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爆発物処理班の遭遇したスピン の商品レビュー

4

97件のお客様レビュー

  1. 5つ

    25

  2. 4つ

    41

  3. 3つ

    20

  4. 2つ

    3

  5. 1つ

    0

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2023/03/06

短編集。 表題作は難解だった。 「ジェリーウォーカー」「シヴィル・ライツ」「ボイルド・オクトパス」「スマイル・ヘッズ」は独特の世界観。でも惹き付けられる。

Posted byブクログ

2023/02/24

8篇収録の短編集。刊行は直木賞受賞作品『テスカトリポカ』の次だが、作品発表は佐藤究名義の長編作品より前のものが多い。『QJKJQ』『Ank』『テスカトリポカ』の源流を感じさせる。実在の事件や科学的裏付けを基にした飛躍させたSFを得意とした著者の才能が遺憾なく発揮され、異常性の表出...

8篇収録の短編集。刊行は直木賞受賞作品『テスカトリポカ』の次だが、作品発表は佐藤究名義の長編作品より前のものが多い。『QJKJQ』『Ank』『テスカトリポカ』の源流を感じさせる。実在の事件や科学的裏付けを基にした飛躍させたSFを得意とした著者の才能が遺憾なく発揮され、異常性の表出の描写と渇いた硬質な文体が「憲胤」ではなく「究」としての確立を高らかに謳っている。陰鬱で凄惨な展開なのにハリウッド映画のような高いエンターテイメントを有す。いずれも珠玉の作品だが「爆発物処理班の遭遇したスピン」の爆発物の仕掛けの着想と緻密で緊迫した構成、「くぎ」の狂気と日常のあいまいな境界の描き方が素晴らしい。

Posted byブクログ

2023/02/20

読み終わってから1年ほど前に読んだ「テスカトリポカ」は私には合わなかったんだと思い出した。まったく何が面白いかが分からん。だったら、読むなよと云うことだよね。読んじゃった・・・

Posted byブクログ

2023/02/26
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

短編集なので1つずつは短時間でさくっと読めるのに内容は濃くて面白く、強大な力に翻弄される救われない内容に頭を抱えながら読みました。 純粋な暴力、権力、圧力、魅力など様々な力の持つ怖さが強く伝わってくる作品集だと思います。 話の前半で主人公の人柄や人生、考え等を書いて読者にこの人物を理解させて、主人公の立場や職業とは全く共通点のない自分にその深い苦しみや恐怖、高揚などを絶望させる程ぶつけてくる文章力、構成力が恐ろしく素晴らしいと感じました。 フォント等で煩さや言葉の強さ、圧力などを表現されてるのも素晴らしいですね。『九三式』の講義であの目に見える煩さで一種のリラックス状態でいる登場人物達が表現されてるのは滅茶苦茶良くて滅茶苦茶怖いなと思いました。 本を読み進めれば読み進める程後々の話は「結局最後は嫌なとこに着地する」って分かるのに最後まで読んでしまうのが本当に凄いです。 個人的には表題作と『九三式』と『くぎ』が好きでした。

Posted byブクログ

2023/02/11

表題作とジェリー・ウォーカーと猿人マグラが面白かった。 表題作は知識がなくても楽しめるか不安だったけど、ダントツで面白かった。短かったけど、もっと読みたかった。 その他の作品は正直好みではなかったり、面白さが分からなかった。 特にボイルド・オクトパスは単純過ぎて逆に良くわからな...

表題作とジェリー・ウォーカーと猿人マグラが面白かった。 表題作は知識がなくても楽しめるか不安だったけど、ダントツで面白かった。短かったけど、もっと読みたかった。 その他の作品は正直好みではなかったり、面白さが分からなかった。 特にボイルド・オクトパスは単純過ぎて逆に良くわからなかった。

