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三体X 観想之宙 の商品レビュー

3.5

84件のお客様レビュー

  1. 5つ

    8

  2. 4つ

    29

  3. 3つ

    33

  4. 2つ

    3

  5. 1つ

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2024/01/10
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

三体シリーズの二次創作の公式スピンオフ、なんて聞いたら読まずにはいられなかった。もはや三体シリーズの細かいことを忘れているため、思い返しながらの読書となった。 作者は"原作を隅々まで読み込んだ三体オタク"なのだろうという熱量がひしひしと伝わってきた。あの物語と並行して謎を解き、あちこちを繋げて伏線を回収し深く掘り下げ、かつ物語として丸くおさめるのはかなり難しいことだと思うけれど、それをやってのけている。 統治者や潜伏者、次元逆転のあたりは話がややこしく、何を言っているのか分からない場面もあったけれど、当の天明もよく分かっていないことが明かされたりしてホッとしたりした。 特に最後、懐かしい面々が現宇宙で自分の新たな人生を全うしている描写は胸が熱くなった。 全人類が記憶を失って幾度となく人生を繰り返しているとしたら。三体の小説から人類が何かを得られるかもしれない、なんて希望を持たれているとしたら。実際ベストセラーになって夢中にさせられている。可能性が残されていて優しさを感じるラストだった。

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2023/11/06

死神永生の救いのない転回が、この作品で中和されるような感覚があった。 この作品を読まなかったら、このシリーズに対してはネガティブな印象を持ち続けたと思う。

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2023/10/01

三体原作とは別著者の二次創作。 三体原作はリアリティーのある物理理論や法則をもとに描かれていて、非常に面白かった。 こちらは完全なSFでちょっとどうかなと言うところもある。 ただ原作との辻褄はよく合ってるし、面白い。 原作者が認めているだけの事はある。 ただ最終的には原作で謎にし...

三体原作とは別著者の二次創作。 三体原作はリアリティーのある物理理論や法則をもとに描かれていて、非常に面白かった。 こちらは完全なSFでちょっとどうかなと言うところもある。 ただ原作との辻褄はよく合ってるし、面白い。 原作者が認めているだけの事はある。 ただ最終的には原作で謎にしておいて、世界観を保っていた部分を明らかにしてしまって楽しい部分ではあるけれども、つまらなくなってしまった部分でもある

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2023/09/09

《目次》 ・ 登場人物/各紀元対照表 ・ 序 ・ プロローグ ・ 第一部 時の内側の過去 ・ 第二部 茶の湯会談 ・ 第三部 天萼[ガク] ・ 終章[コーダ] プロヴァンス ・ コーダ以後 新宇宙に関するノート ・ 『三体III 死神永生[シシンエイセイ]』あらすじ ・ 訳者...

《目次》 ・ 登場人物/各紀元対照表 ・ 序 ・ プロローグ ・ 第一部 時の内側の過去 ・ 第二部 茶の湯会談 ・ 第三部 天萼[ガク] ・ 終章[コーダ] プロヴァンス ・ コーダ以後 新宇宙に関するノート ・ 『三体III 死神永生[シシンエイセイ]』あらすじ ・ 訳者あとがき/大森望 《登場人物》 程心(チェン・シン/てい・しん)……二代目の執剣者 雲天明……(ユン・ティエンミン/うん・てんめい)……程心の大学時代の元同級生 艾AA……(あい・えいえい)……星環グループCEO。程心の友人 関一帆(グァン・イーファン/かん・いっぱん)……〈万有引力〉乗員。宇宙論研究者 智子(ともこ/ヂーヅー)……三体文明の女性型ロボット ・ 各紀元対照表 [右は共通紀元(西暦)] 危機紀元  201X年~2208年 抑止紀元  2208年~2270年 抑止紀元後 2270年~2272年 送信紀元  2272年~2332年 掩体紀元  2333年~2400年 銀河紀元  2273年~不明 青色惑星[プラネット・ブルー]紀元       2687年~2731年 宇宙#647準備のためのタイムライン       2731年~18906416年 宇宙#647のタイムライン       18906416年~11245632151年 終末紀元  11245632142年~11245632207年 新宇宙のタイムライン       11245632207年~

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2023/08/20
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

・8月15日に読み始め、19日に読み終えました。 ・すごい!めちゃくちゃ同人誌だ。おもしろかった。Ⅲで「どうなった/なるんだろうな」と思ってた箇所がたくさん補完されてて、良かった。すっごく楽しく書いたんだな…… ってわかって楽しかったです。私も二次創作をする人間なのでなおさら…… ・AAの前世の話から成る天明とAAのロマンチックな運命、よかったな~。AAと死に別れたあとの天明の使命もそうだけど、天明に科せられたさまざまのもののスケールがすごい。三体世界に行ってからの三体人との攻防もおもしろかった。 ・二次創作の感想を書くにあたって、原作と比べたり原作を引き合いに出したりするのは違うよな~と思っているんだけど、天萼のところはだいぶ原作に近い雰囲気ですごかった。すでにSF作家として活躍されてる方らしいので、しっかり商業でやっていけてる人なんだなと実感した。そしてやはり難しかったです(難しいけど面白かったよ!)。 ・要所要所、に、二次創作すぎる……!!と面白くなるシーンがあって楽しかった。ラストのメタフィクションなんかその代表的な例だけど、元々こうして出版されると決まってたら書けなかった場所がいっぱいあっただろうな~と思った。 ・Ⅲラストの程心と智子のエコスフィアが宇宙にきらめくシーンが結構好きなので、それが智子の策略だったという話はえ~さみしい!と思ったけど、そういう解釈も良いなとも思うので、二次創作のいいとこだわな。人それぞれの解釈。 ・最後の新宇宙のとこで、もしかしてこの宇宙って……と思い始めたあとのあのラストはきもちよかったね…… ファンメイドならではの終わり方だったと思う。 ・ほとんどがⅢ本編を補完するような内容だったからか、読みやすかったな。ただ『三体』本編と同じ装丁で出すのは紛らわしいかな~と思った。賛否両論分かれる内容だと思うし…… でも全然違う装丁でもわかんなくなっちゃうもんな。公認スピンオフという立ち位置なら変ではないし。 ・最初にも書いたんだけど、とにかく楽しんで書いたんだろうなというのがひしひしと伝わってきて、なんかこっちも嬉しくなった。こうして出版の経路に乗らないと絶対に読めない作品だから(これはまあ何にでも言えるけども)この作品が出版されるに至った経緯にも感謝やね。非常にたのしかった!

