お嬢さんと嘘と男たちのデス・ロードジェンダー・フェミニズム批評入門 の商品レビュー
前作のような映画中心の批評を期待していたら、思っていたよりも英文学に関する批評が多い。マッドマックス、自分は絶対見ないだろうと思ってたけど、今すぐ見たい気持ちになる。
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あらすじ(Googleより)貞淑という悪徳、“不真面目な”ヒロインたち、 不条理にキラキラのポストモダン、 結婚というタフなビジネス…… 「男らしさ」「女らしさ」の檻を解き放て! 注目の批評家が贈る〈新しい視界がひらける〉本 ・ジュリエットがロミオにスピード婚を迫った訳とは?...
あらすじ(Googleより)貞淑という悪徳、“不真面目な”ヒロインたち、 不条理にキラキラのポストモダン、 結婚というタフなビジネス…… 「男らしさ」「女らしさ」の檻を解き放て! 注目の批評家が贈る〈新しい視界がひらける〉本 ・ジュリエットがロミオにスピード婚を迫った訳とは? ・フェミニズムと優生思想が接近した危うい過去に学ぶ ・パク・チャヌク映画『お嬢さん』の一発逆転!〈翻案の効用〉とは ・『マッドマックス』の主人公がもつケアの力と癒やし ・「マンスプレイニング」という言葉はなぜ激烈な反応を引き起こすのか ……etc. 閉塞する現代社会を解きほぐす、鮮烈な最新批評集! さえぼう先生のはやっぱり読みやすくて面白いですね。 みたことある映画の批評はなるほど確かにと思えるし、未鑑賞のものはみてみたいと思える。 あとがきにも書かれていたけど、昔よりもジェンダー・フェミニズム観点での批評、レビューが身近に見られるようになったし(自分がより関心を持つようになったのも大きいけど)、それに対してものすごい剣幕で突っかかるおじさんたちもよく見かける。今までそういう観点での意見は黙らされてきて、公に出てこなかったのかもしれないね。意識せずとも、より広くこういう観点での映画や本の見方が一般的になるといいな。 以下、引用 そこで私がフェミニストとして、そして研究者としていつも思っているのが、歴史が良いと言ってくれる側はどっちなのか考える、ということだ。今、自分の考えが周りの人にどう評価されるかを考えてはいけない。未来の人が自分をどう思うか考えねばならない。 キング牧師は生前、アメリカの白人たちから全く好かれていなかったし、多くのフェミニストや自由のために活動した人々もそうだった。今嫌われても、歴史が良いと言ってくれることは何かを考えてそれを優先するのが、学問や自由に仕える者の責務だと思う。歴史を学ぶことの醍醐味のひとつは、歴史に対して恥じない道は何かを考えられるということだ。それがうまくいくかはわからないし、結局考えた末にバカな選択肢をとってしまうこともあるかもしれない。しかしながら、未来のことを全く考えずに選ぶよりはずっとマシだ。(p.39-40) →歴史を学ぶ意義と今何を主張すべきか。この考え方大事。 日本語で「歴史修正主義」というと、ホロコースト否定論など歴史上の出来事を政治的意図のもとに歪める動きを指すことが多いが、歴史修正主義というのは本来、新史料の発掘や再解釈によってそれまでの歴史観の刷新をはかる、健全な歴史学の営みを指す言葉だった。(p.91) →ネガティブな意味しか知らなかった!そうなんだ! 自分が男であることをのびのび楽しむのは別に悪いことではないし、伝統的に男らしいとされている特質で、いわゆる暴力的な「有毒な男らしさ」ではない、誰にとっても美徳と思えるような特質はいくつもある。大事なのは、男の子が均質な集団ではなく個人差がとても大きいことを認識しつつ、男性であっても「優しさや慈しみの気持ち、豊かな表現力や傷つきやすさを見せること」(三二七頁)は全く問題がないのだと示すことだ。(p.128) →だいぶ前に読んだ『ボーイズ』これそうだよね。勘違いされやすいし、変にどうせ男性が全部悪いですごめんなさいみたいに捻くれる人いるけど、重要なのはここだと思う。 本稿では結婚をタフなビジネスとしてとらえている小説を二作、紹介したが、著者は結婚というのは現在でもビジネスだと考えている。別に愛し合っている人間同士が一緒になるのに、法的なお活は必要ない。契約としての法的な結婚が必要になるのは、税金とか、子どもの養育とか、財産の相続とか、お金や身分保障のためだ。こういう十九世紀の小説に描かれた物語は遠い昔のことのように思え、財産のために結婚するなどというのは過去のものに思えるかもしれない。でも、実は我々もリジーやシャーロットやエスターのように、日々、お金のために結婚しているのである。結婚はロマンティックなものではない。今も昔もビジネスだ。(p.178-179) →激しく同意。。
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映画や音楽をフェミニズム的に批評するとこんなにも新たな視点が得られる 好きなものは自分が選ぶわけじゃなく、自分がその対象から"選ばれた"のだ、という文章が印象的。この選ばれた責任感が全体に通底してて、作品への深い愛につながっている
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フェミニスト批評で注目を集める批評家による批評集。海外文学や映画をジェンダーの観点から鋭く切り込み、作品の新しい見方を提示してくれる。批評の面白さを体感できる一冊。
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北村さんはTwitterで時々お見かけしていたものの書籍は初めて読んだが書きっぷりが非常に面白かった。とても聡明で深く思考する方なのだろうということが文章から感じられた(学者なので当たり前か)。本書は文芸、映画にまつわるエッセイのような感じで、知らなかった作品も半分以上あったが見...
