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爆発物処理班の遭遇したスピン の商品レビュー

4

97件のお客様レビュー

  1. 5つ

    25

  2. 4つ

    41

  3. 3つ

    20

  4. 2つ

    3

  5. 1つ

    0

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2022/09/06

短編集。どの作品も佐藤作品の魅力が詰まっていて素晴らしい。確かに暴力描写は激しいが、人間の心模様が繊細に描かれていて、読後は切なさで溢れる。「くぎ」のラストは、破滅と見るか、救いと見るか、余韻が良かった。

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2022/09/05

一番エキサイティング→ジェリーウォーカー 子持ち的には怖い→猿人マグラ 白滝の執念がヤバい。怖いではなくヤバい。→シヴィル・ライツ

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2022/09/04

それぞれ独立した短編集。だけど、なんとなくちょっとした単語で重なってるような気もしてくる。 短いながらも心に重みを残す物語。

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2024/09/07

(当たり前だが、)作品トーンは一貫しているものの、好きな作品は読み手ごとに結構バラけるかもしれない。個人的には、「シヴィル・ライツ」と、「スマイルヘッズ」と、「九三式」が良かった。 ★4.0

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2022/08/27

 2022年六月既刊、八話で構成され、それぞれの物語に連続性はなく、大体長いもので約六十頁なので読み切りやすい。各々の話は、奥行が深く、短編だからといって粗雑さはなかったように思う。 目次を見ても何となく興味が湧き中でも目玉は、タイトル通りの「爆発物処理班…」が面白く読めまし...

 2022年六月既刊、八話で構成され、それぞれの物語に連続性はなく、大体長いもので約六十頁なので読み切りやすい。各々の話は、奥行が深く、短編だからといって粗雑さはなかったように思う。 目次を見ても何となく興味が湧き中でも目玉は、タイトル通りの「爆発物処理班…」が面白く読めました。  警察の機動隊が特別に組織され、処理班が東京オリンピックを見越して爆破テロリストから爆発物の解除の任務のため鹿児島で訓練をしていた。  ある日、爆破テロの犯行予告が同県の教育委員会に入った。設置された場所は限られている。怪しい段ボール箱が発見された。爆発物にX線を照射して物を判定し、不審な電波がないことを確認した。そこに油断が生じた…という感じで、テロ組織が警察への挑戦状の如く現場検証の間もなく次の犯行声明が流れた。  大矢警部は爆発物「CL―20」の化学名は、ヘキサニトロヘキサアザイソウルチタン、長い化合物名は、核を除けば地上最強の威力を持つ爆薬という。物語は、化学から量子力学の話まで続く…。  この原稿を書いていたら新聞の朝刊に、世界で初めて量子コンピュータの弱点克服の記事が載っていた。  理化学研究所の論文が25日、英科学誌ネイチャーに掲載され、シリコン方式による本格的な量子コンピュータで実用的な計算をするのに不可欠な技術で計算のエラーを訂正する「誤り訂正」が研究チームによって成功した。と書いていた。  本書を読み始めてSF小説かと思っていたら量子力学を応用するレベルまで飛んでいた。  何とも理系の事柄に興味を擽る小説仕立てだった。僕は文系だから…という言い訳はしないで、ちーと勉強しよ‼  それにしても佐藤究さんの小説は、抽斗の数が多くぶっ飛び方が半端なくおもしろい。参考文献の多さから相当勉強し、そこから想像が膨らむのですね。  調べてみると、アインシュタイン博士の名言に『創造は知識よりも重要だ。知識には限界があるが、創造力は世界を覆う』と書いていた。早くも次の作品に期待している。   読書は楽しい。

Posted byブクログ

2022/08/26

短編集だが、どれも重い話だった。 この短編をベースに普通の小説が書けそうな拡がりを感じた。 「爆発処理班の遭遇したスピン」は量子論を巧妙に使ったトリックが難解だが、楽しく読めた。 「ジョリーウォーカー」は、永続化して欲しくない。 「スマイルヘッズ」は、絵画コレクターの話だが、意外...

