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アイダホ の商品レビュー

3.5

6件のお客様レビュー

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2023/01/12

図書館の新着コーナーでなんとなく手に取った本。 バックカバーにある娘殺しや若年性認知症といったフレーズから緊迫感のあるサスペンス的な内容かと思ったどいい意味で期待を裏切られた。 限られた登場人物たちがそれぞれの視点でそれぞれの時代に生きる。その中心には語られらることのない出来事が...

図書館の新着コーナーでなんとなく手に取った本。 バックカバーにある娘殺しや若年性認知症といったフレーズから緊迫感のあるサスペンス的な内容かと思ったどいい意味で期待を裏切られた。 限られた登場人物たちがそれぞれの視点でそれぞれの時代に生きる。その中心には語られらることのない出来事があって、その出来事へのつながり方は登場人物それぞれで違うのだけど、少しづつのディテールを与えていく。しかし大団円のような結末はない。物語を通じて、詩的な、文章としての成立も時々危うくなるくらいに詩的な言葉で進行していく。その言葉に相応しい終末。著者の育ったアイダホの空気感がそのまま閉じ込められているようなとても文学らしい文学。

Posted byブクログ

2022/12/23

女性の友情の物語。 愛する男を通して友情を深めていく、男はここでも無力だ。 母親が娘を殺したことになっているが、そこの描写ははっきりしていない。はっきりする必要はないのかもしれない、そこが主題ではないからだ。

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2022/11/11

一貫して鬱々。笑い声ゼロ。前妻が自分の子供を殺害して服役している。その旦那は遺伝的アルツハイマーにて暴力。その父ちゃんは思い込みで隠し子と思っている家族に高額な小切手を渡している。皮肉ユーモアなく、ただただ陰々鬱々。「ベストセラー、数々の賞を受賞、アイダホの美しい風景」とか、どれ...

一貫して鬱々。笑い声ゼロ。前妻が自分の子供を殺害して服役している。その旦那は遺伝的アルツハイマーにて暴力。その父ちゃんは思い込みで隠し子と思っている家族に高額な小切手を渡している。皮肉ユーモアなく、ただただ陰々鬱々。「ベストセラー、数々の賞を受賞、アイダホの美しい風景」とか、どれもかんじとれなかったわあ。。。でもこれ、映画化するとなかなかいい作品になりそうな感じなんだよな。最近映画見てないけど、最近のアメリカ郊外ってかつてのヨーロッパ的な寒々とした自然の厳しさの中での虚しさみたいなのが表現されてる。

Posted byブクログ

2022/10/05

娘メイの殺害の核心部分を描写しない設定で関わる人達の心の内や襞を読み取るとの触書きだが、表現は繊細で重厚さを感じるが、年代の切り替えに追いつけない時がある。 読後感が外国文学ならではの感じがする。

Posted byブクログ

2022/09/05
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

事件そのものやその惨たらしさというよりは、それをきっかけに生まれる出会いとそれぞれの登場人物の心情が焦点となった物語だった。 ウエイドが若年性認知症を患ったことは救いだったのだろうか。ジューンはどこでどんな人生を送っているのだろう。ジェニーは刑務所の中で子供のことをどれくらい考えただろう。もしくは考えないようにしていたのだろうか。アンはウエイドと出会っていなかったら、自分を中心に置いた人生を生きたのだろうか。 終わった後、そんな疑問が頭を駆け巡った。 文章からアイダホの自然が立ち上がり、ここ数週間森の中にいたような気分にもなった。

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2022/08/28

著者の長篇デビュー作らしい。みっちり詰まった本文は358ページ。久しぶりに重量級の翻訳作品を読んだ。 アイダホの山中に住む一家4人に、ある日起きた凄惨な事件を描く。この事件で平和だった暮らしは終わり、一家はバラバラになる。だがその事件の詳細はぼかされていて、読者としてはこの物語の...

著者の長篇デビュー作らしい。みっちり詰まった本文は358ページ。久しぶりに重量級の翻訳作品を読んだ。 アイダホの山中に住む一家4人に、ある日起きた凄惨な事件を描く。この事件で平和だった暮らしは終わり、一家はバラバラになる。だがその事件の詳細はぼかされていて、読者としてはこの物語の行き先が気になる。実は犯人は別人なのではないか。あるいは超自然的な展開になるのか。行方不明の少女は見つかるのか……。 細部に至るまで綿密に書き込まれておりとてもリアルに感じたが、小説として大きな盛り上がりはない。それもまた現実的ではあるが。

Posted byブクログ