北村さんはTwitterで時々お見かけしていたものの書籍は初めて読んだが書きっぷりが非常に面白かった。とても聡明で深く思考する方なのだろうということが文章から感じられた(学者なので当たり前か)。本書は文芸、映画にまつわるエッセイのような感じで、知らなかった作品も半分以上あったが見てみたい・読んでみたいと思った。ウィキペディアの男子文化の話はさもありなん。ロミジュリをジュリエットの名誉の観点で読むのはなるほどと思ったし、その流れでヴィクトリア朝文学のハッピーエンドとしての結婚を、なんとかヒロインにとっての抑圧的要素を取り除こうとしていると言う話も言われてみれば確かにと思った。物語をただ受容するだけで無く、こんな風に批評できたら面白いだろうな。もっといろいろ見て、読んで、感じて学びたいと思った。
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映画を中心に舞台や小説などの作品を題材に、フェミニズム的視点から書かれた批評集。 ➤ 私は近年になってフェミニズム的要素を取り入れてアップデートしようとしている中年男性。本書に書かれているような視点がようやくすんなりと受け入れられるようになってきた。それでも、男性間性暴力と「男...
映画を中心に舞台や小説などの作品を題材に、フェミニズム的視点から書かれた批評集。 ➤ 私は近年になってフェミニズム的要素を取り入れてアップデートしようとしている中年男性。本書に書かれているような視点がようやくすんなりと受け入れられるようになってきた。それでも、男性間性暴力と「男らしさ」に関する考察とか、ウィキペディアや『スター・ウォーズ』のファンダムが男性優位な構造になっていることなど、初めて聞くこともたくさんあって勉強になる。 ➤ 「結婚というタフなビジネス」の章で度々出てくる、「結婚は家父長制に基づくビジネスであり、女性にとっては不利で抑圧的にならざるを得ないが、いろいろなプロット要素を動員して、ヒロインの結婚から抑圧的な要素を取り除こうとした」という考察は、なるほどと思った。これはヴィクトリア朝の小説の話だが、マシになったとはいえ本質的には今も続いている。 ➤ 映画『SKIN / スキン』で、青年ブライオンが白人至上主義団体を脱退するために必要な「全身のタトゥーをすべて消す」ための費用を寄付した匿名の女性の話が出てくる。この個人的な見返りを求めない女性の行為について、「おそらくこの寄付者女性が求めている見返りは、社会からもう少しだけ人種差別がなくなることだ」という考察がなされていて、なぜか少し感動した。自分もこの女性のようにありたいと思ったのかもしれない。
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すごく良かったし、北村さんのファンになった。わたしは「ジェンダーよくわからん」みたいなタイプなのだが、本の中では専門用語あるけど喩えが上手くて、ジェンダー論がわかりやすく載ってた。 軒並み映画を題材にしてたので、映画をよく見る人はもっと楽しめそう(わたしは映画を全く見ないので)。...
すごく良かったし、北村さんのファンになった。わたしは「ジェンダーよくわからん」みたいなタイプなのだが、本の中では専門用語あるけど喩えが上手くて、ジェンダー論がわかりやすく載ってた。 軒並み映画を題材にしてたので、映画をよく見る人はもっと楽しめそう(わたしは映画を全く見ないので)。 斯くいうわたしはフェミニストになるつもりはないけど、ジェンダーでの論点は知っといて損はないと思った。
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【オンライン読書会開催!】 読書会コミュニティ「猫町倶楽部」の課題作品です ■2022年11月3日(木)14:30 〜 18:00 https://nekomachi-club.com/events/b7d15733862d
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映画、小説を批評したくなる。 ジェンダーやフェミニズムに関連する作品を観て、読み、深めるきっかけになる1冊。 ジェンダー・フェミニズム批評入門というタイトルをつけるなら、これらの批評方法についての解説が欲しかった。
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【男の子はいかにして「男らしさの檻」に閉じ込められるのか? 】結婚というタフなビジネスから、「不真面目な」ヒロイン映画の系譜、男たちのデス・ロードまで。閉塞する社会に風穴をあける批評集。
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