短編集だが、どれも重い話だった。 この短編をベースに普通の小説が書けそうな拡がりを感じた。 「爆発処理班の遭遇したスピン」は量子論を巧妙に使ったトリックが難解だが、楽しく読めた。 「ジョリーウォーカー」は、永続化して欲しくない。 「スマイルヘッズ」は、絵画コレクターの話だが、意外な結末に愕然とした。 「ボイルド・オクトパス」は不気味。 「九三式」は終戦後の混乱した社会での混乱した引き揚げ兵。何が真実だったのか。 「くぎ」は安樹のその後が心配。 どのストーリーも心をざわつかせる。

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2022/08/25
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

面白かった。全体的に、今までの長編を書くために集めた情報からまた産み出されてる感じ。長編からこぼれたものが再構築された感じ。 「爆発物処理班の遭遇したスピン」 雑誌で読んだ時は意外性があって、ほんとにこの作者が書いたの?と思った。でも、人間描写は作者っぽいなって今なら思う。淡々としてる。 シュレディンガーの猫のような感じ。 「ジェリーウォーカー」 近未来SF。CGクリエイターが実物をモデルにしないと創作出来ないというのがちょっと可哀想だなと思ってしまった。大きなお世話?なんだろうなこの哀れみ。悲劇で終わったからかな。 映像で見たい作品。 「シヴィル・ライツ」 ちゃんと謎が用意されて、その謎がわかるようになってて、面白い。ヤクザ。底辺も底辺なところが良かった。 「猿人マグラ」 これは作者が昔聞いたことをヒントにして書いたのか、まるっきりフィクションなのか。 される、というのは、拐われるということなんだろうな。 「スマイルヘッズ」 銀座で画廊でシリアルキラーなら、その展示会行ったなあというのを思い出した。 ドルフィンマンはフィクションだけど、その造形は良かったし、その作品の隣に並べられることを願うところが良かったな。 「ボイルド・オクトパス」 これもたぶんフィクションだろうけど、元刑事というネタは面白いな。警察が間に合って良かった。 ゴーストに取りつかれてしまったということだろうな。 「九三式」 本当に犬だったのか、いやでも人間だったのか。コルサコフと狂犬病と戦後の混乱を混ざった内容。 戦地で死にかけてようやく帰ってきたのに地獄に帰るとは。 「くぎ」 くぎ1本からおかしいと思って夜中向かう行動力がすごい。目覚まし時計であり、警告のアラームで、それにちゃんと気付けたということだろう。 ちょっと強引だなとは思ったけど面白かった。

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2022/08/25

佐藤究『爆発物処理班の遭遇したスピン』読了。 テスカトリポカがよかったので同じ作者の短編集を購入。「ジェリーウォーカー」はNOVAで読んでクリーチャーものの洋画然とした鮮烈な印象があったけどこの人だったのか!貧困、暴力、犯罪の生々しさ故に"人間"を生き生きと描...

佐藤究『爆発物処理班の遭遇したスピン』読了。 テスカトリポカがよかったので同じ作者の短編集を購入。「ジェリーウォーカー」はNOVAで読んでクリーチャーものの洋画然とした鮮烈な印象があったけどこの人だったのか!貧困、暴力、犯罪の生々しさ故に"人間"を生き生きと描くのがうまいよな、と。 個人的には表題作は他の作品で際立つ荒々しさや緊迫感、理不尽さが薄めでやや退屈。「シヴィル・ライツ」とか「スマイルヘッズ」「ボイルド・オクトパス」のサイコパス犯罪者もの3作のが作者の良さが出ているような気がする。

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2022/08/20

私は佐藤先生のスタイルが大好きなので客観的評価ではありません。期待以上の内容でした。最後の「くぎ」が最高でした。このおちは想像してなかった。

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2022/08/20

短編だけど、どれも情報量がすごい。感傷が一切なく淡々と描かれ、翻訳もの読んでるようです。こういう筆致は佐藤氏ならでは。清々しいほどフラットです。そこから情景がすぐにイメージできるから、余計に背筋が寒くなります。短編でこれほどヘビーなので、かなり削られるのはわかってますけど、次の長...

短編だけど、どれも情報量がすごい。感傷が一切なく淡々と描かれ、翻訳もの読んでるようです。こういう筆致は佐藤氏ならでは。清々しいほどフラットです。そこから情景がすぐにイメージできるから、余計に背筋が寒くなります。短編でこれほどヘビーなので、かなり削られるのはわかってますけど、次の長編がすぐに読みたくなります。これを沼というんてしょうね。ジェリーウォーカー、全く関係ないけどハガレン思い出しました。ビジュアルが目に浮かびすぎて、ゾクゾクしっぱなしです。こんなに熱量あるのにクールな描写で、素晴らしすぎです。

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