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2023/08/18

これを三週間で書き上げたのか?という驚きがすごい二次創作。本編で触れられなかったところをたっぷり想像していて、なるほどよくできている。どこまでが原作要素だったのかわからなくなってくるくらいには、原作愛を感じた。 ただ、いくらなんでも僅かな登場人物だけで全て解決しすぎなのでは、など...

これを三週間で書き上げたのか?という驚きがすごい二次創作。本編で触れられなかったところをたっぷり想像していて、なるほどよくできている。どこまでが原作要素だったのかわからなくなってくるくらいには、原作愛を感じた。 ただ、いくらなんでも僅かな登場人物だけで全て解決しすぎなのでは、などと思ってしまった。

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2023/07/27

二次創作感は否めないのは誰もが感じたことだと思うが、〈三体文明〉や「死神永生」についての解釈は“これを超えるものはない”と感じた。 “歌い手”などの存在しない用語と単位によって交わされる異次元のやり取りは魅力的なものだった。 「三体」シリーズに奔走し、結末を見届けた者へのボー...

二次創作感は否めないのは誰もが感じたことだと思うが、〈三体文明〉や「死神永生」についての解釈は“これを超えるものはない”と感じた。 “歌い手”などの存在しない用語と単位によって交わされる異次元のやり取りは魅力的なものだった。 「三体」シリーズに奔走し、結末を見届けた者へのボーナストラック。 「三体」ロスが冷めないうちに、ぜひ。

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2023/07/10

[死神永生]をよみおわった後の虚脱感、もっとこの世界にいたいと思った気持ちを読者であった作者がこんな壮大な物語にして繰り広げてくれるとは…拍手喝采です。 こんな宇宙もあるよねと思える質の高い内容に読む手が止まりませんでした。 ただやっぱりこれは二次創作…原作者自身の三体世界が読...

[死神永生]をよみおわった後の虚脱感、もっとこの世界にいたいと思った気持ちを読者であった作者がこんな壮大な物語にして繰り広げてくれるとは…拍手喝采です。 こんな宇宙もあるよねと思える質の高い内容に読む手が止まりませんでした。 ただやっぱりこれは二次創作…原作者自身の三体世界が読みたいなぁ~と高望みしてしまいます。

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2023/07/08

あの壮大な物語の続きを読めるのだから悦ばしいこと間違い無し。 しかし、いざ頁を捲ると、終始これじゃない感が拭えなかった。 二次創作は所詮二次創作。結局は読んでいてどこかで他人の世界観だと思ってしまう。 これでもかとオリジナルな用語の名詞や代名詞が頻出し、混乱する。 まるでFF1...

あの壮大な物語の続きを読めるのだから悦ばしいこと間違い無し。 しかし、いざ頁を捲ると、終始これじゃない感が拭えなかった。 二次創作は所詮二次創作。結局は読んでいてどこかで他人の世界観だと思ってしまう。 これでもかとオリジナルな用語の名詞や代名詞が頻出し、混乱する。 まるでFF13のパルスのファルシのルシがパージでコクーンである。 非常に残念。 劉慈欣が書いた続編とNetflixでのドラマに期待するしかない。

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2023/07/05

「三体 死神永生」以後について、また、それまでに描かれてこなかった側からの話を描いたファンフィクション。 原作で特に気になっていたアイAAとユン・ティエンミンのその後は、この本全体にとってはプロローグ的に書かれ、そのあとからこそが、このファンフィクションの凄いところだった。 大胆...

「三体 死神永生」以後について、また、それまでに描かれてこなかった側からの話を描いたファンフィクション。 原作で特に気になっていたアイAAとユン・ティエンミンのその後は、この本全体にとってはプロローグ的に書かれ、そのあとからこそが、このファンフィクションの凄いところだった。 大胆な発想で自由に、三体という作品を本当に愛しているのが伝わりつつも、オリジナルの作品としての強度があって非常に楽しく読んだ。 訳者あとがきにもあるように、「第三部 天萼」での異世界描写が特に凄まじく美しかった。。 地載亀、均衡鳳、歌い手と王、滅びゆく毋世界。。 かつて歌い手が清めた世界、太陽系と同じように彼らもまた終わりを迎える。 終わる、ということの幸福と、永遠への憧れと、繰り返す、ということ。 今を生きることへの喜びや悲しみ、原作が示唆していたであろう(←個人的見解)、そのような「刹那の美しさ」(流れていく壮大な何百万年もの時間が主軸の作品だからこそ)が、より強く描かれた作品だと感じた。 最終章以降の挿話は、よりファン目線になっていて好き嫌いが分かれるところかと思うけど、ダーシーの話があって個人的には嬉しかったな。 あと、チェン・シンの最後の最後のあの描き方。。原作中でも、あまりに「良い子」なところが気になっていたので、これを書いたバオシューもそんな気持ちでああいう風に書いたのかな、などと思った。(あまり詳しく書くとネタバレになる為抽象的です)。

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