ギャンブラーが多すぎる の商品レビュー
タイトルと表紙で一目惚れ。訳者が『怪盗ニック』シリーズと同じ木村二郎さんだ! という理由で親しみを覚えたことにも、後押しされて手に取った。 原題は"Somebody Owes Me Money"。ちょっと難しい英語だな、と思い英語のわかる人に聞いたら、つま...
タイトルと表紙で一目惚れ。訳者が『怪盗ニック』シリーズと同じ木村二郎さんだ! という理由で親しみを覚えたことにも、後押しされて手に取った。 原題は"Somebody Owes Me Money"。ちょっと難しい英語だな、と思い英語のわかる人に聞いたら、つまり、「誰かが俺に借金を負っている、返すべき金がある」という意味で、主語が somebody であることが英語としても異様であり、なかなかひねりのあるタイトルなのだとのこと。 この英語は、物語の序盤を読み進めるととてもよくわかる。主人公はギャンブル好きのタクシー運転手、チェット。ある乗客がチップ代わりにくれた勝ち馬情報を信じて、なじみのノミ屋(=私設馬券屋。違法。)トミーから買った馬券が大当たり、早速払戻金を受け取りにいくと、トミーは何者かに殺されていた。殺人事件はともかく(?)、俺の九百三十ドルはいったい誰から受け取ればいいんだ〜〜!! という懊悩が主人公の原動力となるのだ。 この仕掛けが面白いし、原題にもなるほどと納得。でもやっぱり邦題のセンスが私は好き。そして「人生はギャンブルだ」「勘が閃いたら大きく賭けろ」といったチェットの人生訓も、どうも私は好きなのである。そんなわけで「私の好み」的に掴みはバッチリでするすると入っていけた。その後の展開は、トミーを殺したのは誰? というミステリーを軸にしながらも、個性的なギャングたちや素っ頓狂なヒロイン、緊張感あふれる命がけの交渉に派手な逃走劇、とエンタメてんこもり。 チェットはギャンブラーでこそあるがただの民間人であり、ギャングに脅されれば素直に従うしかなく、そんなヒロイックでない様がまた笑える。コミカル・ミステリーとかクライム・コメディとか呼ばれるジャンルだそうで、会話も地の文も言い回しが楽しい。なんとなく、「大泉洋主演」という五文字が浮かぶ、そんな雰囲気だった(チェット役をぜひ、というわけでもなく、作品の雰囲気が彼を思い起こさせた……)。 九百三十ドル回収の首尾に関してはちょっと納得いかなかったような、これで良かったような、とモヤモヤするが、総じて楽しかった。
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1960年代ニューヨークのドタバタコメディー・ミステリー さらさら読めるこれぞエンタメ 私にとっては珍しく「主要登場人物」を行ったり来たりせずに読み終わったので、この点に関してのストレスはゼロでした
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謎の客から聞いた馬に賭けたら大当たりした山っ気の強い若造のタクシー運転手。配当金を受け取りになじみのノミ屋を訪ねたら殺されていた。金は回収したいだけなのに、なぜか疑惑の場面に必ず自分が居合わせてしまい2つのギャング組織と刑事から疑われ追われる羽目になる主人公。 ひねりの利いた科白...
謎の客から聞いた馬に賭けたら大当たりした山っ気の強い若造のタクシー運転手。配当金を受け取りになじみのノミ屋を訪ねたら殺されていた。金は回収したいだけなのに、なぜか疑惑の場面に必ず自分が居合わせてしまい2つのギャング組織と刑事から疑われ追われる羽目になる主人公。 ひねりの利いた科白が昔っぽくて懐かしい感じ。
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評価高かったので、読んでみたーけど、特別面白い事はなかった。 ミステリーか...?と微妙な所でまぁ小中学生向けくらいのドタバタ騒ぎな感じ
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主人公のタクシードライバー、チェットは大のギャンブル好き。 「人生はギャンブルだ」というのが口癖。 ギャンブル好きが災いし、事件に巻き込まれ、ギャングどもに追いかけられる。 その展開が抜群に面白い。 一歩間違えばドタバタコメディになるところを、適度な緊張感と、軽妙な会話でグイグイと読ませる。 特に対立するギャング同士がチェットのところに集まってしまう下りは最高だ。 ギャンブルにのめり込む人たち、その人たちをカモにする人たち、そしてその人たちを許せない人たち、ギャンブルを中心とした様々な人間模様がコミカルに描かれる。 まさしくタイトル通り「ギャンブラーが多すぎる」。
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「でも、これだけは言わせてくれ。もしこれから一緒にいても、この数日ほどスリル満点の人生になることは約束できないぞ」 2022/11/20読了 『ホット・ロック』でウェストレイクを読んでなかったら、買ったかどうか? 物語の中で、良い感じになったチェットとアビーだが、映画『スピード...