Posted byブクログ

2023/02/02
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

爆弾物処理班の遭遇したスピン 鹿児島の小学校に仕掛けられた爆弾処理でトラップにかかり失敗、仲間が片足失う。 箱の高さで近くの爆弾に爆発信号発信。 同じテロリストが鹿児島天門館のホテルに酸素カプセルに爆弾を仕掛けた。寝ているの原発推進派官僚。気圧が変化すると爆発すると教えきた。種子島宇宙センターの気圧調整室に酸素カプセルを巡視船で曳航。在日米軍から停船命令。 同時に沖縄米軍基地ジムの酸素カプセルにも爆弾。 アメリカには爆弾予告、日本の警察の教えろ EPRペア、フェルミオンのスピンを観測 上向きスピン起爆、下向き起爆しない 量子力学教授が無線スピーカーから解説 アインシュタイン、ポドルスキー、ローゼン アインシュタインは相対性理論よりも量子論に脳液を使い果たした。 コペンハーゲン学派ボーアの相補性 量子世界では位置と運動量は同時に観測できない。アインシュタインは猛反発。 EPRは量子力学には光速を超えるているから見落としがある。 彼らの死後、EPRペアの検証実験。 相互作用を量子エンタングルメント、もつれあいは作用する。量子力学の近似的な正しさを裏付けた。 二つの酸素カプセルのカバーを開けるとどちらかが起爆、どちらかが起爆しない。 CIAがやっきて、どちらもカバーを開けないと命令される。 日本は海上で解除しようとして失敗。遺体は海の底。 米軍はプールに沈めバッテリー切れを待つ。 中の人間はガス等で安楽死されたのでは。 ジェリーウォーカー 2047年映画で有名になったCGクリエーター モンスターのアイデアは禁止されているDNAレベルで動物を配合させて生まれた生物 ハチとバッタから作った昆虫を空港にばらまくテロが発生して禁止 ダークウェイブからDNAを購入 シドニー郊外に大きな屋敷を購入し、友人にまかせている。 ある日、講演から帰宅するとモンスターが檻をやぶり友人を殺して逃走 巨大毒クラゲと凶暴な鳥から作ったモンスターをドローンで探す。隠れている納屋を燃やすと怪物は火ダルマになって苦しんでいる トドメを刺さずに見ていた。池に飛び込んだ 池からクラゲの足が伸びて毒でやられた 探しに来た幹部がドローンが撮影したモンスターをみる。CGではない ヒントに映画で出して大ヒット 生み出したクリエーターは謎の焼死 買い手のつかない広大な敷地をスタント俳優が購入。子供が池に近寄る。池に何かいるのを見てしまう。 シビルライツ 暴対法で凌ぎがない歌舞伎町の暴力団 取り立てで使用する原付きバイクを盗まれた 落とし前で指詰め。若頭が借金のかたに奪った鰐ガメのホセを使う。小指を10秒、顎の前にだす。噛まれなければ小指は残る。 今回は中指と薬指を食われる。その晩、失意で酒を飲んでいる時、誤ってビルから転落死 そのことで、また指詰め。若頭の横暴にきれる。指詰めにびびって1時間遅刻? 実は腹にコンドームに入れた蛾を隠す。 蛾が飛び出すと虫が嫌いな若頭が慌てる。 若頭の喉元に鰐ガメをあてがう。若頭は死ぬ 鰐ガメは拳銃で殺す。警察には若頭が鰐ガメと戯れて喉を噛まれたと説明。 組長に呼び出されて集合。若頭と組員が死んだ落とし前をつけるように言われる 指詰めにびびっていたと思っていた組員が あっさりと小指を刃で落とした 猿人マグラ 夢野久作の出身地。博多の南区の言い伝え。 作品の内容からなき物されている 小学生の頃一人でいると、マグラにされるぞ 意味不明 高校時代に散歩していて遭遇した老人にも 言われた、子供同士の言葉ではない 社会人になり社長の友人、美大出身の幻想文学に詳しい男を訪問。本棚に夢野久作のドグラマグラがあった。この話の舞台が南区 当時を知る人物を訪ねる。 戦時中、類人猿の実験をしていた元九大教授に辿り着く。 精神鑑定にまわされた元九大教授がいた 幼児の腐乱死体の写真を見せられた その中の一人が 間倉千恵美、1歳2ヶ月 スマイルヘッズ シリアル殺人犯が獄中で書いた絵のコレクター ドルフィンヘッドという出物が出た 持ち主に確認する為に訪問する 死んだ姉の遺品整理で発見したとのこと 姉の男の持ち物  部屋に通され飲み物を勧められる 毒が入っていた。大きな犬に足を咥えられ部屋に引きずられる。部屋の中には頭部をアルコール漬けしたビンがたくさん置いてあった

Posted byブクログ

2023/01/29
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

爆発物処理班の遭遇したスピン 酸素カプセル ジェリーウォーカー キメラ シヴィル・ライツ ヤクザ 猿人マグラ 解放治療 スマイルヘッズ シリアルキラーのアートのコレクター ボイルド・オクトパス 元刑事へのインタビュー 九三式 帝銀事件、コルサコフ症候群、狂犬病 くぎ 塗装屋、行方不明の女子中学生

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2023/01/25

全編SFかと思ったら色々でした 個人的には暴力的な話が好みだろうか シヴィル・ライツ、ボイルド・オクトパス、くぎ

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2023/01/21

佐藤究名義で刊行された単行本は、多分すべて読んでいる。 前々から思っていたけど、なんかやっばりめちゃめちゃ面白くないか? ご本人の見た目で、バイオレンスアクションなのかしら?と先入観を持っていたが、全然違う(大変失礼でごめんなさい)。 いつもは大作長編なので、面白かったけど細か...

佐藤究名義で刊行された単行本は、多分すべて読んでいる。 前々から思っていたけど、なんかやっばりめちゃめちゃ面白くないか? ご本人の見た目で、バイオレンスアクションなのかしら?と先入観を持っていたが、全然違う(大変失礼でごめんなさい)。 いつもは大作長編なので、面白かったけど細かなところまで記憶できていなかった。 今回は短編で、本当に全部面白かった。ハズレがないってスゴイ。 化学、科学、さらに民俗学。分野が異なる設定で、起承転結がしっかりしていて、専門用語は難しいはずなのに、ぐいぐい読ませる。 さらに、このページ数で、心理描写も深いのだからすごすぎる。 未読の方は是非こちらの作品からなら読みやすいはず。

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2023/01/15

これはいわゆるヤバいやつです。(いい意味で) 『テスカトリポカ』が好きな人にはオススメです。 短編集と思って油断すると火傷します。ケガします。これはアタマの中で弾ける爆竹のような本です。爆竹✕精神的バイオレンスのエンタングルメントです。読み終わっても残像が残ってしばらく消えそうに...

これはいわゆるヤバいやつです。(いい意味で) 『テスカトリポカ』が好きな人にはオススメです。 短編集と思って油断すると火傷します。ケガします。これはアタマの中で弾ける爆竹のような本です。爆竹✕精神的バイオレンスのエンタングルメントです。読み終わっても残像が残ってしばらく消えそうにありません…。どうしよ… この衝撃を表す言葉が見つかりません。強いて例えるなら…RPGとかで圧倒的に強い怪物に出会ってボコボコにされるんだけど、あまりに強すぎて逆に憧れてしまうくらいの凄さ、みたいな…。 すみません語彙力が足りません。 ※エンタングルメント=「もつれ合い」の意

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