なせたなんてことをわざわざ掘り起こして公表する必要があるのか? アディは繰り返し繰り返し学校や家族や村人たちに訴える。徐々にアディの後押しをしてくれる人達も出てくる。両親や、同じ自閉的なキーディ、そしてニナも心を打ち明け合うようになる。 そしてアディは教会で行われる村の集会でスピーチをする機会を得る。 アディは自分が自閉の特性を持っていること、自閉とはどんなものなのか、そして自分が人と違う考え方ができてよかった、と語る。 このスピーチは村人の心を動かす。  人には色々な考え、事情がある。  魔女の慰霊碑を建てることは、ただ過去の罪を曝け出すためではない、彼女たちの想いを忘れないこと、同じことを繰り返さないための、明るい未来のための行為なのだ。

Posted byブクログ

2023/05/21

高学年課題図書。学校で魔女裁判の話を聞き、慰霊碑を建てることを訴えていく。アディと姉のキーディは自閉の特性があり、社会や学校で生きていくことの大変さを持ち、慰霊碑を建てることで、これからの多様性を受け入れる社会となることを心から願う。 作者も自閉を持ち、10カ国以上で翻訳されてい...

高学年課題図書。学校で魔女裁判の話を聞き、慰霊碑を建てることを訴えていく。アディと姉のキーディは自閉の特性があり、社会や学校で生きていくことの大変さを持ち、慰霊碑を建てることで、これからの多様性を受け入れる社会となることを心から願う。 作者も自閉を持ち、10カ国以上で翻訳されていることを思うと、障害への理解がますます大きくなっていて、当たり前の社会へと動いていることを感じられる。

Posted byブクログ

2023/05/21

自閉症と自閉的は違うんですね。 作者も自閉スペクトラムと診断されたと書いてあったので、アディの描写はそのまま作者の感じ方なんだろうと思う。 時代が違えば魔女だったかもしれないのは、アディだけではないと思うけれど、魔女にされやすかったのはその通りかも。 それにしても、マーフィー先生...

自閉症と自閉的は違うんですね。 作者も自閉スペクトラムと診断されたと書いてあったので、アディの描写はそのまま作者の感じ方なんだろうと思う。 時代が違えば魔女だったかもしれないのは、アディだけではないと思うけれど、魔女にされやすかったのはその通りかも。 それにしても、マーフィー先生はひどすぎる。あんな先生いるのかな?

Posted byブクログ

2024/08/07

自閉的なアディが、昔村で処刑された魔女は自分と同じだと考えていた。「周りの人と違う」「違うから嫌われている」から。 ぼくは、つい「みんなが」って言っちゃうし、みんなとちょっとちがうと変だなと思う。でも、他の人と同じならいいってわけじゃない。違っているから、みんなとは違ういいことが...

自閉的なアディが、昔村で処刑された魔女は自分と同じだと考えていた。「周りの人と違う」「違うから嫌われている」から。 ぼくは、つい「みんなが」って言っちゃうし、みんなとちょっとちがうと変だなと思う。でも、他の人と同じならいいってわけじゃない。違っているから、みんなとは違ういいことができるんだなと思った。 マーフィ先生みたいにならないように、「みんな」「同じ」「ちがう」ばっかり考えないようにしたい。 それにしてもマーフィ先生はひどい。先生なのに差別している。ふつうの人でも差別はだめだけど、先生なら絶対だめだと思う。アディもキーディもかわいそう。 それから、YouTubeを見た人のコメントもきつかった。インターネットであんまり何も考えないで何かしてしまうと、こういうことになるんだなということも少しわかった。 すごくおもしろくて、一気に読んだ。いじめとか、新しい友だちのオードリーとどうなるのかとか、いれいひは建つのかとか、すごくハラハラした。 気になるのは、いれいひに協力してくれたミリアムさん。変わった人だから、アディの気持ちがわかったのかな。(小6)

Posted byブクログ

2023/05/20

私は自閉ではないと診断されたけれども、そうなんじゃないかと自分で思うことはあって、周りと違う感じや、いつも仮面を被っている感じは痛いくらいよく分かった。アディにキーディやニナがいてくれてよかった。 長女である私としては、アディのために良き姉として振る舞うが故に自己を犠牲にしてしま...

私は自閉ではないと診断されたけれども、そうなんじゃないかと自分で思うことはあって、周りと違う感じや、いつも仮面を被っている感じは痛いくらいよく分かった。アディにキーディやニナがいてくれてよかった。 長女である私としては、アディのために良き姉として振る舞うが故に自己を犠牲にしてしまうキーディにも感情移入してしまった。 「ちがう」ということにマイナスのイメージがなくなって、それが当たり前として受け入れられていくやさしい世界になってほしい。

Posted byブクログ