「でも、これだけは言わせてくれ。もしこれから一緒にいても、この数日ほどスリル満点の人生になることは約束できないぞ」 2022/11/20読了 『ホット・ロック』でウェストレイクを読んでなかったら、買ったかどうか? 物語の中で、良い感じになったチェットとアビーだが、映画『スピード』(’94)の名言「異常な状況下で結ばれた男女は長続きしない」ではないが、事件の後はどうなったのかな?
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CL 2023.9.20-2023.9.22 久々のウエストレイク。 過剰なドタバタでもなく、でもウエストレイクらしい人を食ったようなコメディミステリで楽しめた。
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1969年年に刊行された本作はニューヨークが舞台。主人公はギャンブル好きのタクシー運転手。競馬で万馬券当たり、ノミ屋のトミーのところに配当金をもらいに行くとトミーが殺されていた。そこからなぜかギャングに追われたり命を狙われたりする。金髪美人のトミーの妹と共に逃亡するのだが、その会...
1969年年に刊行された本作はニューヨークが舞台。主人公はギャンブル好きのタクシー運転手。競馬で万馬券当たり、ノミ屋のトミーのところに配当金をもらいに行くとトミーが殺されていた。そこからなぜかギャングに追われたり命を狙われたりする。金髪美人のトミーの妹と共に逃亡するのだが、その会話やハラハラ具合が面白かった。舞台アレンジすると凄く面白そうな場面がたくさんあった。 ★評価低めなのは、私が翻訳だと名前や状況把握が苦手なせいです。
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ギャンブル好きの主人公チェットが競馬で大勝。配当金を受け取りに向かうと、ノミ屋のトミーが殺されていた。さらに2つのギャング組織から追われることになる。チェットは、わけがわからないまま、トミーの妹アビーと協力して事件の真相を探る。 コメディタッチのミステリー小説。 主人公はつね...
ギャンブル好きの主人公チェットが競馬で大勝。配当金を受け取りに向かうと、ノミ屋のトミーが殺されていた。さらに2つのギャング組織から追われることになる。チェットは、わけがわからないまま、トミーの妹アビーと協力して事件の真相を探る。 コメディタッチのミステリー小説。 主人公はつねにピンチなんだけど、飄々としていて深刻さは感じない。ギャングたちは個性的で憎めない。ヒロインは快活でかわいい。横文字の人物が次々に登場してくるんだけど、敵対していたり配下だったり家族だったり友人だったりするので人間関係を把握するのがめんどう。真犯人はちょっとずるい気もする。じっくり読むより、なんかドタバタしているなと気楽に読むのがいいんだと思う。 先に読んでいたのがシグマフォースシリーズだったので、世界の広がりやドンパチの派手さではどうしても劣ってしまう。そのせいもあってちょっと物足りなかった。ただ、ジブリあたりがアニメ化したらおもしろそう。
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※このレビューにはネタバレを含みます
ウエストレイクの未訳小説が初新潮文庫で…ってことで、読んでみた。 良きにつけ悪しきにつけ50年前の小説って感じ。60年代当時のちょっと治安悪い方のニューヨークの雰囲気をしっかり楽しめる反面、物語の展開がどうしても冗長で、軽快で読み易そうな文体なのに乗り切れない。 キャラクターの書き分けも、良く分からず、その結果犯人が分かっても「それ誰やったけ?」とスッキリ感少なかったし。 ウェストレイクファンは楽しめるのかも知れないが、俺のような半端もんはまず、代表作とか読んでから、この本を読んだ方が良かったようである。
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